

公開日:2026/08/28
高齢者に死亡保険は必要? ?加入のメリット・デメリットと対策について解説
高齢になってから「保険に入りたい」と考える人は少なくありません。ただ「今の年齢からでも保険は必要なのだろうか」と迷う人もいるでしょう。
近年は高齢者でも入れる死亡保険も登場していて、今までなら高齢であることを理由に保険をあきらめざるを得なかった人でも加入できるケースが出てきています。
この記事では、高齢者でも入れる死亡保険の特徴やメリット・デメリット、高齢者が死亡保険を活用すべき理由について解説します。
高齢者が入れる保険は存在するのか?
高齢者が入れる保険は存在します。しかし、数としては少ないのが現状です。
一般的な定期保険の場合、更新できる年齢には上限が設けられています。若い頃からずっと加入していても70代や80代になると更新できなくなるケースもあり、高齢になってから新たに加入するとなるとさらに難しいでしょう。
また、高齢者でも入れる保険は、若年層向けの保険と異なる点もあります。特徴を理解したうえで加入を検討するようにしましょう。
高齢者が死亡保険に加入するメリットと死亡保険が必要な理由
高齢者が死亡保険に加入するメリット(死亡保険が必要な理由)として、次のような点が挙げられます。
相続税対策に有効
葬儀費用などに活用できる
遺族の生活費や介護費用を確保できる
以下、それぞれ解説します。
相続税対策として非課税枠を活用できる
死亡保険は相続税対策として有効です。
亡くなった人から財産を受け継いだ場合、相続税がかかる可能性があります。死亡保険金には一定の「非課税枠」が認められているため、法定相続人が死亡保険金を受け取る場合、相続税の課税対象になるのは、非課税枠(500万円×法定相続人の人数)の範囲を超える部分のみになります。
死亡保険を活用することで、非課税枠のない現金や預貯金などで遺すよりも、税負担を抑える効果が期待できます。
さらに、死亡保険は受取人を指定できます。受け取った死亡保険金は、受取人固有の財産とみなされるため、遺産分割の対象になりません。つまり、遺したい人に対して、スムーズに受け取れるお金を確実に遺すことができます。
葬儀費用などに活用できる
高齢者の場合「お葬式代くらいは自分で用意しておきたい」という理由で、死亡保険を検討する人も多く見られます。死亡保険金が出れば、子や親族などに葬儀費用やお墓代などの負担をかけずに済みます。
一般的な葬儀費用は約96万円と言われています。墓石の購入や納骨にかかる費用、死後のもろもろの整理などにかかる費用も含めると、遺族の金銭的な負担はさらに大きくなるでしょう。万が一のことが突然起こった場合、遺族がすぐにまとまった金額を用意して対処するのが難しい場合も考えられます。
参考:鎌倉新書「【第7回】お葬式に関する全国調査(2026年)」
生命保険の保険金は、原則、遺産分割協議の対象外となるため、早期に保険金を受け取れるというメリットもあります。死亡保険に加入して最低限の保障を用意しておけば、遺族の負担を軽減できるでしょう。遺族が深い悲しみの中でお金の心配をせずに済む状態をつくれるのは、死亡保険を活用する大きなメリットと言えます。
遺族の生活費や介護費用を確保できる
配偶者や家族の生活維持に必要な資金を遺すのも、死亡保険の大切な役割の1つです。高齢になってくると、この目的で保険に加入する人は少なくなります。しかし、例えば次のようなケースでは、高齢でも家族の生活費のために備えておく意義があるでしょう。
夫婦の年金収入に大きな偏りがある
夫婦の年齢差が大きい
経済的に自立していない家族がいる
遺される家族が介護を必要としている
死後に収入が大きく減って生活が苦しくなる可能性がある場合や、遺される家族にお金がかかる場合などは、特に保険を検討する必要性が高いと言えます。
高齢者が死亡保険に加入するデメリットと注意点
メリットだけでなく、デメリットにも目を向けてみましょう。高齢者が死亡保険に加入するデメリットと注意点は次の通りです。
加入できる保険が限定される
保険料が割高になる
定期保険は契約上限年齢に引っかかる(更新できる年齢に制限がある)
死亡保険金を満額受け取れない場合がある
必要保障額は人によって大きく異なる
以下、それぞれ解説します。
加入できる保険が限定される
高齢になるほど、加入できる保険の選択肢が限られてきます。持病や既往歴があるなど、健康状態が万全でない場合も同様です。
高齢者で新たに加入できる死亡保険は通常の死亡保険と比べると少ないため、もし入れそうな保険を見つけたとしても、保障内容や保険金額などの面で、希望する条件が合わない可能性もあります。
また、高齢でも加入できる死亡保険の場合、死亡保険金の金額が払い込んだ保険料の総額を大きく上回るケースはめったにありません。高齢になってから手厚い死亡保障を準備することは難しいのが現状です。
高齢でも入れる保険を検討するなら、加入の目的(相続税対策、葬儀費用、遺族の生活費など)を明確にしたうえで、それを満たせる保険商品を慎重に選ぶようにしましょう。
保険料が割高になる
死亡保険は一般的に、加入時の年齢が高いほど保険料が割高になります。これは、生命保険では「年齢が高いほど死亡する確率が高い」という前提に基づいて保険料の計算をしているためです。
70~80代での新規加入となると、同じ保障内容でも保険料の負担が重くなりやすいです。また、持病がある人でも入りやすい保険(引受基準緩和型保険)は、さらに割高な保険料になっていることが多いので注意しましょう。
保険料と保障のバランスをよく考えて加入する必要があるでしょう。
定期保険は更新できる年齢に制限がある
定期保険(保険期間があらかじめ決められている死亡保険)は通常、契約できる年齢に上限が設けられています。
上限となる年齢は「80歳まで」「99歳まで」など保険ごとに異なります。定期保険を検討するなら、新規契約や契約更新できるのは何歳までなのか、必ず確認するようにしましょう。
定期保険は、一定期間を保障する保険のため、生きている間に保障が終了してしまう可能性もあります。上限を超える年齢になっても死亡保障が必要な場合は、定期保険ではなく、初めから終身保険(保障が一生涯続く死亡保険)を検討するなどの対策をしておく必要があります。
死亡保険金を満額受け取れない場合がある
高齢者や持病がある人向けの保険の中には、死亡保険金を満額受け取れない「削減期間」を設定しているものもあります。
削減期間(支払削減期間)とは、例えば「契約後1年以内に死亡した場合→死亡保険金が半額」など、条件を付けて死亡保険金の金額を制限している期間のことです。
死亡リスクの高い人が加入して早期に亡くなると、「支払った保険料に対して、受け取る保険金額が多い」という状況になります。その保険に長く加入し続けている(=支払った保険料の総額が多い)人と比べて不公平になるのを防ぐため、加入後の一定期間のみ制限を設けているのです。
もし削減期間中に亡くなってしまった場合、遺族が受け取れる金額が想定より少なくなり、葬儀代や生活費などを十分に賄えない可能性もあります。削減期間の有無・長さ・条件も、加入前に確認しておきたいポイントです。
必要保障額は人によって大きく異なる
必要保障額(いくら準備しておくべきか)は、人によって大きく異なります。年齢は同じでも家族構成や経済状況などは人それぞれで、高齢になっても多額の死亡保障が必要な人もいれば、葬儀費用程度を準備できていれば足りる人もいます。
そのため一概に「○○万円必要」という基準が当てはまりにくく、「誰かに言われた通り」「平均と同じ」だから安心とは限りません。保険に入り過ぎると、保険料の負担が大きくなります。だからといって保険に入らなさ過ぎると、遺族を守るという目的を十分果たせなくなる可能性もあります。
特に高齢者の場合、入れる保険が少なく、保険料は割高になります。保険料と保障のバランスを意識した、自分や家族に合った保険選びが重要です。
高齢になってから保険で困らないための対策
高齢になってからの保険加入は、どうしても選択肢が限られてしまい、困難になる場合もあります。そこで最後に、高齢になって困らないために今からできる対策を2つ紹介します。
若いうちに終身保険を検討する
計画的に老後資金を準備しておく
それぞれ具体的に見ていきましょう。
若いうちに終身保険を検討する
できれば高齢になってから保険を探すのではなく、若いうちから加入しておくのがおすすめです。
若い頃の方が選べる保険の種類が豊富で、保険料も割安です。持病や既往歴がなく健康な状態ならなおさらです。若い頃に加入したケースと高齢になってから加入したケースを比較した場合、保障内容が同じなら若い頃に加入した方が毎月の保険料を安く抑えられ、保障される期間が高齢で加入した時よりも長くなります。
終身保険なら、解約しない限り、一生涯ずっと同じ保険料で保障を継続することも可能です。高齢になっても手厚い死亡保障が必要なら、若いうちから終身保険に加入しておくことも検討してみましょう。
計画的に老後資金を準備しておく
高齢になった時点でまとまった資金があれば、保険に加入しなくても十分足りる状態になることもあるでしょう。
なるべく早いうちから計画的に老後資金を準備しておくことで、将来の選択肢が広がり、安心にもつながります。
預貯金、個人年金保険、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)など、老後資金を確保する選択肢は複数あります。自分に合った方法で、今から少しずつでも、老後に向けた準備を始めてみてはいかがでしょうか。
高齢での保険加入はメリット・デメリットを理解して検討しよう
高齢になってからでも加入できる保険はあります。葬儀費用の準備や相続対策などに活用できる一方で、選択肢が少なく、保険料が割高になりやすい点に注意が必要です。
アクサ生命では、無料の保険相談を実施中です。オンライン・対面・電話で相談ができるので、ご希望に合わせてお選びいただけます。保険のことだけでなく、家計や貯蓄についての相談もできます。
※記載の税務についてのお取扱いは2026年8月現在の税制に基づいた一般的なお取扱いをご案内しているものであり、実際のお取扱いとは異なる場合があります。また、このお取扱いは、将来変更される可能性があります。個別の税務などについて、詳しくは、所轄の税務署などに必ずご確認ください。
■記事の監修者


名前:馬場 愛梨(ばば えり)
保有資格:AFP、証券外務員一種、貸金業務取扱主任者(資格試験合格)
経歴:ばばえりFP事務所代表。
関西学院大学商学部を卒業後、銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。
自身がかつて金銭面で苦労した経験から、むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えするべく活動中。
これまでに1,000本以上の金融・マネー関連記事や解説コンテンツを執筆・監修。


名前:安田亮(やすだりょう)
保有資格:公認会計士、税理士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
経歴:公認会計士試験合格後、大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。
またFP資格も有しており、自ら株式投資や各種節税も行ない、企業会計から個人資産の運用まで幅広い相談を受けている。
AXA-A2-2608-0541/9LJ
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