40代におすすめの個人年金保険の特徴は?
加入するメリットも解説
公開日:2026/04/30


40代は、老後の生活設計を本格的に考え始める時期です。公的年金だけでは老後の生活費が不足する可能性があるなか、個人年金保険への加入を検討される人もいるのではないでしょうか。
しかし、個人年金保険にはさまざまな種類があり、それぞれメリット・デメリットが異なります。また、NISAやiDeCoなどの資産形成方法と比較して、どの商品を選ぶべきか迷われる人も少なくありません。
本記事では、40代の人が個人年金保険を検討する際に知っておくべき基本的な知識から、加入のメリット・デメリットなどを解説します。
40代で年金保険を検討する意義
40代は老後の準備を始めるのに適したタイミングといえます。定年退職まで約20年という期間があり、計画的な積立によって、老後資金を形成できる年代だからです。
今後、公的年金の受給開始年齢が段階的に引き上げられる可能性があります。将来が不透明な状況において、自助努力による老後資金の準備はますます重要性を増しています。特に女性の場合、男性より平均寿命が長いため、より長期的な視点での資金計画が必要です。
公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、「個人年金保険加入率(全生保)」は以下の通りでした。
全体 | 男性 | 女性 |
17.5% | 16.8% | 18.0% |
なお、公益財団法人生命保険文化センター「2025(令和7)年度「生活保障に関する調査」(速報版)」によると、老後生活に対する経済的な準備手段として「預貯金」(51.9%)が最も高く、次いで「個人年金保険・変額個人年金保険や生命保険」(42.7%)となっています。
個人年金保険の種類と特徴
個人年金保険を選ぶ際には、まず商品の種類と特徴を理解することが重要です。個人年金保険には複数のタイプがあり、それぞれ運用方法や受取方法、リスクの程度が異なります。
定額型と変額型の違い
定額型の個人年金保険は、将来受け取る年金額があらかじめ決められている商品です。契約時に定めた年齢に達すると保証された年金を受け取ることができるため、安定性を重視する人に向いています。
一方、変額型は運用実績によって将来の年金額が変動する商品です。株式や債券などで運用され、運用が好調だと年金額が増える可能性があります。ただし、運用実績が不調だと、元本割れのリスクもある点に留意する必要があります。
なお、アクサ生命には定額型個人年金保険の取り扱いはありません。
円建てと外貨建ての違い
円建ての個人年金保険は、保険料の支払いも年金の受取も全て日本円で行われる商品です。為替リスクがないため、将来の受取額を確実に把握でき、老後の資金計画を立てやすいというメリットがあります。
外貨建ての商品は、米ドルや豪ドルなどの外貨で運用される保険です。日本より金利の高い国の通貨で運用するため、円建てより高い予定利率が期待できます。ただし、為替レートの変動により、円換算での受取額が変動するリスクがあります。
なお、アクサ生命には外貨建て個人年金保険の取り扱いはありません。
一時払と平準払い
一時払は、加入時にまとまった保険料を一括で支払う方法です。退職金や相続財産など、まとまった資金がある人に適しており、支払総額は平準払いより少なくなる傾向があります。
平準払いは毎月または毎年、定期的に保険料を支払う方法です。月々の家計から無理のない範囲で積立ができ、長期間にわたって計画的に老後資金を準備できます。
受取方法の違い
個人年金保険の受取方法は、主に以下の4つです。
確定年金:契約時に定めた期間(5年、10年、15年など)、生死にかかわらず年金が支払われる方式
終身年金:被保険者が生存している限り、一生涯にわたって年金を受け取れる方式
保証期間付終身年金:一定期間(10年、15年など)の保証期間があり、その期間中は生死にかかわらず年金が支払われ、保証期間経過後は生存している限り年金を受け取れる方式
有期年金:あらかじめ定めた期間中、被保険者が生存している場合のみ年金が支払われる方式
どの 受取方法が適しているかは、一概にはいえません。何歳まで働く予定なのか、公的年金を繰下げる考えはあるのかなど、さまざまな要素を勘案して決める必要があります。
受給できる公的年金額の目安
厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金と厚生年金の平均月額は以下の通りでした。
国民年金 | ・全体:5万7584円 ・男子:5万9965円 ・女子:5万5777円 |
厚生年金 | ・全体:14万6429円 ・男子:16万6606円 ・女子:10万7200円 |
出典:厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」P26~27より筆者作成
老後の生活設計を立てる上で、公的年金は基盤となる収入源です。必要な収入がいくらかを把握するためには、自分が受け取れる年金額の把握が欠かせません。
公的年金の受給見込額は、日本年金機構の「ねんきんネット」で確認できます。自分の加入記録や将来の年金額をシミュレーションし、不足分を把握した上で、個人年金保険への加入を検討することをおすすめします。
また、将来的には少子高齢化の影響で、年金の支給開始年齢の引き上げや給付水準の見直しも予想されます。現在40代の人が受給する頃には、現在の水準より減額される可能性も考慮し、余裕を持った老後資金の準備が必要です。
40代で個人年金保険に加入するメリット
収入が安定し、老後までまだ20年程度の準備期間がある40代は、計画的な資産形成に適したタイミングです。
公的年金の上乗せとなる老後収入を確保できる
個人年金保険のメリットは、公的年金だけでは不足する老後の生活費を補える点です。定額型の商品であれば、契約時に将来受け取れる年金額が確定するため、老後の収入を具体的に見込めます。
終身年金タイプを選択すれば、どれだけ長生きしても年金が途切れることがありません。日本人の平均寿命が延びているなか、90歳、100歳まで生きる可能性も十分にあります。長生きリスクに備えるという意味で、終身年金は40代の人にとって有効な選択肢となるでしょう。
自動的に積み立てができる
個人年金保険は、保険料が自動的に口座から引き落とされるため、確実に老後資金を積み立てることが可能です。貯蓄が苦手な人や、手元にお金があるとつい使ってしまう人にとって、この確実性はメリットとして機能します。
また、途中解約すると解約払いもどし金 が支払った保険料を下回ることが多いため、これが継続のモチベーションになります。定期預金なら簡単に解約できてしまいますが、個人年金保険は 長期的な積立を続けやすい仕組みといえるでしょう。
40代で個人年金保険に加入するデメリットと注意点
個人年金保険にはメリットがある一方で、40代の人が加入を検討する際に注意すべきデメリットも存在します。これらのデメリットを十分に理解した上で、自分のライフプランや資産状況に照らし合わせて判断することが重要です。
運用効率・税制優遇の限界
個人年金保険のデメリットは、NISAやiDeCoなどの他の資産形成手段と比較して、運用効率が劣る点です。保険会社を介する分、手数料負担が重くなり、最終的なリターンに影響します。
また、iDeCoは掛金が全額所得控除となる一方で、個人年金保険料控除は年間最大4万円(所得税)です。他の税制優遇制度と比較すると、税金の負担を軽減する効果が小さい点を押さえておきましょう。
資金の流動性が低く自由に引き出せない
個人年金保険は、原則として60歳や65歳などの満期まで資金を引き出せません。途中解約は可能ですが、解 約払いもどし金は支払った保険料の総額を下回ることがほとんどです。
40代は、予期せぬ支出が発生しやすい年代でもあります。子どもの大学進学で想定以上の教育費がかかったり、親の介護費用が必要になったり、自身の病気やケガで収入が減少したりする可能性もあるでしょう。
運用している個人年金保険を自由に引き出せないため、不自由さを感じるかもしれません。
インフレに弱い
定額型の個人年金保険は、契約時に将来の受取額が固定されるため、インフレによる資産価値の目減りリスクがあります。
仮に年率2%のインフレが20年間続いた場合、物価は約1.5倍になります。現在100万円で買えるものが、20年後には150万円必要になる計算です。しかし、定額型個人年金の受取額は変わらないため、実質的な購買力は3分の2に低下してしまいます。
40代で個人年金保険の加入が向いている人
個人年金保険は、全ての人に適した商品ではありません。個人の性格や資産状況、ライフプランによって、加入すべきかどうかは異なります。ここでは、特に個人年金保険への加入が向いている人の特徴を詳しく解説します。
安定的に資産形成をしたい人
元本割れのリスクを絶対に避けたい人にとって、定額型の個人年金保険は選択肢のひとつです。株式投資や投資信託では市場の変動により資産価値が上下しますが、定額型なら契約時に将来の受取額が確定するため、安心して老後の計画を立てられます。
リスク商品に抵抗がある人や、資産運用の知識や経験が少なく、複雑な金融商品を避けたい人におすすめです。保険会社が運用を行うため、自分で銘柄選択や売買タイミングを判断する必要もありません。
計画的な積立貯金が苦手な人
貯金が続かない経験がある人には、個人年金保険の強制力が有効です。保険料は自動的に引き落とされるため、意識しなくても確実に老後資金を積み立てられます。
個人年金保険なら契約という形で自分を縛ることができ、途中解約のペナルティも継続のモチベーションになります。
厚生年金を受け取れない自営業者やフリーランス
自営業者やフリーランスの人は、厚生年金に加入していないため、公的年金は国民年金のみです。満額を受給できる場合でも月額約7万円と、多くの場合で、老後の生活費としては不十分でしょう。このような人にとって、個人年金保険は老後資金を用意するための選択肢です。
また、自営業者は体調を崩したり事業環境が変化したりして、予定より早く引退する可能性もあります。個人年金保険で一定の収入を確保しておけば、そうした不測の事態にも対応しやすくなるでしょう。
40代で個人年金保険の加入が向いていない人
個人年金保険は万能な商品ではなく、人によっては他の方法が適している場合があります。
高いリターンを追求する人
現在の低金利環境では、定額型個人年金の利回りは1%前後にとどまることが多く、株式投資や投資信託と比較すると見劣りします。積極的な運用を検討している人にとって、個人年金保険の予定利率は物足りないかもしれません。
積極的にリスクを取れる投資経験者の人は、自分で運用したほうが効率的です。個別株やETF、投資信託を組み合わせてポートフォリオを構築すれば、リスクをコントロールしながら高いリターンを目指せます。
資金の流動性を重視する人
5年以内に大きな支出予定がある人は、個人年金保険への加入を慎重に検討すべきです。個人年金保険は自由に引き出せず、短期間で解約すると元本割れするためです。
子どもの結婚資金や住宅のリフォーム費用など、まとまった資金が必要になる可能性がある場合、手元資金の流動性を確保しておくと良いでしょう。
既に十分な老後資金がある人
高額な退職金が見込める大企業の正社員や公務員の人は、個人年金保険の必要性が低い場合があります。
例えば、退職金が2,000万円以上見込める場合、公的年金と合わせれば老後の生活費は十分にまかなえる可能性が高いでしょう。
既に老後資金として2,000万円以上確保済みの人や、公的年金だけで生活できる見込みの人も、これ以上の積立は不要かもしれません。
個人年金保険・NISA・iDeCoの比較表
老後資金を準備する方法として、個人年金保険の他にNISAやiDeCoという選択肢があります。それぞれに特徴があり、メリット・デメリットも異なるため、自分のライフプランや資産状況に応じて適切な商品を選ぶことが重要です。
項目 | 個人年金保険 | NISA | iDeCo |
目的 | 老後資金の準備 | 資産形成・投資 | 老後資金の準備 |
税制優遇 | 生命保険料控除(最大4万円/年) | 運用益・配当が非課税 | 掛金全額所得控除、運用益非課税、受取時も優遇 |
年間拠出限度額 | 制限なし | つみたて投資枠:120万円 成長投資枠:240万円 合計:360万円 | 会社員:月2万~2.3万円 自営業:月6.8万円 (年間14.4万~81.6万円)※ |
運用商品 | 保険会社の定める商品 | 株式・投資信託・ETFなど | 定期預金・保険・投資信託 |
流動性 | 中途解約可能だが元本割れリスク大 | いつでも引き出し可能 | 原則60歳まで引き出し不可 |
受取時期 | 契約時に設定(通常60~65歳以降) | 任意のタイミング | 60歳以降 |
受取方法 | 年金形式または一時金 | 資産の売却や取り崩し(運用商品によって異なる) | 年金形式または一時金 |
※2027年1月から引き上げの予定
個人年金保険は、安定性を重視する人に適しています。定額型なら元本が保証され、将来の受取額も確定するため、計画的な老後設計が可能です。
NISAは、長期的な資産成長を目指す人におすすめです。年間360万円まで投資でき、運用益は非課税です。いつでも引き出せる流動性の高さも魅力で、40代の人が急な支出に対応しやすい制度といえるでしょう。
iDeCoも運用益が非課税です。60歳まで原則として引き出せないため、自然と長期的な運用が可能です。
まとめ
40代は老後資金準備を本格化させる重要な時期であり、個人年金保険はその選択肢のひとつとして検討する価値があります。個人年金保険の魅力は、安定性と確実性です。
重要なのは、自分のライフプランや資産状況、リスク許容度に応じて、適切な商品を選択することです。安定性を最重視する人や貯蓄が苦手な人、自営業者で公的年金が少ない人には、個人年金保険が有力な選択肢となります。
■記事の監修者


名前:柴田充輝(しばたみつき)
保有資格:1級ファイナンシャル・プランニング技能士、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引士
経歴:大学卒業後、厚生労働省や不動産業界での勤務を通じて社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。 独立後は多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行いつつ、金融・不動産系の記事を中心に執筆しており、1,200記事以上の執筆実績がある。自身でも株式や不動産への投資を行っており、実体験を踏まえて記事制作・監修に携わっている。
AXA-A2-2604-0175/9LJ
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