新規事業は戦略フレームワークで考えてみよう!

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近年、各種報道などで取り上げられている通り、日本国内の市場環境は非常に厳しい状況が続いています。少子化と高齢化に伴う人口減少、個人法人を問わない需要の多様化、グローバル化による国際競争の激化の影響などが要因と言われていますが、これに加え、AIやロボティクスに代表される技術革新と製品ライフサイクルの短縮なども影響していると考えられるでしょう。これらの変化のあおりを受けて、残念ながら淘汰されてしまう製品やサービスも存在します。

では、こうした状況でも企業が成長を続けていくためにはどのような道があるでしょうか?

ひとつには、既存の事業にこだわらず、時代の変化に対応し、積極的に新たな事業展開に取り組むことが挙げられます。もちろん、実際に取り組むとなるとなかなか難しいことではありますが、2017年版中小企業白書によると、「新事業展開を実施している企業は、実施していない企業と比べて、経常利益率が増加傾向にある」とのこと。私たちはこのことに、否が応でも注目する必要がありそうです。

そこで、今回は事業展開の代表的な戦略について解説していきます。どのような戦略を採ることで成功の見込みが高くなるのか…。ご自身が新事業に乗り出すとなったら、と想像しながら、ぜひ考えてみてください。

事業展開の5つの戦略とは?役立つ基本フレームワークで考えてみよう

事業展開の戦略と聞くと仰々しく感じるかもしれませんが、実は考える枠組み(=フレームワーク)が明らかになっています。このフレームワークを使うと、スムーズに考えが整理され、答えを導き出しやすいとされており、業務改善や問題解決などの際に活用されています。
では、どうやればいいのか?実際に「問題」を解決しながら確認していきましょう。

さっそくですが、以下の問題を考えてみてください。

【問題】
あなたは乳幼児用の知育玩具を製造・販売する企業の社長です。主力商品は動物を模したスポンジ製の玩具。現在のままではシェアを高めることは難しいと判断し、新規事業に乗り出すことを検討中です。あなたならどのような事業展開を考えますか?

では、フレームワークを使って問題解決にチャレンジしてみましょう。
ここで基本フレームワークとして紹介したいのが、「アンゾフの成長マトリクス」です。2017年版 中小企業白書でもこのフレームワークに基づいた5つの戦略が挙げられています。

出典:2017年版 中小企業白書


上図のうち、①市場浸透戦略は、現在の市場、製品を変えずにマーケットシェアを高めていくものです。しかし、そもそもそれでは事態の打開が難しいからこそ、新たな展開を検討する場合が多いはず。そこで、今回は、主に②新市場開拓戦略、③新製品開発戦略、④多角化戦略を取り上げて考えていきます。


新市場開拓戦略 -今までの商品で、新しいフィールドへ!
先ほどの問題に対し、既存の製品・サービスで新たな市場に出る戦略を採るとしましょう。そうした場合、新たなフィールドをどう設定するかによって色々な選択肢が考えられそうです。
たとえば、カー用品市場に進出して「飾ってかわいい、洗車にもぴったりなアイテム」として販売する、あるいは、花器用品市場に進出して「フラワーアレンジメント上達用キット」として販売する、ということも考えられるかもしれませんね。
では、解答例はどんなものだったでしょうか?見てみましょう。

【解答例】
1.お風呂用品市場へ進出し、乳幼児が遊びながら体も洗えるスポンジとして販売する。
2.医療・ヘルスケア市場で、リハビリ用具や脳トレツールとして販売する。

2017年版 中小企業白書によると、この戦略を採って成功するポイントとして、新しいフィールドでも「知名度・信用力が活かされる」点を挙げる企業が多いようです。一方、課題には「市場ニーズの把握や情報発信の不十分さ」、「強みの活用の見極めの難しさ」といったことが挙げられています。

その成功ポイントと課題を踏まえると、いきなりまったく土地勘のない市場に参入するよりまずは既存市場と近いところを狙うこと。そして、既存の取引先や人脈を通じて消費者のニーズや流行などの情報が入りやすく、そうした関係先を通じて情報発信もしやすい市場を狙うことが有効と言えそうです。


新製品開発戦略 -新たな製品やサービスで勝負!
「これから新規市場に打って出るのはリスクが高い」と感じるなら、市場は変えずに新たな製品・サービスを展開する戦略を採ってみるのはどうでしょうか?
先ほどの問題で言うなら、従来からの幼児向け玩具市場において新たな製品を販売していくことになります。

この方法なら、市場についても消費者のニーズについても十分把握していて、情報収集や発信もしやすい環境が整っている場合が多いはず。あとは少しのアイデアがあれば、取り組みやすいように感じます。では、解答例はというと…?

【解答例】
1.ボールやサイコロを模したスポンジ製玩具にして、投げたり転がしたりして遊べるようにする
⇒遊び方を見直して消費者に提案する
2.自然の温もりを感じさせる木製玩具や、安価な紙の玩具を開発して売り出す
⇒素材を見直して消費者に選択肢を提案する

新製品開発戦略を採る際、何が成功のポイントになるでしょうか?

多くの企業は、新市場開拓戦略と同様に「知名度・信用力が活かされる」ことのほか、「必要な認可等を取得している」という点を挙げているようです。一方、「市場ニーズの把握や情報発信の不十分さ」のほか「必要な技術・ノウハウの習得の難しさ」が大きな課題として考えられています。
よく知った市場だからと楽観視せず、ハード・ソフトの両面で計画的に準備を進めることがより重要と言えるでしょう。


多角化戦略 -新しい武器で、新市場を開拓!
従来の事業は維持しながら、新しい製品・サービス新市場に進出する戦略は華々しいイメージがあるかもしれません。しかし、新たな取り組みは新分野での事業となるため、やはりその分リスクは高くなります。

では、前述の問題に対して、「柔らかい素材の生産能力を活かして対応する」という解答例から考えを拡げてみましょう。

【解答例】
1.工事・建設用に保護材として販売する
2.食器洗い用や掃除用スポンジとして販売する
3.梱包用に詰める緩衝材として販売する
4.スケートやスケボー、格闘技の防護(プロテクター)として販売する

解答例のように新商品を投入するとなると、商品開発の手間やコストがかかることは避けられません。しかし、例えば、既存商品の製作で余ったスポンジの切れ端を再利用するなどの工夫をすれば、あまりコストをかけずに販売までこぎつけ、収益につなげることができるかもしれません。このように、今まで培った有形・無形の資産を有効活用したり、シナジーをうまく活かすことが、リスクを抑えつつ、成功の可能性を高めるポイントです。


多角化については、以下の記事でも取り上げていますので、ぜひ参考にしてみてください。

新しいビジネスの芽を育て、事業の多角化で成長を続ける、有名企業や老舗企業の意外な「業種転換」

新事業展開-実際どの戦略が選ばれている?

2017年版 中小企業白書によると、中小企業が新事業を展開するにあたって採られる戦略は、新製品開発戦略が最も高く、次いで新市場開拓戦略となっています。
確かに、新規事業戦略と聞けばこの2つを思い浮かべる経営者が多いのではないでしょうか。現行市場でシェアを高めることが難しく、そうかと言って一足飛びに多角化もハードルが高いとなると、この2つの戦略に優先して取り組むのは自然の流れかもしれません。

また、「2017年版 中小企業白書では、市場の縮小や競争激化といった外部的要因から新事業展開の検討を始めるよりも、新たな収益源の確保という自発的要因で検討する方が成功する傾向にあるとされています。
つまり、外部からのプレッシャーを受けてやむなく取り組む消極的な姿勢ではなく、自発的、積極的に新規事業展開を進めることが成功のカギと言えそうです。

他方、いずれの取り組みにおいても人材不足という課題が深刻だと指摘されています。採用難の時代、人材不足を乗り越えるにはITのチカラを上手に活用することも視野に入れる必要があるはず。中小企業のIT化については「経営者が押さえておくべきIT化のポイントとは?(前編)」の記事で取り上げていますので、ぜひ合わせてご覧ください。

多くの経営者が関心を持つ新規事業分野は?

最後に、経営者の関心を集めている新事業分野を見てみましょう。2017年版 中小企業白書によると、すでに展開している分野としては、「環境・エネルギー」や「医療機器・ヘルスケア」「観光」の順に多く、今後の関心も高い傾向にあるようです。他方、今後関心のある分野として「農業」「AI、ロボット」「自動運転」といった分野にも注目が集まっています。

どれも最近のニュースで話題になる分野ばかりで、今後ますます注目が集まることは間違いありません。
そうした分野が挙げられていることからは、「経営者たるもの、世の中の流れを敏感にキャッチして、事業に活かそう」という気概や高い意識がうかがえます。

なお、有望な分野の見きわめにあたって経営者たちは、新事業展開の戦略の違いにかかわらず、「既存事業の技術・ノウハウが活かされる」という点や、「市場規模が大きい・成長性が見込まれる」といった点を重視する傾向にあるようです。
一方、中には“逆張り”としてニッチな市場をあえて狙い、成功する例もあります。
いずれにしても、自社の「強み」を活かし、市場の「機会」をうまくとらえることが、やはり普遍的な経営の主眼であると言えるでしょう。

新事業を実際に展開するかどうかはさておき、将来を見据えてどのような事業展開の可能性があるか、社内で議論してみる機会は大変有意義なもの。
思わぬアイデアが花開いたり、今まで気付いていなかった新たな課題を見つけられるかもしれませんよ!

監修:
アクサ生命 デジタル&カスタマーエクスペリエンス部 デジタルマーケティング課
オンライン・プレゼンス・マネージャー 保栖 文博
(中小企業診断士、第一種・第二種情報処理技術者、AFP)

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