保険選びのお役立ちコラム|生命保険と税金の関係とは?控除・課税の仕組みをわかりやすく解説|アクサ生命保険株式会社

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公開日:2026/09/03

生命保険と税金の関係とは?控除・課税の仕組みをわかりやすく解説



生命保険は、支払った保険料が生命保険料控除の対象になる場合があるほか、保険金・給付金などを受け取る際に税金が関係するケースがあります。課される税金の種類は、契約者・被保険者・受取人の関係や保険金の種類によって変わるため、仕組みを正しく理解しておくことが大切です。


一方で、生命保険料控除の対象となる場合、所得税と住民税の負担を軽減できます。本記事では、生命保険にかかる税金の種類から非課税枠、最新の生命保険料控除の改正情報などを解説します。


生命保険にかかる主な税金の種類

生命保険に関係する主な税金は、所得税・住民税・相続税・贈与税の4種類です。どの税金が課されるかは、契約者・被保険者・受取人の関係によって決まります。また、生命保険で受け取る保険金や給付金は、一律に課税されるわけではなく、種類や契約形態によって課税・非課税の扱いが異なります。

区分

主な保険金・給付金

税金の扱い

課税対象となる場合がある

死亡保険金、満期保険金、解約時払いもどし金など

契約形態や受取方法、利益の有無などによって、所得税・住民税・相続税・贈与税の対象となる場合がある

原則非課税となる

入院給付金、手術給付金、通院給付金、がん診断給付金、高度障害保険金、リビング・ニーズ特約による生前給付金など

身体の疾病や傷害に基因して支払われるものは、原則として非課税

※受け取った後に使い残した金額がある状態で被保険者が亡くなった場合、その残額は現金・預金などの相続財産として相続税の対象となります。


まずは、4つの税目の全体像を押さえておきましょう。

税金の種類

主に関係する場面

所得税・住民税

契約者(保険料負担者)=受取人で、満期保険金や死亡保険金などを受け取る時

相続税

契約者(保険料負担者)=被保険者が亡くなり、別の人が死亡保険金を受け取る時

贈与税

契約者(保険料負担者)・被保険者・受取人がそれぞれ異なる時


所得税

所得税は、契約者(保険料負担者)と受取人が同じ場合に課税される税金です。これは、自分が払い込んだ保険料が形を変えて自分に戻ってくるため、その差益が所得とみなされるためです。


受け取り方によって所得区分が変わり、一時金なら「一時所得」、年金形式なら「雑所得」(継続的に発生する所得の区分)に分類されます。


一時所得の場合は、「受取額−払込保険料−特別控除(50万円)」を計算したうえで、その2分の1が課税対象となります。「総合課税」として給与所得や事業所得などと合算して税額が決まるため、合計の所得が多い人ほど税率が上がる仕組みです。


ただし、「保険期間が5年以下の一時払養老保険等、または保険期間が5年超でも契約日から5年以内に解約された一時払養老保険等」は「金融類似商品」として例外扱いとなります。この場合、差益に対して一律20.315%(所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%)の源泉分離課税(税金が天引きされて完結する方式)が適用されます。


参考:国税庁「No.1490 一時所得」


住民税

住民税は、都道府県と市区町村に納める地方税で、所得税と同じ「所得」に対して課税されます。生命保険における住民税は、所得税が課されるケースに連動して発生する点が特徴です。


例えば、満期保険金を一時所得として受け取った場合、所得税の対象となる金額(一時所得の2分の1相当)が住民税の課税対象にも反映されます。所得割の標準税率は合計10%です。内訳は、指定都市以外では道府県民税4%、市町村民税6%ですが、横浜市や大阪市、名古屋市などの指定都市では、道府県民税2%、市民税8%となります。


なお、住民税は前年の所得をもとに翌年6月以降に納税する「後払い」方式となっています。保険金を受け取った年の翌年に納める住民税のために、納税資金を確保しておきましょう。


参考:横浜市「個人市民税・県民税について」


相続税

相続税は、亡くなった人(被相続人)から財産を受け継いだ際に課される国税です。生命保険では、契約者と被保険者が同一人物で、亡くなった被保険者が保険料を負担していた場合、受取人に支払われる死亡保険金が相続税の対象となります。


この死亡保険金は「みなし相続財産」として、相続税の課税対象に組み込まれます。


ただし、死亡保険金には一定の非課税枠があります。受取人が相続人である場合、死亡保険金のうち「500万円×法定相続人の数」までは非課税となります。例えば、法定相続人が3人の場合、1,500万円までが非課税枠です。


一方で、相続放棄をした人や法定相続人以外(内縁関係・友人など)が受け取る場合は、この非課税枠は適用されない点に注意が必要です。なお、相続放棄をした人自身は非課税枠の適用を受けられませんが、「500万円×法定相続人の数」を計算する際の「法定相続人の数」には算入されます。


なお、相続税には「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除もあります。遺産総額が基礎控除の範囲内なら、そもそも相続税自体が発生しません。


贈与税

贈与税は、個人から個人へ財産が無償で渡された場合に課される国税です。生命保険では、契約者(保険料負担者)・被保険者・受取人が全て異なる人物の時に、受取人が手にする保険金が贈与とみなされます。


贈与税の暦年課税(1年単位で集計する方式)には、年間110万円の基礎控除があります。これを超える部分が課税対象で、税率に基づいて税額を計算します。贈与税を納めるのは、贈与者ではなく受贈者(財産を受け取った人)です。


贈与税の基礎控除は「受贈者1人当たり」で判定される点も押さえておきましょう。父・母・祖父母など複数人から贈与を受けた場合、贈与者ごとではなく合計額で年間110万円を超えるかどうかを判断します。


保険金・給付金にかかる税金の種類

生命保険から受け取るお金には、死亡保険金や満期保険金、解約時払いもどし金のほか、入院給付金や手術給付金などがあります。これらは一律に課税されるわけではなく、受け取るお金の種類や契約形態、受取方法によって、課税対象となる場合と非課税で扱われる場合があります。


以下では、課税対象となる場合がある代表的な保険金として、死亡保険金、満期保険金、解約時払いもどし金にかかる税金の考え方を見ていきましょう。


死亡保険金にかかる税金

死亡保険金にかかる税金は、契約者(保険料負担者)・被保険者・受取人の3者の関係によって、相続税・所得税(+住民税)・贈与税のいずれかが課されます。

契約者(保険料負担者)

被保険者

受取人

税金の種類

A

A

B

相続税

A

B

A

所得税+住民税

A

B

C

贈与税

相続税のパターンでは「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があり、受取人が法定相続人なら課税額を低減できます。所得税のパターンでは一時所得として「(受取額−払込保険料−50万円)×1/2」が課税対象となり、年金で受け取る場合は、雑所得として扱われます。


贈与税は、年間110万円の基礎控除を超える部分に税率がかかります。それぞれ計算方法が異なるため、事前に発生する税金の種類と税額を把握しておくと良いでしょう。


なお、表では「契約者」を基準に整理していますが、税務上の判定は契約者の名義ではなく「実際に保険料を負担していた人」が基準となります。例えば契約者名義は妻でも、夫の口座から保険料を払い続けていた場合は、税務上は夫が保険料負担者として課税関係が判定されます。


満期保険金・解約時払いもどし金にかかる税金

満期保険金や解約時払いもどし金にかかる税金は、「契約者(保険料負担者)と受取人が同じか」「あるいは異なるか」という点で決まります。同一で利益が出ていれば所得税と住民税、異なれば贈与税の対象です。


所得税のパターンでは、受取方法によってさらに区分が分かれる点が特徴的です。一時金で受け取れば「一時所得」、年金形式で受け取れば「雑所得」として扱われ、計算方法も変わってきます。


一時所得は「受取額−払込保険料−特別控除(50万円)」を計算し、プラスになる場合はその2分の1を給与所得や事業所得などと合算して課税されます。同じ年に複数の一時所得がある時は、全ての一時所得を合算してから特別控除を差し引く扱いです。


年金形式で受け取る雑所得は、原則として、毎年の受取額からその年に対応する払込保険料相当額を差し引いた金額が課税対象となります。


生命保険の非課税枠

生命保険には、受け取るお金が非課税となる仕組みがあります。相続税における死亡保険金の非課税枠と、所得税における入院・手術などの給付金の非課税扱いが代表的で、適用条件はそれぞれ異なる点が特徴です。


死亡保険金については、受取人が法定相続人であれば「500万円×法定相続人の数」までが相続税の課税対象外となります。例えば法定相続人が3人なら、1,500万円までは課税されません。


ただし、相続放棄をした人や法定相続人以外(内縁関係・友人など)が受け取る場合は、この非課税枠は適用されない点に注意が必要です。また養子に関しては、実子がいれば1人、いなければ2人までしか法定相続人の数に算入できません。


所得税においては、入院給付金・手術給付金・がん診断給付金・就業不能給付金など、身体の傷害に基因して支払われる給付金は原則として全額非課税です。リビング・ニーズ特約による生前給付や高度障害保険金も、被保険者の生存中に支払われるものは非課税で扱われます。


生命保険料控除

生命保険料控除は、支払った保険料に応じて所得税と住民税の負担が軽減される所得控除の制度です。契約時期や保険の種類によって計算方法が分かれるため、自分の契約がどの区分に当てはまるかを正しく押さえておきましょう。


仕組み

生命保険料控除は、1年間に支払った生命保険料等に応じて計算した一定額を、所得から差し引ける所得控除の一種です。控除によって課税所得が下がるため、結果として所得税と住民税の負担が軽くなります。


この控除で押さえておきたいのが、契約時期によって「新制度」と「旧制度」に分かれる点です。2012年(平成24年)1月1日以後に契約した保険は新制度、2011年(平成23年)12月31日以前に契約した保険は旧制度の対象となります。


新制度は3区分(一般・介護医療・個人年金)で各4万円、合計12万円が所得税の上限です。一方の旧制度は2区分(一般・個人年金)で各5万円、合計10万円が所得税の上限となります。


新旧両方の契約がある場合は、新制度のみ・旧制度のみ・新旧合算のうちいずれかの計算を選べる仕組みです。一般生命保険料と個人年金保険料を新旧合算する場合は、各区分の上限が4万円となる点に注意しましょう。


参考:国税庁「No.1140 生命保険料控除」


対象となる保険の種類

生命保険料控除の対象は、新制度では「一般生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」の3つに区分されます。それぞれの区分について、加入中の保険がどれに該当するかを確認しましょう。


一般に、「一般生命保険料」は、死亡保険・学資保険・養老保険など、生存または死亡に起因して保険金が支払われる契約が対象です。「介護医療保険料」は、医療保険・がん保険・介護保険など、入院や手術、介護に備える契約が含まれます(新制度のみの区分)。


「個人年金保険料」は、税制適格特約を付加した個人年金保険が対象で、年金受取人や保険料払込期間など一定の要件を満たす必要があります。要件を満たさない個人年金保険は、一般生命保険料に分類される点に注意が必要です。


なお、災害割増特約や傷害特約の特約部分の保険料・少額短期保険などは控除の対象外となります。保険会社から届く「生命保険料控除証明書」に区分が明記されているため、書類を受け取ったら内容を確認しましょう。


上限と計算方法

新制度と旧制度では、控除額の計算方法と上限額が異なります。所得税の上限は新制度で各区分4万円・合計12万円、旧制度で各区分5万円・合計10万円となっており、新旧あわせての3つの区分の合計適用限度額は12万円となっています。


旧制度における所得税の控除額は、以下の通りです。

年間払込保険料

控除額

2万5,000円以下

払込保険料の全額

2万5,000円超〜5万円以下

払込保険料×1/2+1万2,500円

5万円超〜10万円以下

払込保険料×1/4+2万5,000円

10万円超

一律5万円


新制度における所得税の控除額の計算式は、以下の通りです。

年間払込保険料

控除額

2万円以下

払込保険料の全額

2万円超〜4万円以下

払込保険料×1/2+1万円

4万円超〜8万円以下

払込保険料×1/4+2万円

8万円超

一律4万円

住民税の上限は、新制度で各区分2万8,000円・合計7万円、旧制度で各区分3万5,000円・合計7万円です。所得税と住民税で上限額や計算式が違うため、別々に確認しましょう。


さらに、令和8・9年(2026・2027年)分の所得税のみの時限措置として、23歳未満の扶養親族がいる世帯では一般生命保険料控除(新制度)の上限が4万円から6万円に引き上げられます。ただし、この場合でも3つの区分の合計適用限度額は12万円となっています。


参考: 厚生労働省「令和8年度 税制改正の概要(厚生労働省関係)」


手続方法

生命保険料控除を受けるには、会社員と個人事業主などで手続き方法が異なります。会社員や公務員は年末調整、個人事業主の人は確定申告で申告するのが基本です。


会社員や公務員の場合は、勤務先から配布される「給与所得者の保険料控除申告書」に必要事項を記入し、保険会社から届く「生命保険料控除証明書」を提出します。年末調整に間に合わなかった場合や控除漏れがあった場合は、翌年に確定申告で還付を受けられる仕組みです。


個人事業主・自営業者・年末調整で申告しなかった会社員は、確定申告書に控除額を記入し、控除証明書を添付して税務署に提出します。控除証明書は、通常10月から11月にかけて保険会社から郵送または電子配信されるため、紛失しないよう保管しておきましょう。


なお、令和8年(2026年)分以降の確定申告では、控除証明書の原本添付に代えて「明細書」の添付で済む簡素化が始まります。ただし証明書自体には5年間の保存義務があるため、捨てずに手元に残しておきましょう。


生命保険と税金の関係を正しく理解しよう

生命保険で受け取る保険金や給付金は、一律に課税されるわけではありません。死亡保険金や満期保険金、解約時払いもどし金などは、契約者(保険料負担者)・被保険者・受取人の組み合わせや受取方法によって、所得税・住民税・相続税・贈与税の対象となる場合があり


ます。一方で、入院給付金や手術給付金など、身体の疾病や傷害に基因して支払われる給付金は原則として非課税で扱われます。


さらに、保険料を支払う側には生命保険料控除という所得控除が用意されており、所得税と住民税の負担を軽減できる仕組みも備わっています。


加入中の保険で受け取りが発生した時に想定外の税負担とならないよう、契約形態と税目の関係を一度整理しておくと安心です。特に相続や贈与が絡むケースでは、契約者や受取人の見直しだけで税負担が大きく変わる場合もあります。


保険金と税金について判断に迷う場合は、保険会社の担当者や税理士など専門家に相談しながら、ご家庭の状況に合った契約設計を進めていきましょう。


※記載の税務についてのお取扱いは2026年9月現在の税制に基づいた一般的なお取扱いをご案内しているものであり、実際のお取扱いとは異なる場合があります。また、このお取扱いは、将来変更される可能性があります。個別の税務などについて、詳しくは、所轄の税務署などに必ずご確認ください。



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■記事の監修者


名前:柴田充輝(しばたみつき)
保有資格:1級ファイナンシャル・プランニング技能士、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引士


経歴:大学卒業後、厚生労働省や不動産業界での勤務を通じて社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。 独立後は多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行いつつ、金融・不動産系の記事を中心に執筆しており、1,200記事以上の執筆実績がある。自身でも株式や不動産への投資を行っており、実体験を踏まえて記事制作・監修に携わっている。



名前:安田亮(やすだりょう)
保有資格:公認会計士、税理士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士


経歴:公認会計士試験合格後、大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。

またFP資格も有しており、自ら株式投資や各種節税も行ない、企業会計から個人資産の運用まで幅広い相談を受けている。