巷で耳にする“がん”にまつわる素朴なギモンを現役医師に聞いてみた

#健康 #今できること #保険

公益財団法人がん研究振興財団「がんの統計'23」によると、日本人はおよそ2人に1人が一生のうちに「がん」と診断されるとあります(男性なら65.5%、女性なら51.2%)。
さらに、下表の「年齢階級別罹患リスク(2019年罹患・死亡データに基づく)」からは、リスク度合いは異なるものの性別や年代に関係なくがんを罹患する恐れがある、ということが見て取れるでしょう。

年齢階級別罹患リスク(2019年罹患・死亡データに基づく)

出典:公益財団法人がん研究振興財団「がんの統計'23」年齢階級別罹患リスク(2019年罹患・死亡データに基づく)

上述の通り、がんは多くの人にとって“身近な病気だ"と言えそうです。

とはいえ、なかには「がんは怖いけれど自分が罹るなんて想像ができない」や「周りにがんの人がいないから、あまりピンとこない」と感じている人もいるでしょう。
しかし一方で、「こんなライフスタイルだとがんになりやすい。これを食べるとがんになる」といった話は、やはり気になるもの。

そこで、ここではがんにまつわるウソ・ホント、ギモンに思うことを医師に答えてもらいながら、がんについての基礎知識をお伝えしたいと思います。

巷で耳にするがんにまつわる「ウソ・ホント、素朴なギモン」を医師に聞いてみた

今回ご協力いただいたのは、医療ガバナンス研究所に所属し、ナビスタクリニック立川・新宿で日々診療活動を行なっている山本佳奈医師です。

「がん」「ガン」「癌」どう書くのが正しい?

「がん」と「癌」は指し示す意味が違う。

山本医師:この違いは学生時代に最初に習いました。がんは悪性腫瘍の総称で、いわゆる胃がんや肺がんなどだけでなく、白血病なども含みます。一方、癌は上皮性の悪性腫瘍、つまり一般的によく知られている「がん」に対して使われるのが通例です。

「ガン」については分からないのですが、漢字で書くところをカタカナにしているのかもしれません。最近は「癌」と書くとインパクトが強いという理由で「がん」と記載している場合もあるようです。

焦げたものを食べるとがんになるって本当?

ウソではないけれど、それだけが原因でがんになるわけではない!

山本医師:まず、がん細胞は遺伝子異常(突然変異)により発生します。遺伝子異常の原因はまだ完全には解明されていませんが、たとえば、胃ではピロリ菌感染による炎症、肺ではタバコによる刺激が、発がんに作用していると考えられています。
つまり、食物の焦げのようにひとつの要因だけではなく、タバコやアルコール、紫外線など、私達を取り巻くさまざまな外的要因(発がん要因)が遺伝子突然変異を引き起こし、がん細胞を発生させる、というわけです。

実はがんは毎日できているって本当?

本当のこと!ですが、神経質にはならないで。

山本医師:遺伝子異常(突然変異)ががんの発生原因ですが、その遺伝子異常はどんな人にでも多少は起こっています。しかし、ひとつのがん細胞が発生しても目に見えるようながんに成長する前に、自身の免疫力や修復機構により排除されています。
高齢になるとがん細胞が発生する頻度も高くなりますが、それを排除する力も弱くなるため、目に見えるがんへと成長しやすいと考えられます。

家族にがん患者がいたら、がんになる?

がんの種類にもよる。

山本医師:家族性大腸腺腫症などいくつかの遺伝性疾患では高頻度でがんが発生することが解明されています。また、家族や親戚にがんを患った人が多い場合はがんが発生する確率が高まることが知られています。しかし、家族にがんを患った人がいなくてもがんが発生しないとは限りません。

男女、血液型、太り気味/痩せ気味、などでがんの発生率は違う?

統計的に言えることもあるけれど、あくまで統計。

山本医師:たとえば太り過ぎの場合、食道・膵臓・肝臓・大腸・乳房(閉経後)・子宮体部・腎臓のがんに。成人後の体重増加が乳房(閉経後)のがんに影響すると言われています。また、統計的に高身長の場合、大腸・乳房・卵巣のがんになる確率が上がる、との発表もあります。

一方で、日本人などのアジア人を対象とした研究結果からは、痩せすぎによってがんのリスクが上がることが観察されています。これは、栄養不足に伴う免疫機能の低下や、抗酸化物質の不足などによるものと推察されます。

若い人ほどがんが進行しやすいって本当?

がんの種類によるけれど、年齢はあまり関係ない。

山本医師:この話ははじめて聞きました!なぜこんな話が生まれたのかはわかりませんが、胃がんの種類によってはそのような傾向が見られる場合があるからかもしれません。
大前提として、そもそも30歳以下の胃がん発生頻度は少ないと言えます。その上で、もし発見されたとしても、がん細胞がばらばらのもの(低分化腺がん)がほとんどだと言われます。これは進行が早いがんだと言われています。

他方、80歳以上の高齢者の場合では腺管の形をとるもの(高分化腺がん)が多く、これらは進行が比較的遅いとされます。
これらの事象を一括りにして見ると、「若い人の方が、進行が早い」と感じるのかもしれません。しかし、がんの進行速度はどのような組織で発生したかに左右されるので、年齢はあまり関係ないと言えるでしょう。

がん細胞は増殖しているのに患者さんは痩せていくのはどうして?

栄養が自分のエネルギーにならないから。

山本医師:まず、がんになると、体の中では慢性的な免疫反応と炎症が起こります。食事を摂ってもその栄養素やエネルギーがこれらの反応に使われてしまうため、上手く栄養素を自分のエネルギーに変換できなくなり、さらにこれらの反応による産物である化学物質「サイトカイン」が活性化するためエネルギーが不足してしまう、というわけです。

体重減少も単に低栄養によって陥るものではなく、脂肪分解が活発に進んだり、筋肉を構成するタンパク質を合成する能力が低下したりして、取り込んだ栄養素を上手く代謝させることができなくなっていることなどによるとされています。

終末期になると痛いと聞くけど、どのくらい痛い?どうして痛む?

痛みは人によって感じ方が違うので表現は難しい…。

山本医師:診療中に一番難しく感じるのが「痛みの度合い」を伝えてもらうことです。痛みに強い人もいれば敏感な人もいるので、私は「10段階のうち、どのレベル?」と質問して、把握するようにしています。

がんの痛みは大きく3つに分けられます。ひとつは、がんの広がりや転移によって生じる痛み。ふたつ目は、がんの治療に伴って生じる痛みで、たとえば、手術後の痛みや放射線治療、化学療法によって生じる神経障害や口内炎といった副作用による痛みがこれにあたります。最後は、全身衰弱や合併症による痛みです。長期間寝たきりの状態になると、腰痛や床ずれ、手足のむくみなどさまざまな問題が生じます。また、がんだけでなく、新たに合併した疾患(たとえば帯状疱疹など)による痛みも出てきてしまいます。

がん検診のお知らせがきたら健康に特に問題を感じていなかったとしても行くべき?

定期的に検診に行き、経過を観察し続けることも大事。

山本医師:定期的に体の状態を確認しておくことはとても大切です!
もちろん、働き盛りの世代にとって検診に行く時間を確保することは難しいかもしれませんが、「なぜ、検診をするのか」を想像してみると、少し考え方が変わるかな、と思います。

私の場合、これまでは病気そのものにしか目が向かなかったけれど、「どのくらい治療費やその他の費用がかかるか、どれだけ家族を巻き込んでしまうか」といったことを想像する機会があったことから、検診の重要性を再認識できました。
忙しくてつい後回しにしたり、今は元気だからと検診に行かなかったりしたことで病気の発見が遅れてしまったら、治療のために多大な時間とお金が必要になることでしょう。これに比べたら、「検診に行く時間なんてちょっとのことだ」と、感じられるのではないかと思います。

がんに関する「発見」はめざましい

近年、ゲノム解析やAIによる画像診断の精度が増してきたことで、今まで分からなかったがんについてのさまざまな疑問が明らかになってきました。
山本医師も「日々新しい情報が出てきていて、5年や10年前の情報が時代遅れになっていることだってあります。治療法も180度変わることだって珍しくはないんですよ」と教えてくれました。

たとえば、近年は検診の精度が高度化したことで、気にしなくてもいい程度のがんを発見して不要な不安を感じるという不利益を受けるおそれが指摘され始めていることや、特に高齢になると検査中に別の病気やケガのリスクを負ってしまうケースがこれにああたります。一部には「がん検診を受ける人の年齢に上限を設けるべきではないか」との意見も出ているそうです。

こうした話を聞くと、「情報は常にアップデートされているし、とっても複雑。医師でも常に勉強し続けているのに、素人の自分が詳しい知識を得ることは難しいのでは?」と感じるかもしれません。しかし、だからといって全く知らないままでいても構わない、というわけにはいかないはず。

それならば、まずは、これを受けるメリット・デメリットについて調べてみたり、基本的な知識を身に付けるなど、興味が湧いたところから深掘りしていってみるのはいかがでしょうか?

検診中に医師に疑問をぶつけてみたり、医療機関で紹介されているポスターなどに記載されている情報を見るだけでも、発見があるかもしれません。

人生100年時代のがんとの向き合い方
〜まずはリスクを下げるための努力から始めよう〜

最後に山本先生は、人生100年時代にがんに向き合う心構えについて、次のように話してくれました。

「病気には風邪のようにある程度は予防できるものもあれば、そうではないものもあります。しかし、後者についても、特にがんの場合は、罹患するリスクを下げる手段が見つかりつつあります。それならば、リスクを下げるための努力を自発的に試してみることに価値はあるはずです。
どんな病気でも、罹患するとご自身が辛いことはもちろん、それを支えるご家族も同じくらい辛い思いをしてしまうものです。人生100年という長い時間を生きることになったからこそ、病気のリスクが大きくなりがちです。こんな時代には、自分ができることはやっておく、という意識が非常に大切なのだと感じました」。


山本佳奈(やまもと・かな)
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)がある。このほか、ニュースサイトなどで女性の健康に関するコラムを不定期連載している。

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