人生100年時代でも、早めの「終活」が必要な理由~「意思表示」は自分のためにもなる

#ライフスタイル #今できること #家庭・育児 #老後 #税金

人生の最期に向けた事前準備、いわゆる「終活」(しゅうかつ)が関心を集めています。万が一のときに、家族や親しい人たちに伝えたい事柄をまとめた「エンディングノート」の書き方、相続や相続税の知識のレクチャー、といったセミナーも各地で行われています。

人生80年時代には「余生」だった定年退職後は、人生100年時代では「人生後半」です。終活は自分にとっては「まだ先のこと」と考えがちですが、長生きするからこそ、現役時代の棚卸しを兼ねて、早めの「終活」で意思表示をしておくという選択肢もあります。

親とはなかなか話しづらい話題ですが、親が元気なうちにどうコミュニケーションを取ったらいいのかも含めて、考えていきましょう。

法改正で、相続税の課税対象となった遺族は全体の約8%に増えている

若い世代がまず知っておきたいのは、遺産を相続で受け継いだときに納める相続税です。かつては、「基礎控除」という、相続財産の総額から引くことができる「控除」額が大きく、多くの場合は控除額内に収まることが多かったため、相続税は「資産のある一部の人が納めるもの」と捉えられていました。

しかし法改正により、2015年1月1日以降に亡くなった場合の基礎控除額が減っています。これを受けて、相続税の課税対象となる人の人数は、下のグラフのように大幅に増える結果となりました。国税庁によると2016年中に亡くなった人は約131万人、相続税の課税対象となった人は約10万6,000人で、課税割合は8.1%となっています。

2016(平成28)年分の相続税の申告状況

出典:2016(平成28)年分の相続税の申告状況について(国税庁)

「話し合うほどの財産がないから話し合わない」は相続後のトラブルの元に

子どもの立場としては、相続財産があるなら、それを含めて自分たちの人生を考えたいですし、もし相続税がかかるなら、どのくらい納めることになるのか気になります。

ただ、親子の話し合いは、なかなか難しいようです。日本財団が2017年3月に20歳~59歳(財産を遺される側)、60歳~79歳(財産を遺す側)合計約3,000人に実施した「遺贈に関する意識調査」では、財産の相続問題について、親世代(60歳以上)と子世代(59歳以下)の意識がうかがえます。

財産相続について、親子間の話し合いの状況

出典:日本財団「遺贈に関する意識調査」

「(財産相続について)話し合いはしておらず、必要性も感じていない」理由の1位は、親世代、子世代とも「話し合うほどの財産がないから」というもので、約52%の親世代、約33%の子世代が回答しています。

相続を専門に手がけ、終活セミナーの講師も務める司法書士の清澤晃さん(清澤晃司法書士事務所)は、こうした考えに注意を促します。「富裕層は、相続税対策をするとともに、財産の分与についてもきちんと考えているので、実はトラブルは少ない。『自宅の土地家屋と預貯金数百万円、総資産5,000万円以下』というケースのほうが、相続税の負担はなかったとしても、親の遺産を巡って、兄弟姉妹間の財産分与でトラブルになることが多いのです」(清澤さん)

意思表示しておけば、子どもたちの負担を軽くできる

同調査では、親世代に、決まりに則って作成すれば遺産分割への法的な効力もある「遺言書」の作成状況も聞いていますが、約73%が「考えたことはあるが、また必要性は感じていない」と答えています。

遺言書の作成状況について

出典:日本財団「遺贈に関する意識調査」

遺言書を作成していない理由(複数回答)は、ここでも「遺言を書くほどの財産を持っていない」がトップで約48%、「法定相続率で分けてもらえれば良いと思っている」「家族がうまく分配してくれると思うから」「自分にはまだ早い」がそれぞれ約20%という結果でした。

実は、同調査では、60歳以上の財産相続経験者に、相続の際トラブルを経験したことがあるかどうかも聞いています。その結果、相続経験者の2割が経験しており、その中でも「兄弟姉妹とのトラブル」は4割を占めていました。これらの結果を統合すると、自分自身は相続でのいさかいを経験したことがあっても、自分の子どもたちは仲良く財産を分け合うだろう、と楽観的に考えている人が多い、ということになりそうです。

清澤さんは、さらに、親世代が見落としがちなことを指摘します。それは、遺産相続をするとき、遺族には作業の負担がかかるということです。

「故人が遺言書を作成しないで亡くなると、遺産に関して相続人が全員で話し合うことから始めなければなりません。それだけでも、遺族の作業が煩雑になったり、ストレスになることがあります。生前に遺言書を作成して遺産について配分し、遺言の執行者も指名しておくことで、遺族の負担が軽減されるのです。遺される大切な家族のため、こうした視点もぜひ持っておいてほしいと思います」

また、自分の親から相続した自宅の名義を変えていないケースも多いといいます。このように故人名義の家がそのままになっている場合も、子ども世代の負担やストレスが増えることになります。

自分らしく生きるための意思表示は、全世代に必要

自治体や高齢者施設、金融機関の主催など、さまざまな「終活」セミナーが行われていますが、その内容は、先にも触れた、一定の作成方法に従って法的な効力を持たせることもできる「遺言書」のほか、「エンディングノート」があります。エンディングノートには法的な効力はありませんが、自分が死去したとき、意思表示ができなくなったときなどに、周りの人に意思を伝えるものです。

遺言ほどハードルは高くないものの、エンディングノートもネガティブに捉えられる一面があるため、なかなか人に勧めにくいものです。しかし確率に差はあっても、年齢を問わずすべての人に「万一のこと」は起こります。

「自分にもし何かあったとき連絡してほしい人がいる」、「パソコン内に削除してほしいデータがある」、といった希望が1つもない人は少数なのではないでしょうか。

「今は多くの人が、大事な情報はすべてパソコンかスマートフォンの中という状態です。紙にスマートフォンのパスコードを書き出しておく、それもエンディングノート作成につながる作業だと思います」(清澤さん)

例えばペットを飼っている人は、もしペットの引き取り手がないと、殺処分されてしまうケースもあるため、若い独身者でも、緊急時にペットを人に託すことを目的としたエンディングノートを書いている人もいるといいます。

インターネットで検索すると、さまざまな市販のエンディングノートの情報を見ることができます。緊急入院したとき、財布をなくしたときなどのための記録のバックアップとして、情報を紙で一元化しておくという狙いのものもあるようです。

自分の生活から不要なものを減らす「断捨離(だんしゃり)」が流行しましたが、自分の情報も整理して不要なものは見直す作業は、人生のどこかで必要なのかもしれません。人生の棚卸しという意味で、時期にとらわれずエンディングノートをしたためてみる方法もあるのでしょう。

よりよい人間関係を育てておくことも、大切な「終活」

人生が100年に向かって長くなっても、私たちは年齢を重ね、人の手を借りながら長寿を全うしていくことになります。

「高齢者の方々を見ていて思うのは『人に好かれる』ことの大切さです。尊大な態度を取る方からは、やはり人が離れていき、寂しい老後になってしまいます。配偶者と死別し『おひとりさま』になっても、人に好かれている方は、周囲が助けてくれます。自分がお世話になっていく地域の中で、いかに楽しく暮らしていくか。そうした環境作りも、長い時間をかけて取り組む『終活』の一つです」(清澤さん)

子どもの世代が取るコミュニケーションとしては、もし離れて暮らしているなら、定期的に帰省して親の生活ぶりを見聞きしながら、地縁やコミュニティの中での、広い意味での親の「終活」に寄り添うことから始めるのもいいのかもしれません。認知症の兆候といった、小さなことに早めに気づくことができるメリットも生まれます。

「我々の世代が提供できるのは、最新の情報です。高齢者に対する情報やサービスの中には、首をかしげてしまうものもあります。親が何か知りたい場合、情報収集役を買って出て、今はたくさんの情報があること、そこから取捨選択できるということを示していくのもいいですね」(清澤さん)

人生100年時代、意思表示しておくべきことは

長生きが当たり前の世の中になっても、元気でいられる健康寿命は100歳まで続くとは限りません。医学が進歩した長寿社会を生きるにあたり、考えておくべきことがあると清澤さんは語ります。

「私たちはこれから、高度な医療で『生かされて』しまう可能性も高いと思います。例えば、自分の命が不治かつ末期のときには、延命措置を施さないでほしい、という意思があるなら、公正証書で『尊厳死宣言』を作成し、専門家に託しておく方法もあります。家族にとってはなかなか決断できないことですから、最期まで自分らしく生きたいのなら、こうした意思表示をしておくことも重要になるかもしれません」(清澤さん)

「自分らしく生きたい」は、どんな調査結果を見ても、回答の上位にくる答えです。でも私たちは、「どう自分らしく生きたいのか、もしものとき、どうしたいのか」を、なかなか人に伝えきれていないのではないでしょうか。

もし、親と終活や相続について話す機会があったら、自分にもしものことがあった場合の意思も伝えておく方法もあるでしょう。それが結果として、親子両者にとって、それぞれが自分らしい人生を送ることにつながるのかもしれません。

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