

公開日:2026/08/24
変額保険と外貨建て保険の違いは?メリット・デメリットも解説!
保険を活用した資産形成やリスク分散を考える場合、「変額保険」や「外貨建て保険」といった選択肢があります。
しかし、変額保険や外貨建て保険とはどのようなもので、どんな違いがあるのかよく分からないという人も多いのではないでしょうか。
この記事では、それぞれの特徴やメリット・デメリットはもちろん、どのような人に向いているのかも併せて簡単に解説します。
変額保険とは?
変額保険とは、万が一の場合の保障を準備するのと同時に運用の結果に応じて保険金 (死亡時や満期時などに受け取れるお金)や解約時払いもどし金(解約時に受け取れるお金)の金額が変動する生命保険のことです。
変額保険は、通常の生命保険(死亡保険)と同じように、亡くなった場合や高度障害時の 備えとして役立ちます。また、保険料の一部を投資信託などで運用する仕組みになっていて、運用実績によって将来受け取れる金額が増える可能性があります。
そのため、変額保険は「保障と資産形成を両立できる保険」として活用されています。
運用実績によっては受け取れる金額が少なくなる可能性もありますが、死亡保険金や高度障害保険金には最低保証があります。なお、解約時払いもどし金や満期保険金には最低保証がなく、運用実績によって増減します。
外貨建て保険とは?
外貨建て保険とは、亡くなった場合や高度障害の保障を備えつつ、保険料の支払いや保険金・解約時払いもどし金の受け取りを、日本円ではなく米ドルなどの外貨で行う保険のことです。
外貨建て保険には、貯蓄性があるものが多く、終身保険や養老保険、個人年金保険などでよく見られます。
外貨建て保険も保険料の一部を運用に回す仕組みになっていますが、米ドル・豪ドル・ユーロなどの外貨で運用するのが特徴です。
日本よりも金利が高い国の通貨で運用する場合ため、同じ保障内容の円建ての保険よりも効率よく資産形成できる可能性があります。ただし、日本円に換算して保険金や解約時払いもどし金を受け取る場合、為替変動の影響により、受け取れる金額は為替レートに応じて増減します。
変額保険と外貨建て保険の主な共通点
変額保険と外貨建て保険はいずれも資産形成が期待できる保険で、以下の点は共通しています。
・保障
・運用効果
・税金
・生命保険料控除
・相続税対策
どのような点が同じなのか、整理しておきましょう。
保障
変額保険も外貨建て保険も、保険商品のため、万が一の際に家族の生活を守るため、老後の生活保障など、主に必要な保障を準備することを目的として加入するものです。そして、単に「お金を増やす(資産形成)」目的だけで加入するものではありません。
資産形成だけの場合と違い、もし早期に亡くなってしまった場合でもまとまった金額を家族に遺すことができるのが保険のメリットです。変額保険や外貨建て保険に加入することで死亡保障などを準備できるため、万が一の時に家族を守りやすくなります。
運用効果
変額保険と外貨建て保険は、資産形成の一助となる保険商品である点も共通しています。
それぞれの保険商品で運用方法が異なるため、運用リスクや注意点は異なりますが、どちらも運用結果に基づき、将来の資産形成を期待することができます。
なお、運用結果に基づきリターンを狙える一方で、元本割れする(支払った金額より受け取る金額の方が少なくなる)可能性もあります。リターンだけに注目するのではなく、リスクもよく理解した上で加入を検討すべきなのも同じです。
税金
どちらの保険も、解約時払いもどし金(利益が出た場合)や死亡保険金に税金がかかる可能性があります。
所得税・贈与税・相続税のいずれかですが、どの税金がかかるかは保険の契約者(保険料を負担する人)と保険金の受取人、被保険者 の関係によって異なります。税金の種類によって税率や税額も変わってくるため、加入前にあらかじめ確認しておくと安心です。
生命保険料控除
変額保険も外貨建て保険も、保険料が「生命保険料控除」の対象になります。
生命保険料控除とは、支払った保険料に応じて一定額を所得(税金の計算のもとになる金額)から差し引ける仕組みです。
控除を適用すると所得税・住民税の負担を抑えられるため、年末調整や確定申告での手続きを忘れないようにしましょう。
※一時払保険の場合、受けられる生命保険料控除は支払った年の1度のみとなります。
契約している保険の保険料支払いをご確認ください。
相続税対策
いずれの保険も、相続税対策として活用できます。
死亡保険金には「非課税限度額」があり、一定額までなら相続税がかからないようになっています。計算式は以下の通りです。
非課税限度額=500万円 × 法定相続人の数
例えば法定相続人が妻と子1人の場合、500万円×2人=1,000万円まで非課税です。保険にはこの非課税の枠があるため、同額を現金で遺すよりも、税負担を軽減する効果が期待できます。
変額保険のメリット


変額保険ならではのメリットは、主に次の3つです。
・契約者が運用方法を選択できる
・加入期間中は税金がかからない
・インフレ対策が可能
それぞれ詳しく見ていきましょう。
契約者が運用方法を選択できる
変額保険では、契約者本人が特定勘定(運用先)を選択します。
保険会社が用意したいくつかの選択肢の中から、個人の考え方や経済状況、投資方針などに応じて選べます。通常の投資と違って選択肢が多過ぎないので、初心者でも比較的選びやすいでしょう。
加入期間中は税金がかからない
変額保険は加入している期間、運用を行うことになりますが、加入期間中は利益が出ても税金はかかりません。
税金がかかる可能性があるのは、解約時もしくは保険金を受け取ったタイミングです。毎年税金を気にしたり利益を申告したりする必要はありません。
さらに、税金を差し引かれることなく長く運用を続けられるため、複利の効果も期待できます。
インフレ対策が可能
現金や一般的な保険商品はインフレ(物価上昇)に弱いとされています。
なぜならこれらは、経済の動向などに関係なく、将来受け取れる金額が同じだからです。受け取る時に物価が大幅に上がっていたら、同じ金額でも購入できる物が少なくなったりします。つまり、お金の価値が実質的に目減りしているということです。
しかし、変額保険は運用を行い、受け取り額が変動していく仕組みです。市況の変化が直接反映されるため、インフレが進む局面でも対応しやすいでしょう。
変額保険のデメリット
変額保険ならではのデメリットについても知っておきましょう。
・解約時払いもどし金と満期保険金に最低保証がない
・価格変動リスクがある
・手数料が高め
リスクやコスト面に注意が必要です。それぞれ解説します。
解約時払いもどし金と満期保険金に最低保証がない
変額保険は通常、死亡保険金に最低保証があります。しかし、解約時払いもどし金と満期保険金には最低保証がありません。
運用がうまくいかなかった場合や早期に解約することになった場合は「思ったより少ない金額しか受け取れない」「元本割れしてしまう」といった事態に陥る可能性もあります。
長期間運用し続けることでリスクを抑えることはできるものの、「絶対に損しない」わけではありません。
価格変動リスクがある
変額保険は運用成果次第で、受け取れる保険金や解約時払いもどし金の金額が変動します。運用先の投資信託などの価格が下がると、受け取れる金額は少なくなります。
保険とはいえ、通常の投資と同じように「価格変動リスクがある商品」だと理解しておきましょう。
ただ、短期的な値動きに一喜一憂する必要はなく、長い目で見てコツコツと運用を続けていくことが大切です。
手数料が高め
保険にはさまざまな費用や手数料がかかっていて、保険料や積立金などから差し引かれています。変額保険は、運用のための手数料がかかります。そのため、保険の中では比較的手数料が高めに設定されていることが多いです。
運用のための手数料(信託報酬)も、場合によっては投資信託に直接投資するより高くなることもあるので注意が必要です。
外貨建て保険のメリット
続いて、外貨建て保険についても見ていきましょう。外貨建て保険ならではのメリットは次の2点です。
・円建ての定額保険よりも予定利率が高い
・リスク分散効果が期待できる
円建ての定額保険よりも予定利率が高い
外貨建て保険は通常、円建て保険よりも予定利率が高く設定されています。
つまり、より高い利回りが期待できるということです。これは、外貨建て保険が日本より金利が高い国の通貨を通して運用を行っていることに起因しています。
リスク分散効果が期待できる
外貨建て保険に加入すれば、資産を日本円だけではなく外貨でも持つことになります。
1つの通貨だけに資産を集中させておくのではなく、いくつかに分散させておくことで、将来大きな為替変動が起きた際、資産が大幅に減るリスクを軽減する効果が期待できます。
さらに、受け取るタイミングで円安なら、日本円に換算した場合の受け取り額は大きくなります。通貨の分散でリスクを抑えつつ、為替次第で資産を大きく増やせる可能性があるのも外貨建て保険のメリットです。
外貨建て保険のデメリット
メリットだけでなく、デメリットにも注目してみましょう。外貨建て保険ならではのデメリットには次のようなものがあります。
・円ベースで元本割れするリスクがある
・為替手数料がかかる
・金利変動によりメリットが減少する可能性がある
円ベースで元本割れするリスクがある
外貨建て保険は、受け取れる金額の最低保証があったり予定利率が高く設定されていたりします。しかし、それは外貨ベースであり、実際に日本円で受け取れる金額は為替の影響を大きく受けます。
為替レートによっては、日本円に換算すると、支払った保険料の総額よりも受け取れる金額が少ない「元本割れ」になる可能性もあります。為替次第で得することもありますが、損する可能性もあると理解しておきましょう。
為替手数料がかかる
外貨建て保険では、保険料の支払いや保険金の支払いなどの際、日本円と外貨の両替が発生します。外貨両替の手数料(為替手数料)がかかるので注意しましょう。
どれくらいかかるのかは保険会社や契約ごとに異なるため、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
金利変動によりメリットが減少する可能性がある
為替レートだけでなく、金利も変化するものです。
現在は日本円よりも外貨の方が金利が高く、それが外貨建て保険の予定利率の高さの源泉になっていますが、その状態が今後も続くとは限りません。今後、金利差が縮まったり逆転したりする可能性もあります。
将来の金利変動の動向次第では、外貨建て保険を選ぶメリットが減ってしまう可能性も考えられます。
変額保険に向いている人の特徴
変額保険に向いている人の特徴は、以下の通りです。
・保障と資産形成を両立させたい人
・リスクを取ってでも資産を増やしたい人
・長期的に保険料を払い続けられるだけの金銭的余裕がある人
・インフレ対策をしたい人
・株や投資信託に直接投資するのは「面倒」もしくは「不安」と感じる人
変額保険なら、家族のための備えを確保しつつ、資産形成も行うことができます。保障と資産形成を兼ね備えることで、手続きや管理の手間・時間も省けるでしょう。
なお、短期的な利益を追求したい人や、元本割れのリスクに耐えられない人には向いていないでしょう。
外貨建て保険に向いている人の特徴
外貨建て保険に向いている人の特徴も見てみましょう。
保障を準備しつつ、外貨で資産を持ちたい人
為替の仕組みや為替変動リスクを理解している人
長期的な資産形成を考えている人
円建ての保険よりも高いリターンを狙いたい人
日本円のみに資産が偏ることを避けたい人
将来的に外貨での支出や留学・海外移住などを視野に入れている人
外貨建て保険は、保障を準備しつつ、外貨で資産を持ちたい人に特に向いています。また、外貨建て保険を活用して上手に資産形成するためには、為替の変動要因、円高・円安どちらが自分にとって得なのか、今のレートはどちらに進んでいるのかなど、基本的な為替の知識が必要不可欠です。
メリット・デメリットを理解し、変額保険や外貨建て保険を検討しよう
変額保険と外貨建て保険は、いずれも資産形成を目的として活用されることの多い保険ですが、生命保険は万が一の保障を準備するために加入するもので、資産形成の要素は副次的なものにすぎません。
変額保険と外貨建て保険には、次のようなリスクの種類やリターンの仕組みなど異なる点がもあります。
変額保険は価格変動リスクがありますが、自分で運用先を選ぶことができます。外貨建て保険は為替リスクがありますが、円建て保険よりも高い予定利率の外貨を選択することができます。
アクサ生命でもさまざまなニーズに合った変額保険・外貨建て保険を取り扱っています。それぞれのメリット・デメリットをよく理解した上で、自分に合うかどうか判断しましょう。
※記載の税務についてのお取扱いは2026年8月現在の税制に基づいた一般的なお取扱いをご案内しているものであり、実際のお取扱いとは異なる場合があります。また、このお取扱いは、将来変更される可能性があります。個別の税務などについて、詳しくは、所轄の税務署などに必ずご確認ください。
■記事の監修者


名前:馬場 愛梨(ばば えり)
保有資格:AFP、証券外務員一種、貸金業務取扱主任者(資格試験合格)
経歴:ばばえりFP事務所代表。
関西学院大学商学部を卒業後、銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。
自身がかつて金銭面で苦労した経験から、むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えするべく活動中。
これまでに1,000本以上の金融・マネー関連記事や解説コンテンツを執筆・監修。


名前:安田亮(やすだりょう)
保有資格:公認会計士、税理士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
経歴:公認会計士試験合格後、大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。
またFP資格も有しており、自ら株式投資や各種節税も行ない、企業会計から個人資産の運用まで幅広い相談を受けている。
AXA-A2-2608-0472/9LJ
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