中小企業はどのように事業承継を進めるべきか、事業承継の現状とポイントを解説

#会社経営 #今できること #事業承継 #仕事

近年、事業承継を実施する目途が立たないことを理由に、「業績が良いのに廃業をしてしまう」という中小企業の増加が社会問題化しています。事業承継を成功させるには、後継者不足など難しい課題を乗り越えなければならず、中小企業にとって頭の痛い問題といえるでしょう。事業承継を成功させるためにはどうするべきか、実施手順について解説します。

日本の中小企業が抱える問題の一つ、事業承継の現状

まずは、事業承継の現状を見ていきましょう。

中小企業数の減少

近年は、中小企業の廃業数が増加傾向にあります。総務省発表のデータによれば、2009年~2014年の5年間で事業者数が40万者減少しました。廃業数が増えている原因の一つが、事業承継が進まないことによるものです。

 

後継者確保の困難化

わが国では、中小企業の経営者の高年齢化が進んでいます。2017年7月に中小企業庁が公表した「中小企業の事業承継に関する集中実施期間について」によると、今後5年間で30万人以上の中小企業経営者が70歳以上になるというのにもかかわらず、6割の中小企業が後継者を決めていないことが明らかになりました。また、日本政策金融公庫が2016年2月に行なった中小企業を対象に実施した調査でも、「事業承継が決まっている」と回答した事業者数が12.4%という結果が出ています。

 

親族外承継の増加

事業承継が円滑に進まない理由の一つとして、身内に継承者がいないことが挙げられます。そのため、親族外承継を選択する企業の数が増加傾向です。日本政策金融公庫総合研究所が2018年に発表したレポートに掲載されている帝国データバンクの調査結果によると、中規模企業*の約6割で親族外承継を実施しています。

*中規模企業とは、従業者数が20人以上の企業を指す。

会社の経営を後継者へ、事業承継とは

あらためて、事業承継という言葉の意味について考えてみましょう。

事業承継とは

事業承継とは、後継者に経営を引き継ぐことで事業を存続させることです。所有と経営が分離されている大企業とは異なり、中小企業では経営トップによる強いリーダーシップのもとで経営が行なわれている場合が多くあります。そのため、経営トップが高齢化などの理由により経営に参画できなくなってしまうと、会社そのものが立ち行かなくなってしまいかねません。つまり、特に中小企業にとっては、事業承継は会社の存続にかかわる重大な経営課題となっています。

事業承継の構成要素

では事業を存続させるうえ重要となる事業承継は、どのようなことを行なうのでしょうか。ここからは事業承継を行なううえで必要な要素について解説していきます。

経営承継
会社の経営権、つまり経営トップとしての仕事を後継者に引き継ぎます。経営承継は、「誰に引き継ぐのか」が最大の焦点です。現経営者は、「後継候補者が経営者としての資質があるのか」を充分に見極めたうえで後継者を決定する必要があります。

資産承継
事業を行なうために必要な資産を後継者に引き継ぎます。資産承継では、「現経営者が所有する自社株の引き継ぎ」がポイントとなってくるでしょう。最低でも50%以上の株式を後継者が所有していないと、後継者が議決権を有さないことによる経営への弊害が生じてしまう可能性があります。個人事業主による事業承継の場合は、個人が所有する機械設備や不動産などの事業用資産の引き継ぎがポイントとなります。

知的資産承継
現代の経営では、人材力や技術力、組織力やブランド力などの目に見えない資産の存在を経営者が認識し活用することが、企業競争力の向上につながります。すなわち、会社の「強み」や「価値の源泉」となるものの存在です。事業承継を行なうにあたっては、今後の事業成長に必要な会社の「強み」や「価値の源泉」が何なのかについて現経営者と後継者が共通認識を持ったうえで、それらを効果的に活用した経営を行なえるように後継者を育成する必要があります。

経営者の約半数は決めかねている、事業承継の方法とは。その手順も解説

世の中には、事業承継の方法を決めかねている経営者も少なくありません。そのような中、事業承継の方法を決めている経営者の多くが「親族内承継」「親族外承継」「M&Aによる事業売却」を予定しています。ここでは、3つの事業承継方法について確認していきましょう。

事業承継の方法

出典:アクサ生命 - 社長さん白書2019

親族内承継
子どもや配偶者、その他血縁関係にある人間に事業を承継する方法です。後継者が早期に決まり資産承継が行ないやすい、親族内外から受け入れられやすい、所有と経営の一体的な承継が期待できるなど、大きなメリットがあります。しかし、経営の安定や経営者としての資質などを考えると、親族内承継が必ずしも良い選択肢になるとは限りません。また、受け継ぐ側としても自由に職業を選択したいという考えや価値観の多様化などにより、事業を引き継ぐことを希望しないケースが見られます。

親族外承継
非血縁関係にある取締役や従業員、社外から招へいした人間など、血縁関係にない相手に事業を承継する方法です。事業に関して熟知した者・能力のある者を経営者とすることで、事業の円滑な継続がはかれます。しかし、子など親族間の了承を得にくいということが考えられます。資産の問題など早期に親族と調整を図り、紛争の火種としないようにしましょう。

M&Aによる事業売却
他社に事業を売却し、経営権も引き継ぐ形で事業を承継する方法です。親族・社内に事業を引き継げる者がいない場合の選択肢となります。外部に事業を引き継ぐ候補者を求めることで、事業の存続が可能となり、また、会社売却による利益を得ることができます。ただし、M&Aを成功させるためには、事業の強化とガバナンスの構築など、早期の準備が必要となります。

実施手順

事業承継は、一般的に以下の手順で実施することが望ましいでしょう。

出典:中小企業庁 - 事業承継ガイドライン

ステップ①:事業承継に向けた準備の必要性の認識
事業承継を行なうにあたっては、経営や資産の承継、事業承継に向けた体制の構築、関係各者からの理解と協力の獲得など、さまざまな課題を解決していかなければなりません。そのため、長期間にわたる事業承継を進めるための時間が必要となります。事業承継が必要な会社の経営者は、充分な時間を確保したうえで、事業承継に対する見識を高め、第三者への相談体制を確保するなどの準備を行なう必要があります。

ステップ②:経営状況・経営課題などの把握(見える化)
事業承継は、現経営者と後継者が、会社の現状に対して共通認識を持ち、会社の今後の方向性を明らかにしたうえで経営者の交代を行なうことを指します。そのために、会社の経営状況や経営課題、経営資源の存在、事業承継を行なううえでの課題などを見える化する必要があります。

ステップ③:事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)
事業承継は、現状の経営課題を刷新し今後の事業を発展させる機会ともいえるでしょう。さらに、会社の将来に希望を持てなければ、後継者の事業を引き継ぐ意欲が減退してしまいかねません。そのため、現経営者と後継者との間で経営体制の最適化に取り組むことが必要です。「自社の強み」「収益性」「事業体制」を向上させることで、今後に向けた経営改善を図るための道筋を作っていきます。

ステップ④:事業承継計画の策定(M&Aの場合はマッチングの実施)
事業承継を行なうにあたっては、たくさんの課題を一定の時期までに解決していくことが求められるため、計画的に物事を進めなければなりません。そのために、「どのようなことを、どのような時期に、どのような方法で取り組み、どのような結果を実現させるのか」を明らかにした事業承継計画を策定する必要があります。M&Aなどによる社外への引き継ぎを行なう場合は、仲介業者などを介して引き継ぎ先を探したうえで、売却条件や手順などを明らかにしましょう。

ステップ⑤:事業承継の実行(M&Aの場合はM&A等の実行)
目標とした時期に、後継者または社外の引き継ぎ相手に経営権の移譲や資産の移転などを行ない、新たな体制での経営をスタートさせます。

中小企業を悩ます事業承継の課題と対策とは?

ここまで事業承継を実施する手順について解説してきました。しかし、この通りに行なうことで全く問題ないかというと、実はそうではありません。事業承継における問題は多様なため、すべてを紹介することはできませんが、ここでは、事業承継の課題と対策について、代表的な2つをご紹介します。

経営権の分散への対策

経営に関する重要事項に関しては、株主総会で発行済み株式の一定割合以上の議決で決定されます。このときに後継者の株式の持ち分が少ないと、後継者の方針が株主総会で否決され、後継者が経営権を行使できなくなる事態が生じかねません。そのため、現経営者は計画的な贈与などによる後継者への株式移転を進めていく必要があります。

会社法上の普通決議と特別決議を単独で行なえる発行済み株式の3分の2以上を後継者に集中させることが望ましいでしょう。経営権の分散防止に対しては、現経営者の経営方針に賛同したうえで長期的に株式を保有してくれる安定株主を確保する対応も一般に行なわれています。安定株主の対象として、金融機関や取引先、従業員持ち株会などがあります。経営者死亡により、相続が発生したことで後継者以外の相続人に分散してしまった株式を会社が買取るための資金として、生命保険による保険金を活用することも方法の一つです。

経営者の万が一による緊急の事業承継への対策

現経営者が予期せぬ事故や病気などに見舞われることで就業不能となる可能性も否めません。そうなった場合、取引先からの信用低下による売り上げの低迷や金融機関からの信用低下による財務の悪化など、経営に対して悪影響をおよぼす事態を引き起こすことがあります。そのとき、急遽事業承継が行なわれることがありますが、準備不足なためにその後の経営がうまく進まなくなることが多い傾向です。
そのため、不測の事態が生じたときの対応を明確にした事業継続計画(BCP)を策定しておくことが望ましいでしょう。

事業承継を円滑に成功させるポイントとは?

では、事業承継を円滑に成功するにはどの点について注意していけばよいのでしょうか。ここからは、事業承継を成功させる上で重要となるポイントについてご紹介します。

時間的余裕を持ち計画的に準備を進める

事業承継に関しては、経営や資産の承継、事業承継に向けた体制の構築、関係各者からの理解と協力の獲得など、さまざまな課題が存在します。そうしたことから、時間的余裕を持ちながら計画的に準備を進めることが成功に導く最大のポイントです。現経営者が健康なうちに行なう必要もあるので、一般的には現経営者が少なくとも60歳前後となったときには着手すべきだといわれています。

事業承継ガイドラインやマニュアルを活用する

事業承継の進め方や留意点などについては、国が中小企業向けにガイドラインやマニュアルを提供しています。これらを活用して、事業承継に関する見識を深めることが効果的でしょう。

【参考】
中小企業庁「企業承継ガイドライン」
中小企業庁「事業業承継マニュアル

専門家のサポートのもと行なう

事業承継に関しては、事業承継計画の策定や経営体制の最適化、株式移転の最適化など、専門的なノウハウを必要とする対応がたくさんあります。また、中小企業診断士や税理士などの専門家のサポートを受けることで、的確な対応が図れるでしょう。

保険で備える

現経営者が予期せぬ事故や病気などに見舞われた場合や会社が災害に巻き込まれた場合に、被った損失に対応しつつ経営体制を維持しながら事業承継を進めていかなければならない状況が生じることがあります。
このようなときに重要となるのが資金繰りです。例えば、保険で備えをしておくことも有効な手段の一つといえるでしょう。急な資金確保が必要となったときに保険金でカバーすることができます。また、経営者が認知症になった場合や、要介護状態などで就業不能となった場合にも保険で備えることができます。

【関連記事】
会社にとっての「2025年問題」もし経営者が認知症になったら?~知っておきたい制度について

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事業承継をサポートする仕組みも利用して念入りな対策を

国が、中小企業の事業承継をサポートするために、さまざまな支援制度を打ち出しています。

補助金
事業承継補助金を活用することで、事業承継を見据えた経営改善にかかる費用の2分の1もしくは3分の2が補助されます。
※2019年の補助金の受付はすでに締め切られました。

税制の優遇措置
事業承継税制の適用を受けると発行済み株式の3分の2の範囲内で後継者への自社株の80%部分の相続税が免除されます。ただし、特例承継計画の提出(2018年4月1日~2023年3月31日まで)を行なうことで、特例措置を利用することも可能です。適用期間の2018年1月1日~2027年12月31日までの10年以内については、全発行済み株式を対象として贈与税、相続税ともに100%の免除を受けることができます。この制度に関しては、親族からの一定額以内の財産贈与時の課税が非課税となる相続時精算課税制度の併用も可能です。

資金調達の優遇制度
経営承継円滑化法の認定を受けることで、事業承継に必要な資金の調達に対する信用保証枠が拡大します。そのため、日本政策金融公庫を通じた後継者が自社株を取得するための資金調達を行なうことが可能です。

事業承継は課題がたくさん!時間をかけて入念な準備をしよう!

事業承継とは、後継者に事業を引き継ぐことで事業の存続を維持していくことです。子どもがいなかったり、いても後継者に向いていなかったり、そのほか、親族や社内などに適した後継者がいないなどの理由により事業の存続が困難となるケースが増えています。

事業承継はたくさんの課題を乗り越えた末に実現されるものであり、時間をかけた入念な準備が必要です。事業承継ガイドラインやマニュアルなどを参考にし、ときには専門家の力を借りるなどして、的確な対応をしていきましょう。そのうえで、不測の事態に対するためにも保険による備えをしておくことも有効効果的です。

こうした際に考えたいのがアクサ生命の4つの保険です。

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無解約払いもどし金型定期保険
在任中から事業承継まで経営者のリスクに備える保険です。

  • 死亡・高度障害保障を準備することが可能です。解約時払いもどし金がないため、保険料も割安です。
  • 保険期間を選ぶことで、ご勇退までの期間の保障を確保できます。
  • 健康状態にかかわらず、一生涯の保障に切り換えることが可能です。

アクサの「資産形成」の変額保険 ユニット・リンク介護プラス
ユニット・リンク介護保険(終身移行型)
経営リスクに備えながら、資産形成も期待できる介護保険です。
要介護2以上から、認知症も保障。死亡したとき、高度障害状態になったときも保障しますので、経営者不在のリスクに備えられます。
また、長期分散投資による資産形成が期待できるので、役員退職慰労金の財源に充てられます。

※ただし、払いもどし金額や積立金額に最低保証はありませんので、払込保険料総額を下回ることもあります。また、解約されると以後の保障はなくなります。

アクサの「長期保障」の定期保険 フォローアップライフ
災害保障重点期間設定型定期保険
長期の死亡保障を確保しながら、将来、払いもどし金の活用もできる保険です。
98歳までの長期の死亡保障を割安な保険料で準備することができます。また、まとまった資金が必要になったときには、契約者貸付や払いもどし金を活用することも可能です。

*保険期間は、災害による死亡に重点的に備える第1保険期間と、原因によらず死亡に備えることができる第2保険期間に区分されています。ご契約から一定期間の災害以外を原因とする死亡保険金を抑えることにより、割安な保険料で保障を準備できます。



中小企業の経営者にとって、難題ともいえる事業承継。ご自身の健康状態やさまざまな経営リスクも考えて対処したいものです。会社、家族、そしてご自身の将来に備えて万全な準備をしておきましょう。


【監修者】
大庭真一郎
中小企業診断士
社会保険労務士


AXA-A1-2002-0230/A6D

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