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介護保険料はいつから支払う?制度の仕組みや開始年齢、納付方法を分かりやすく解説

​公開日:2026/07/23

​介護保険は、社会で介護を支えるための社会保険制度です。親の介護やいつかやってくる自分の介護について考えることは、漠然とした老後の不安を解消し、具体的な備えを始める第一歩となります。


何歳からどんな形で介護保険料を支払うのか、介護保険制度を利用するとどんなサービスを受けられるのかなど、基本的な介護保険の仕組みについてお伝えします。


​介護保険は社会保険制度の仕組み

​介護保険制度が始まる前までは家庭内で行うことが当たり前だった介護ですが、共働き世帯が増えたことや、子どものいない世帯や単身世帯が増えたことを受けて、2000年から公的な介護保険制度が始まりました。


介護保険が導入されてからは、要介護・要支援認定を受けた人が、原則1割、所得に応じて2割または3割の自己負担で介護サービスを利用できるようになり、今では、病気やけがをした人を社会で支える「健康保険」、老後・障害・遺族のための生活保障を兼ね備えた「年金保険」と同様に、大切な仕組みです。


40歳以上の全国民が介護保険制度 に加入して、保険料を負担します。加入者は、40歳以上64歳までの「第2号被保険者」、65歳以上の「第1号被保険者」に分かれています。第2号被保険者は、加齢が原因で起こる16の特定疾病により介護が必要と認定された場合に限り、介護サービスを利用可能です。あくまでも老化が原因とされる場合に限られるため、交通事故などが原因で介護が必要になった場合には、介護サービスを利用できません。一方、65歳以上の第1号被保険者は、介護が必要になればその原因を問わず介護サービスを受けられます。


​介護保険料の支払い・徴収はいつから?

​介護保険料の徴収は満40歳から始まります。会社員や公務員などの給与所得者は、給与からの天引きで介護保険料を支払います。介護保険料は健康保険料に上乗せする形で徴収されるため、40歳以上の人の給与明細では、健康保険料や厚生年金保険料と並んで介護保険料の金額が書かれています。


自営業者やフリーランスとして働いている人は、40歳から国民健康保険料に上乗せする形で介護保険料を支払います。毎年6月頃に、前年の所得に応じて1年間の介護保険料が決まります。


満65歳に達した月から、介護保険の第1号被保険者に切り替わります。公的年金の受給者は、介護保険料が年金から天引きされます。ただし、年金額が少ない場合には、天引きではなく、納付書や口座振替による普通徴収です。


​介護保険料の金額は?

​介護保険料の料率は、加入する健康保険制度やお住いの自治体によって異なります。会社員や公務員として働く人は、その時々の給与に一定の保険料率をかけて介護保険料を計算します。国民健康保険に加入する人は、前年の所得に応じて介護保険料を負担します。自分の場合の計算方法を確認しておきましょう。


​第2号被保険者(40歳〜64歳)は勤務先や加入組合によって料率が異なる

​介護保険料は、40歳以上になると健康保険料に上乗せする形で、給与から天引きされます。健康保険料も介護保険料も、給与額に一定の保険料率をかけて計算する仕組みのため、収入によって負担する保険料は異なります。


勤務先に健康保険組合が無い場合、多くの給与所得者は、全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入します。協会けんぽの令和8年度の健康保険料率は全国平均で9.9%(本人負担4.95%(労使折半により算出 ))です。ただし、都道府県ごとに毎年決定するため、全国一律ではありません。さらに、40歳から64歳までの介護保険第2号被保険者の場合は、介護保険料率1.62%が加算された健康保険料率を負担します。


会社員や公務員などの場合、健康保険や介護保険、厚生年金保険料は労使折半、で、従業員が給与から負担するのは、保険料率の半分にあたる金額です。たたとえば協会けんぽ東京支部の令和8年度の健康保険料率は9.85%のため、本人負担分は標準報酬月額の4.925%です。40歳から64歳までの人は、これに介護保険料率1.62%の半分である0.81%が加わるため、本人負担分は標準報酬月額の5.735%となります。会社も同額を負担します。


基本的な仕組みは健康保険組合や共済組合でも同様ですが、組合によって財政状況が異なるため、保険料率や細かな制度も異なります。


個人事業主など国民健康保険に加入する人の健康保険料や介護保険料の決定は、前年の所得に応じて翌年の6月頃です。国民健康保険の場合、健康保険や介護保険の保険料率は住んでいる自治体ごとに異なります。保険料率については、各自治体のホームページなどで確認しましょう。


参考:協会けんぽ「令和8年度保険料額表(令和8年3月分から)」

参考:協会けんぽ「協会けんぽの介護保険料率について」

参考:協会けんぽ「2026(令和8)年度政府予算案を踏まえた収支見込みについて(概要)」


​第1号被保険者(65歳以上)は自治体が所得に応じて決定

​65歳以上の第1号被保険者の場合、介護保険料は自治体が所得に応じて決定します。65歳以上になると、公的年金から所得に応じた年金額を天引きする「特別徴収」が一般的ですが、公的年金額が年間18万円未満の場合には、口座振替もしくは納付書によって自分で支払う「普通徴収」です。納付期限や納付回数、納付方法は自治体によって異なるため、詳しくはお住まいの市区町村の案内を確認しましょう。


全国平均の介護保険料は、令和6年度〜8年度で月額6,225円となっています。これは全国平均の金額ですが、介護保険を利用する人の割合や、需要のある介護サービスの種類などに応じて市区町村ごとに決定します。さらに、収入に応じた負担となるように保険料を納めています。


参考:公益財団法人生命保険文化センター「公的介護保険への加入はいつから? 保険料はどのように負担する?」


​介護保険料が免除・軽減されるケース

​満40歳に達した月から、原則として誰もが納める介護保険料ですが、経済的な諸事情がある人には、保険料が全額免除・もしくは負担が軽減される制度があります。


災害に遭ったなどの特別な事情がある場合には、一定期間、介護保険料の徴収の猶予や減免制度が受けられます。長期入院や失業などで大幅に収入が減った場合にも、減免制度を利用できる場合があります。


生活保護を受給している場合、介護保険料は公費で負担されるため、受給者本人の金銭的な負担は実質的に生じません。さらに自治体によっては、低収入の人を対象に、介護保険料負担を軽くする措置を行っている場所もあります。


参考:介護保険法 第百四十二条(保険料の減免等)

参考:厚生労働省「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料(令和6年3月)」


​介護保険料の確認方法

​手元に介護保険証が届くわけではないため、自分が介護保険料を負担しているのかわからない、毎月どのくらいを負担しているのか知らないという人も多いのではないでしょうか。


介護保険料の調べ方は、加入している健康保険制度によって異なります。


会社員・公務員の場合は、毎月の給与明細で「介護保険料」の欄を確認しましょう。39歳以下の人は介護保険料の欄が空欄ですが、40歳以上になると1ヶ月当たりの介護保険料が書かれています。


自営業者やフリーランスなど国民健康保険加入者は、毎年6月頃に市区町村から届く「健康保険料納付通知書」で確認できます。40歳以上の人には、国民健康保険料と介護保険料の内訳が書かれています。


65歳以上になると介護保険の第1号被保険者になり、お手元に介護保険証が郵送されます。第1号被保険者の場合、介護保険料は基本的に年金から天引きされます。過去1年間に支払った介護保険料については、日本年金機構から郵送される「公的年金等の源泉徴収票」で確認できます。


​介護保険料の支払い方法

​介護保険料の支払い方法は、40歳から64歳の第2号被保険者と、65歳以上の第1号被保険者では異なります。また、働き方や収入によっても異なります。自分の場合の介護保険料の支払い方法について確認しておきましょう。


​第2号被保険者(40歳〜64歳)は主に給与天引き

​40歳から64歳の人で、会社員や公務員として働いている人は、主に給与天引きで、健康保険料に上乗せする形で介護保険料を負担しています。勤務先が本人に代わって納付しているため、あまり意識することはないかもしれません。


自営業者やフリーランスなど国民健康保険の加入者は、毎年6月頃、市区町村からの通知を受けて健康保険料とともに介護保険料を納付します。口座引き落としの手続きをしている人は、決定した金額が自動引き落としされますが、それ以外の人はお知らせに同封された納付通知書を使って、自分で振り込みます。


​第1号被保険者(65歳以上)は主に年金から天引き

​65歳以上の人は、基本的に公的年金からの天引きで介護保険料を支払います。これを「特別徴収」と言います。ただし、公的年金の受給額が年額18万円未満の場合には、納付書による支払いか口座からの自動振替によって個別に支払います。これを「普通徴収」と言います。


介護保険料は収入に応じて負担する仕組みですが、介護保険料の料率自体が年々上昇傾向にあります。一時的な所得減少などで、支払いが厳しい場合には、早目に自治体に相談しましょう。分割納付や減免制度が利用できる場合があります。


​介護保険料を滞納した場合のペナルティと対処法

​暮らしの変化に伴って、介護保険料の支払いが厳しくなることもあるでしょう。支払いが難しくなった場合の対処法についてお伝えします。


​滞納による主なペナルティ

​介護保険料を滞納すると、納付期限を過ぎてから一般的には20日以内に支払いを催促する「督促状」が郵送で届きます。届いた場合は、急いで支払いを済ませましょう。納付期限を過ぎても支払わない日が続くと、督促状発行手数料や納付期限から経過した日数に応じて「延滞金」がかかります。督促状が発送されるタイミングや延滞金の料率は自治体によっても異なります。


滞納期間が長期化するにつれて、介護サービスを受ける際に「給付制限」がかかります。本来1割負担(所得によって2割、3割負担)で受けられる介護サービスを、利用時に全額負担するケースもあります。


​納付が難しい場合の対処法

​経済的な事情によって介護保険料の納付が難しい場合には、早目に自治体に相談をしましょう。相談することで、何らかの救済措置を受けられる可能性があります。


世帯主の死亡、長期療養や失業、災害など、収入減少や生活の急変を伴うやむを得ない事情によって支払いが困難になった人には、自治体ごとに独自の救済策を設けています。延滞扱いとなるのを避けるためにも、事態が深刻になる前に、早めに窓口へ相談しましょう。詳しくは窓口で案内を受けることができますが、減免措置を受けるためには、世帯収入証明や罹災証明書の提出を求められる場合があります。


​公的介護保険で利用できる主なサービス

​介護保険による介護サービスの利用を希望する場合には、市区町村を通して要介護認定を受けます。支援または介護が必要と認められた場合には、要支援1と2、要介護1~5の全7段階に区分され、必要度に応じた区分支給限度額が設定されます。この限度額の範囲内 であれば、介護保険を利用することで自己負担1割(所得に応じて2割、もしくは3割)で介護サービスを受けられます。ただし、区分支給限度額を超えてサービスを利用した場合、超過分は全額自己負担となります。


どんな介護サービスを利用するかについては、担当のケアマネージャーが、利用者の心身の状態や、本人や家族の希望をヒアリングして、計画を立てます。この介護計画を「ケアプラン」といいます。利用できる介護サービスは、在宅サービスと施設サービスに大きく分けられます。


​在宅サービス

​介護施設に入所せずに、自宅などに住みながら在宅で介護生活を送る場合には、在宅サービスを利用します。在宅サービスの種類は、大きく分けて、自宅で受ける介護サービス、施設に通って受けるサービス、環境整備のためのその他サービスの3つです。


ここでは、主な在宅サービスをご紹介します。


訪問看護・・・通院が困難な利用者に対して、主治医の指示に基づいて、看護師や保健師などが家庭を訪問して行う在宅ケア


訪問入浴・・・自宅での入浴が難しい場合に、浴槽付きの車で自宅を訪問して、入浴の介助を行う


訪問介護・・・ホームヘルパーによる生活援助や身体介護です。同居家族の支援などを受けられずに困難な場合、掃除や洗濯、買い物、食事の介助、通院を目的とした乗降介助など、本人では難しい日常生活をサポート


通所介護(デイサービス)・・・自宅などで生活している人が、デイサービス施設に通って受けるサービスです。1回3時間程度の半日のコース、昼食や入浴も受けられる1日のコースなどがあります。レクリエーションを中心にしたものから、日常動作訓練など、内容も施設によってさまざまです。


​施設サービス

​在宅介護が難しい場合には、介護施設を利用することになります。在宅介護に比べると、24時間介護を受けられる安心感がありますが、その分自宅よりも自由度は低くなりますし、家賃相当分の費用も必要になるため費用負担が増します。介護関連施設にはさまざまな種類がありますが、ここでは主な4つを紹介します。


特別養護老人ホーム(特養)・・・公的な介護施設。原則として要介護3以上で常時介護が必要な人を対象に、生活支援・食事・入浴などを提供する。民間施設よりも費用が安いことから、入所希望者が多い


介護老人保健施設(老健)・・・リハビリを通じて在宅復帰を目指す。病院と自宅の中間施設として位置づけられた公的施設で、介護やリハビリテーションを中心に行う


グループホーム・・・認知症の高齢者が少人数で共同生活をするための施設。家庭的な環境で、高齢者がスタッフのサポートを受けながら、お互い協力して生活する


介護付き有料老人ホーム・・・24時間介護を受けられる民間の介護施設。全国各地に多様な施設があるため、要介護度や予算、サービス内容ごとに、希望に合った施設を選びやすい。


​公的介護保険以外の備え

​公的介護保険には要介護度に応じた利用限度額があるため、利用できるサービスには限度があります。また、食費やおむつ代などさまざまな実費負担があります。将来、自分の介護で家族に迷惑をかけたくない、預貯金の取り崩しだけで十分な介護が受けられるか心配という場合には、早めに民間の介護保険で備えておきましょう。


アクサ生命保険では、老後に向けて資産形成をしながら介護にも備えられる保険や、所定の認知症も保障する一生涯の医療保険なども取り扱っています。


​介護保険料の仕組みを理解して、無理のない備えを始めよう

​介護保険料の負担は40歳から始まり、65歳以降も一生支払いが続きます。介護保険によって、要支援や要介護状態になった時に、原則自己負担1割で介護サービスを利用できます。


ただし、原則1割負担ですが、所得によって2割負担、3割負担になる点にも注意が必要です。また、64歳までは老化以外が原因の介護は保障の対象外で、要介護度ごとに決まった利用限度額を超過した分については、全額自己負担になります。


将来の介護に備えるためにも、公的介護保険制度を理解して、不足分を民間の介護保険で備えることも検討しましょう。



■記事の監修者


名前:氏家祥美(うじいえよしみ)
保有資格:AFP、2級FP技能士、キャリアコンサルタント


経歴:2005年にFP会社の立ち上げに参画、2010年よりFP事務所ハートマネーの代表に。家庭科の教科書で経済パートを執筆するほか、大学の非常勤講師、企業や自治体等でリタイアメント世代向けに講師や相談を担当。幅広い年代にむけて中立な立場で金融リテラシーを普及している。

​AXA-A2-2607-0443/9LJ