83歳のプログラマー 若宮正子さんに聞いた人生100年時代の歩き方

#インタビュー #超シニア #ライフスタイル #人生100年 #老後

60歳を目前にパソコンを購入し、80歳を過ぎてからプログラミングを学んだ若宮正子さんは、人生100年時代における素晴らしいお手本です。前編では若宮さんのイノベーションやセルフラーニングについてのお考えを紹介しましたが、後編では人生観や理想の生き方についてうかがいました。

先が見通せない時代だからこそ、いまを生きる

――人生100年時代と言われています。82歳でアプリを開発した若宮さんのように、寿命が延びることは可能性が増えることにつながると感じます。

せっかく人間に生まれてきたので、人間としてできることはいろいろやってみたいと思いますね。寿命が延びたということは何かをやる時間が増えたということですが、その一方で、世の中の移り変わりが激しくなり、自分の将来はおろか地球の未来すら見通せない、という状況にもあると思います。

――将来を見通せない時代を、若宮さんはどのように考えて過ごされているのでしょうか?

日本の場合は将来に備えるのが大人の常識で、中学生の時はどこの高校に行くか、高校に入ると次は大学入試、大学に入ると今度は就活で、就職してからは婚活や定年のことを考えて、最後はエンディングの終活を考えて。つまりずっと死ぬ準備をしているわけですが、次の時代に備えることが段々意味を持たなくなってきていると思います。だってどうなるかわからないから。人生100年時代になって、先が見通せる時代ではなくなったことを認めるのが一番大事だという気がしますね。だったら、いまを充実させるしかないと考えています。

――いまを充実させるにあたって、大事なことは何でしょう。

いろいろな経験をすることですね。私の場合も、子どもの頃や若い頃の経験が、60歳、70歳になって役に立っています。たとえば、徘徊するおじいちゃんのためのアプリを開発した高校生がいます。体にセンサーを付けるぐらいならだれでも思い付きますが、踏切に近づいた時に靴がピカピカ光って周囲に知らせてくれるような仕組みは、家族と一緒におじいちゃんを探した経験から生まれたのだと思います。パソコンにかじりついていたら、絶対にあのようなアプリは作れなかったでしょう。

――経験ということだと、若宮さんはご近所のカギを預かるようなリアルな人間関係を大事にする一方で、メロウ倶楽部というシニア世代の生きがいづくりを考えるウェブサイトでバーチャルな人間関係も築いていらっしゃいます。

両方それぞれに良い点があります。リアルな付き合いを充実させるにはITの力を借りるほうが便利だし、ITを活用する生活を送るにはリアルな人間の力が必要です。これからはAIの時代になりますから、人間とAIは二人三脚でいかないといけません。

――AIの時代と言われますが、もうパソコンやスマートフォンなどの新しい技術には付いて行けない、という方も多いと思うのですが、いかがでしょう。

いま、AIスピーカーというのがシニア世代に注目されています。暖房の設定温度を2℃上げてくれとか、カーテンを閉めてくれとか、寝たきりでも口さえきければ自立を手助けしてくれます。パソコンやスマホと違うのは、普通の日本語で伝えればやってくれることで、説明書を読んだりパソコン教室に通わなくてもいい。炊飯器なら90歳の方でも買ったその日にご飯が炊けるわけだから、AIも進化するほど複雑になるのではなく、人間に近いやさしい存在になってほしいし、そうあるべきだと思います。

――若宮さんがhinadan(ひな壇)を開発なさった時には、シニア世代が使いやすいようにタップだけで遊べるように工夫なさいました。

だからシニア世代がパソコンやスマートフォンの開発陣に加わるといいですね。若いエンジニアは、自分のおじいちゃんやおばあちゃんに自分が開発した製品を使ってもらって意見を聞くといいでしょう。

健康の秘訣は、新しいことに取り組む緊張感

――人生100年時代を迎えるにあたって避けては通れないのが、お金の問題です。私たちは経済の問題について、どのように備えればいいとお考えでしょう。

これが問題なんですよ。私にも正解がないんです。モノを作って売る人と買う人がいて、その間をお金が取り持つという仕組みは残ると思いますが、私もたったの83歳なので(笑)、先は見通せません。

――働く、ということについてはいかがお考えでしょう。

3時間だけ働いてベーシックインカムをいただくような仕組みもあると教わりましたが、そうなると残りの21時間の過ごし方が大事になってきますよね。日本人は会社が忙しいからボランティアや社会参加ができないと言うけれど、3時間勤務だったらそういう言い訳ができなくなる。だれかが、一番安易な生き方は“仕事を趣味にする生き方”だとおっしゃっていましたが、仕事以外の場で自分を成長させたり世の中の役に立ったりすることを想像してみてください。難しいですよね?

――難しいと思います。やはりこれからの時代は、さきほど若宮さんがおっしゃっていたように、いろいろなことを経験することが大事ですね。

忙しくて会社の仕事しかできない、仕事命でほかのことができないという人は、定年になると真っ白になりかねません。存在感を失って、不機嫌老人症候群、奥様は亭主在宅症候群(笑)。

――健康の秘訣についてもうかがいたいです。

健康法のようなものは特にないんですが、いろいろな人に会ったり、新しいことに取り組む緊張感がいいのかもしれませんね。あとは周囲を見ても、元気な人はよく食べる。よく食べるからアクティブで元気に動いて、また食べる(笑)。

――若宮さんのように特別な人だからいろいろなことができる、と言われることはありませんか?

年をとるということをネガティブにしか捉えないのは、ちょっと考え直したほうがいいと思います。確かに、年をとるといろいろ失くなっちゃうんですよ。髪の毛や歯が抜けたり、財布の中が寂しくなったり、最愛の人が亡くなったり、喪失体験が続きます。でも、減るけれどゲットすることもできるんです。私はITの勉強でしたが、最新の農場を見学するとか、盆踊りをマスターするとか、ゲットできるものはいくらでもあります。歯が1本抜けたら3倍くらいのものをゲットすればいい。私はスーパーポジティブだって言われるんですけれど、老いをネガティブに考える人にこそ、ゲットすることをお薦めしたいです。

――せっかくの機会なので、最後に少し変わった質問で締めさせていただきたいと思います。人生100年時代を迎えるにあたって、恋愛観はどのように変わるとお考えでしょう?先が見通せない時代に、結婚した人と添い遂げるのが美しいという価値観が変わったりはするのでしょうか?

そこは私も知りたいです。私は正式には結婚していなくて、いまも一応独身ということになっています。ひと晩では語り尽くせない経緯があるんですけれど(笑)、やはり恋愛についてはよくわかりませんね。人工知能にもわからないでしょう、AIは損得を考えるので、「なんだかわからないけれど、あの人が好き」という気持ちは理解できないんじゃないかしら(笑)。

若宮正子
1935年東京都杉並区生まれ。東京教育大学附属高等学校(現・筑波大学附属高等学校)卒業後、三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)に入社。2016年からiPhoneアプリの開発を始め、17年6月には米国Appleによる世界開発者会議『WWDC 2017』に特別招待される。最年長有識者メンバーとして「人生100年時代構想会議」にも参画している。

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