南雲吉則先生が語る人生100年の生き方、過ごし方~健康に人生100年を送るなら「命の食事とマインドチェンジ」を〜

#健康 #インタビュー #人生100年 #ライフスタイル

2018年9月16日に総務省統計局が発表した「統計からみた我が国の高齢者」という資料によると、65歳以上の高齢者が総人口に占める割合は28.1%。統計史上、最高になったとあります。また、2017年に同局が出した「統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)」には、90歳以上の高齢者が初めて200万人を超えたとの発表も。この2つから見ても、100年の人生を歩むことは誰にとっても「ありえる話」になりつつあると言えそうです。

こうした社会では、いかにして「健康寿命」を伸ばすか、つまり、寝たきりになったり介護を受けたりすることなくどうやって元気に自立したまま天寿をまっとうするか?が主要なテーマになることでしょう。

アクサ生命では、この社会課題に向き合うべく、健康経営を推進し「健康経営サポートパッケージ」を提供しています。これは、会社というお互いに励まし合いながらチャレンジできる環境で健康を気づかい合うことで、最終的に社会全体の健康増進に貢献すると考えているからです。しかし、忙しい日々を過ごす中では、あるいは、アクティブに活動しているうちは、健康であり続けることに意識を向ける機会が持ちづらいかもしれません。

そこで、ここでは「命の食事」を積極的に推進しているナグモクリニック総院長の南雲吉則先生に、「人生100年時代に身につけたい健康意識」などについて、ご意見を聞かせてもらいました。

ナグモクリニック総院長 南雲吉則先生について

がん専門医である南雲吉則先生は、20歳若く見える生活習慣や食事法などを自ら実践し、56歳の時には血管年齢26歳、骨年齢28歳、脳年齢38歳という驚異の肉体を世間に知らしめました。現在は、講習会や食事会を通じて多くのひとに、「命の食事」や健康法によって病気を予防する生き方を伝えています。

そんな南雲先生も、実は40代半ばまでは実年齢より老けて見られることがあったとか…。医師として激務をこなすため、不規則・不健康な生活が常態化し、便秘や不整脈、腰痛に悩まされることもあったそうです。

命を守る生活は、若々しさを保つ生活

――南雲先生は、「命の食事」をさまざまな企業と一緒になって推進されています。これを行なうきっかけはどのようなものだったのでしょうか?

30代のころの私は、体重が増えすぎて腰痛や不整脈に悩まされていました。そうした悩みから脱却すべく、40代からありとあらゆる健康法を試してみました。そのなかで「これは効果がある」と感じたものを体系化したのが、「命の食事」です。これを機会があるたびに訴え続けていたら、最近はだんだんその考えに共振してくれるひとや企業が増えてきました。

私はこうした活動こそ、医師の原点だと思っています。病院や診察室に訪れた患者さんを診ることはもちろん大切ですが、もっと多くのひとが集う場所に出向いて生活者に直接語りかけたり、食品を提供している企業や健康産業に関わる企業に働きかけていって「命の食事」を広めていくこと、つまり予防医学を広めていくことも大切だと考えています。

――では、活動を続けた先に、どのような未来を目指していらっしゃるのでしょうか?

今日、世の中には様々な情報が溢れています。しかし、みなさんがこれまで聞いてきた健康に関する常識のなかには、最新の研究によって「明らかに間違いだった」というものも出てきています。ですが、実際にはそれがあまり知られていないのが現状です。一方で、古くから言い伝えられてきたことのなかに「物事の真相を突いている」ということもあります。そうした情報のなかから、正しい情報を取捨選択して伝えることは、私たち医師の役目です。

私は「命の食事」や健康法を伝える方法として、「まずは自分が確信する健康法を元に、若々しくありスラッとしたスタイルで存在を示すこと」が一番効果的だと考えています。
「ほら、見て下さいよ!私はもう還暦を過ぎたけれどこんなに若々しいでしょう?」と訴えかけたら、これ以上の説得力はないでしょう。
私を見たひとは、「生活を変えることによって、若々しさや元気であり続けるといった“望むもの”を手に入れられるんだ!」と知って、自分も挑戦しよう、と考えてくれると信じています。

人生100年時代と言われるようになった今日、誰もが、他人のお世話にならず、自分の足で歩き、自分の歯で噛み、自分の頭で考えられる、健康な人生を送りたいと願っているものです。私はその方法を、自分の身体で実証しているわけです。そして、これからも健康に携わる産業の関係者と一緒になって、世の中に広く知ってもらえるように活動していきたいと考えています。

僕の使命は「がんの死亡率を今後30年間で半減させること」

――がんへの対策と言えば、「早期発見・早期治療」という標語を思い出します。しかし、先生のアプローチはそれより前の段階に着目している、というわけですね。

「命の食事」を多くのひとに広めたい理由は、「なんとかして、がんで亡くなるひとを減らしたい。がんになるひとを減らしたい」という、私の夢を叶えたいからです。

私はこれまでがんの専門医として、最新の治療法や研究結果などを常に学び続けてきました。そして、「早期発見・早期治療が大切だ」と訴えてきました。しかし、この30年間で日本のがんでの死亡率は倍増し(※1)、2人にひとりががんになる世の中になってしまいました(※2)。つまり、「早期発見・早期治療」を訴え続けても、がんで死亡するひとは減らない、ということが分かってしまったのです。

医師として、自分がどんなに腕を磨いても、やはりがんで亡くなる患者さんがいらっしゃり、そうした場面ではいつも無力感を覚えます。また、私自身も親しいひとを数人がんで亡くしてしまったことから、医学の限界を感じたこともありました。

しかし、がんの死亡率を減らした取り組みがひとつありますのでご紹介しましょう。
米国では、経済的に豊かになって喫煙率が上昇するに従い、肺がんの罹患率と死亡率が右肩上がりに伸び続ける、という社会問題が起こっていました。政府は国を挙げてこの対策に乗り出します。まずは早期発見のために毎年肺がん検診を行いましたが死亡率は減りませんでした。次に早期治療のために抗がん剤や放射線治療装置の開発に莫大な予算が投下されました。しかし、罹患率も死亡率もまったく減りません。そこで取り組まれたのが、1970年代からの禁煙運動です。

もちろん、禁煙をしたからといってすぐに肺がん患者の数が減るわけでもなければ、死亡率が下がるわけでもありません。しかし、25年後…1995年以降の調査で、劇的に肺がんの罹患率も死亡率も減少し、肺がんの死亡率は往時の1/2まで、がん全体の死亡率を23%も引き下げることに成功したのです。

――禁煙活動だけでそんなに劇的な効果が現れたんですね!

がんになる主な原因は、感染症と食生活、喫煙です。つまり、環境問題ではなく、ひとの嗜好品の選択によってがんが引き起こされる、というわけです。それなら、食生活や喫煙習慣といったことを改善すればよい、というのは自明のことです。米国の例は、それを示した人類の英知だと言えるでしょう。

翻って、今日の日本では医療費をはじめとする社会保障費は国家予算の半分にもなろうとしています。それがすべて、病気の治療に費やされていますが、禁煙やそれを補助する働きかけ、あるいは、肥満になる前の対策に予算を振り分けることも検討して良いのではないでしょうか?

社会の有り様を見ていると、弱者に手を差し伸べることは許されているけれど、誰かを弱者にしてしまうことを防ぐようにはなっていないように感じます。しかし、そもそも、弱者も強者も世の中には存在しないはずです。私たちの周りにいるのは、何の関わり合いもない赤の他人ではなく、祖先をたどればどこかで繋がる兄弟です。そう考えたなら、弱者を生み出してしまうことそのものが問題だと感じますし、そのような状況に至ってしまう前に予防することこそ重要だと分かるでしょう。
だからこそ、生活習慣の改善などの予防医学が非常に大切なのだと確信するのです。

魂がブルブルっと震えるような瞬間が、きっとくる!

――先生のように確固たる「生きる使命」に気付くにはどうすればいいでしょうか?

私は「命の食事」を広めること、そして、がんで亡くなるひとやがんになるひとを減らすことを人生の使命として日々活動しています。こうした自分自身が生きている使命は、意外にも身近な所にあるのですが、普段は気付くことはありません。ひととひととのふれあいや魂の交流によって気付くものです。

たとえば、スポーツ選手がインタビューで「(自分が好成績を残せたのは)恩師のおかげ」というふうにコメントしているのを見聞きすることがありますが、その恩師は必ずしもコメントした選手よりも優れた選手であるとは限らないものですよね。しかし、愛情と信念を持ってひとりのひとを育てていき、その情熱が相手に伝わって魂が共振したことで好成績や素晴らしいプレーが生まれたのだと私は考えています。ふたりが向き合うことで魂の共振があり、目標や理想に向かって走り出そうという「スイッチが入った」と言うわけです。

スポーツ選手だけではありません。私も、もう亡くなった父や母との魂の共振を今でも強く感じています。私の父も医師で、私にとってはいつまでも越えられない壁のような存在でした。高校生以降は反発し、父を見返したくて「いい大学、いい成績、いいお給料」を目標にがむしゃらに努力し、ついには都内の一等地にビルを買ってクリニックを開業するまでになりました。

――相当な努力をされたのだと想像します。お父さまはどのような反応でしたか?

きっと想像されているのとは真逆です。父は喜んだり「参った!」と言ってはくれませんでした。父は、そうしたいわゆる社会的栄達が人生の最終目標ではない、と伝えたかったのでしょう。

そのことに気が付いたのは、父が急逝し最期のお別れをするときのことでした。大好きなあじさいに囲まれて眠る父の頬と自分の頬を合わせ、肌の匂いを嗅いだ瞬間、幼い頃の父との思い出が走馬灯のようによみがえり、自分が両親によって常に守られてきたのだという熱い想いがこみ上げてきたのです。そして、遺伝子のなかに刻まれた「自分の生きる使命」に初めて気付いたのです。

それまでの私は、脳の縄張り意識に縛られ、欲の塊のような人生でした。しかし自分の魂、医学的には遺伝子DNAに「生きろ、そして命をかけて同胞を守れ!」という命が刻まれていることに気付いたのです。まさに人生のスイッチが「カチッ!」と入った瞬間だったのです!

それ以降、ほぼ毎日のように日本全国を飛び回って診察や手術に臨み、常に勉強し、移動中には原稿の執筆をしたり講演会に登壇したりしても、大変なことだとは思わなくなりました。30年間で倍増したがん死亡率を、次の30年間で半減させるという自分の使命に突き動かされているからです。このような人生を変える体験は、誰にでも訪れることでしょう。

人生のスイッチが入ったら、人生100年は決して長くない

――人生の使命を自覚してから人生100年という時間の長さに対する意識は変わりましたか?

子どものころは時間の流れが緩やかですが、歳を重ねるごとにどんどん速くなっていくものです。私は還暦を過ぎて「がん死亡率を半減させる」という人生の使命を確信しましたが、「では、残りの人生でそれを果たすことができるか…?」と考えると、残り時間が少なくて焦っているくらいです。

私たちは日常のなかではほとんど意識しないものですが、常に「生老病死」と向き合って過ごしています。それが人生だ、とも言えるでしょう。「だったら、なぜ生きるのか?」「人生のなかで何を果たすべきか?」を自らに問うことも、同じく人生だと思います。

自分の使命を達成するためには、30年後、90歳を過ぎても背中が曲がっておらず、足腰もシャンとして、生き生きと若々しく健康でいなければなりません。そのために摂生することは、ちっともつらくないのです。

南雲吉則の「人生100年時代の生き方、過ごし方」

――これから日本は超高齢社会という先史以来初の社会を体験することになります。ひとり一人がどう生きると実り多く社会にも貢献する人生をおくれるでしょうか?

今日、我が国は少子高齢化を迎えています。そのため「減少する働き手が増加する高齢者の面倒を看なければならない」と考える社会的風潮があるように感じます。しかし、これは誤った見方です。高齢者はいつの時代も知的財産です。彼らが長い人生の中で学んだ経験や考え方を、もっと若い世代に還元していかないといけないと思います。

近年は、高齢者をデイケアセンターや老人ホームといった施設に収容すれば、快適で楽しく過ごしてもらえるでしょう。また若い人達の介護負担は軽減されます。しかし、社会から隔絶されたような状態になってしまうと、生活の知恵や災害の記憶が後世に伝わらなくなってしまいます。こうしたジレンマをどう解消するか、超高齢社会に向けて考えるべきだと感じます。

――地域に根ざす経験知をどう継承していくか、考える時期に来ているということですね。
では、個人の生き方についてはいかがでしょうか?南雲先生の同級生はそろそろ第二の人生を歩みはじめる年代かと思います。

そうですね。会社で働き、家族の家計を支えてきたひとたちが、一度社会的地位を失うと、なかなか社会に溶け込めないことがあるとも聞かれます。けれどそれは、それまでの人生の目的にまだ縛られているからだと思います。

「自分は有名な会社に勤めていたのに」とか「部課長レベルまで出世したのに」という理由で、これまでより安い賃金や低い評価しか得られないところでは働けない、というひとは多いようです。ただ、地位や名誉や金にこだわることは人生の最終目標ではないはずです。「自分がこの世に生まれたことの使命はなんなのか?」と考えてください。生きて生き抜いて、命をかけて同胞を守ることの大切さに強く意識が向くはずです。

そうすれば、地位と名誉や金ではなく、「魂の命(めい)」に従って行動することができます。道端に落ちているゴミやタバコの吸い殻を拾うことも、通学路で交通安全のために子ども達を見守り声をかけることも、素晴らしい仕事だと思えてくることでしょう。「これも自分の使命だ」と思い浮かんだことに取り組むようにしてみてはいかがでしょうか。

これまでの人生は脳の縄張り意識に縛られた「俺が俺がの人生」、これからは魂の命に従って「世のため人のための人生」。
それが心と身体の健康につながるはずですよ!

(※1)出典:厚生労働省「人口動態統計」日本人の死亡原因の変化(人/人口10万人あたり)
(※2)公益財団法人がん研究振興財団「がんの統計'17」によると、日本人はおよそ2人に1人が一生のうちに「がん」と診断されるとあります(男性なら61.6%、女性なら46.2%)。

出典:公益財団法人がん研究振興財団「がんの統計'17」年齢階級別罹患リスク(2013年罹患・死亡データに基づく)

南雲吉則
ナグモクリニック総院長、医学博士、乳腺専門医。1955年生まれ。東京慈恵会医科大学を卒業後、さまざまな経験を経て、ナグモクリニックを全国に開院。乳がん手術や乳房再建術を行なう傍ら、20歳若く見える生活習慣や食事法などを自ら実践する。テレビ東京「主治医が見つかる診療所」で4年にわたってレギュラーを務めたほか、現在は、講習会や食事会を通じて多くのひとに、「命の食事」や健康法によって病気を予防する生き方を伝えている。
近著に、「60歳を越えても40代に見える生き方老化に勝ち続ける私の毎日」(講談社)や「命の食事最強レシピ‐がんを寄せつけないからだを作る」(ワニブックス)、ほか「大切な人をがんから守るため今できること命の食事」(主婦の友社)など多数。

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