AIが本当に人間の仕事を奪う?「自動化(RPA)」が創出する企業の未来

#会社経営 #仕事 #人生100年

AI、IT、ICT、IoT、ビッグデータ、ユビキタス、ロボティクス――。新たなビジネス用語が続々と出てくる昨今ですが、欧米ではこれらの用語を分断せず、総称して「オートメーション」や「デジタライズ」と呼んでいます。今回は、これらが意味する「自動化」というキーワードにフォーカスし、実際にRPA(Robotic Process Automation)を導入した企業の事例なども交えながら、企業における自動化と近未来の人々の雇用問題を考えてみましょう。ある学者は、現在ある仕事の大半がAIやロボットに奪われると発表していますが、ほかの学者たちがどのように考えているのかも紹介していきます。

「10~20年以内に今ある仕事の半分がなくなる」説の真偽は?

人は昔から、遠い未来のことを考えずにはいられません。もしすべての仕事がAIやロボットに取って代わられるとしたら……。仮にそんな時代が訪れたとしたら、私たちの暮らしはどうなっていくのでしょうか。

2013年9月、オックスフォード大学のカール・ベネディクト・フレイ博士とマイケル・A・オズボーン准教授は、アメリカにおいて10~20年内に労働人口の47%が機械に代替可能であるという試算を発表しました。日本に関しては、野村総合研究所が先述の両氏と研究を行ない、労働人口の約49%が就いている職業において機械に代替可能と試算しています。

日本でも、「今ある仕事の大半は、AIやロボットによって代用される」との説が広まっていますが、じつはこの解釈は的を射ていないようです。

オズボーン准教授は、あるインタビューで「特殊な前提の下できわめて単純化された試算をしたに過ぎない」、つまり必ずしも予測通りになるとは限らないと語っています。

フレイ博士&オズボーン准教授の研究の大きな前提の一つは「雇用の減少分のみを試算し、新たな雇用の創出について考慮していない」点。技術の進化によってWebデザイナーやアプリケーションエンジニアという職業が生まれたように、自動化の普及によって現時点では予想のつかない職業が生まれ、雇用が創出されることも十分ありえるでしょう。

また、ドイツのZEW研究所は、フレイ博士&オズボーン准教授の発表を受けて、新たな雇用の創出を検討せずに再試算。10~20年内の労働人口における機械代替の可能性について、アメリカでは9%、ドイツでは12%と発表しました。

なぜこれほどの差異が生じたのでしょうか。フレイ&オズボーンが「職(ジョブ)」ごとに代替可能性を推計したのに対し、ZEW研究所は「職」、「仕事(ワーク)」、「作業(タスク)」という概念を導入したため。ひとりの労働者が行っている作業の一部が機械に代替されても、その一人がすぐさま職を失うことにはならないことを示しています。

10〜20年は大丈夫、しかし、その先の自動化の将来は?

先述した内容に基づくならば、10~20年のうちに自動化によって人間の仕事の半分が機械に代替される可能性はひとまず「ない」といえるでしょう。とはいえ、さらに長期的なスパンでは、自動化の普及による雇用の減少を考慮する必要があるかもしれません。

たとえば、運転手を必要とする自動車業界。各社の開発競争が進む自動運転が当たり前の時代になれば、経済的に余裕のない人々や、ミニマルな生活を志向する人々が自家用車を手放し、ライドシェアや自動運転のバスやタクシーなどの普及が進む可能性もあります。利用者は、たとえばスマホのアプリで好みの車種を選び、乗車した距離もしくは時間分の料金を支払うようなスタイルになるかもしれません。

そうなると、自動車製造業界をはじめ関連業界までさまざまな影響により、世の中自体が変わるでしょう。町中にある駐車場や洗車場、ガソリンスタンドが減るいっぽう、自動運転による新たな事業やサービスが立ち上がるでしょう。

ただし、これは遠い未来についての話。少なくとも今は、自動化が人材不足解消に役立っている業界もあります。たとえば、物流倉庫などによる配送、スーパーなどによる接客(レジ打ち)にも自動化が導入され、省力化につながっていますし、セキュリティの分野では、ディープラーニングによる同一人物の画像検知ができるシステムも誕生し、警備の人材不足をカバーできるところまで実用化が進んでいます。

いくら自動化といっても、その仕組みやシステムを考案するのは人間ですし、そのプログラミングやメンテナンスを行うのもやはり人間です。やはり、数十年のうちに雇用がほとんどなくなるという可能性は低いように思われます。

RPAはホワイトカラーの業務の省力化・効率化を実現する

労働人口の減少や人件費の高騰など、先進国における労働問題は深刻度を増しています。こうした中、解決手段として近年頻繁に聞かれるようになった言葉がRPA(Robotic Process Automation)です。

RPAとは、人間が手作業で行なっているデスクワークを、パソコン内のソフトウェアロボットが代行するテクノロジーのこと。インターネット上のデータ収集やExcelのデータ入力、単調なコピー&ペーストといった作業に有用です。プログラミングによって定めたルール通りに動き、ホワイトカラーの単純作業を大幅に削減してくれます。自らデータを学習・解析するAIと比べ、短い準備期間と少ない投資で導入できるというメリットもあります。

たとえば、あるテレビ局では恒例イベントのチケット販売管理にRPAを応用。以前は、チケットサービス会社やPOSシステム、自動発券機などの多様なフォーマットから送られてくるデータを人間が手作業で打ち込んでおり、現場の担当者は単純作業で疲弊していました。ところが、RPAによってデータを集約できるようになって省力化に成功、そのうえ担当者も単調なタスクから解放され、モチベーションが維持しやすくなったといいます。

では、RPAの導入によって人間の雇用が脅かされてしまうのか?その答えはまだ出ていませんが、前述のように、人員を縮小せず効率化に成功した大企業のケースがあることは確かです。

中小企業の人手不足解決にRPAの導入が役立つ?

2018年6月に日本商工会議所が全国47都道府県の中小企業4,108社(有効回答2,673社)を対象に実施した「人手不足等への対応に関する調査」では、65%の企業が人手不足であると回答しています。さらに数年後(3年程度)の人員不足の見通しについても、51.6%の企業が「不足感が増す」、43.1%の企業が「現在と同程度の状況」と答えています。

団塊世代の大量退職を始まったベテランの高齢化による退職で、技能継承がうまくいかなかった上、新人の育成も思うようにいかないという中小企業の人手不足は深刻度を増しています。

解決策として関心が高いのは、外国人の受け入れですが、先の調査によれば、外国人を現在雇用している企業は16.3%、今後雇用予定のある企業は6.2%、検討中の企業は20.2%と、合計で42.7%になり、外国人労働者への期待の大きさがうかがえます。しかし、言語の壁というハードルがあることは否めません。

そこで中小企業でも人手不足解消の手段としてRPAが注目されています。事務作業のインナー業務をロボットに任せ、スタッフは人でなければできない業務に配置転換を促す――。このような労働力の最適配置が成功すれば、中小企業における人手不足も解決できるかもしれません。

ともあれ、私たちの人生100年時代に必ず訪れる自動化の波は、予測もつかない未来へと運んでくれそうです。

(参考文献)
・『RPAの威力~ロボットと共に生きる働き方改革~』(日経BP社・安倍慶喜、金弘潤一郎著)
・『AIと日本の雇用』(日本経済新聞出版社・岩本晃一著)
・『ロボットの脅威 人の仕事がなくなる日』(日本経済新聞出版社・マーティン・フォード著)

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