中小企業の気候変動対策~SDGsゴール13を達成するためにできることは?~

#会社経営 #今できること

ESGやSDGsは中小企業のビジネスにも影響大!その理由と2030年に向けた注目点とは?」で紹介して以降も、経済ニュースを中心に連日取り上げられている「SDGs」と「ESG(ESG投資)」。2030年までに社会全体で達成したい17のゴールを示したSDGsと、企業価値を測る新たな指標としてのESG、その取り組み度合いによって投資先を判断するESG投資は、ますます盛り上がりを見せています。今後、これらがビジネスにおける新たな軸になることは確実だと言えるでしょう。

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しかし、中小企業やその経営者のなかには「大企業が取り組んでいることであって、自社のビジネスには関係ない」と感じているふしがまだありそうです。実際に、平成30年12月に関東経済産業局と一般財団法人日本立地センターが行なった「中小企業のSDGs認知度・実態等調査結果」によると、「SDGsについて全く知らない」と回答した企業は84.2%(=中小企業のSDGs認知度15.8%)。「自社には関係ない」あるいは「優先度は下がる」と回答した企業の割合は約43.9%だった、とあります。

一方で、海外投資家や国内外の大企業はSDGsの17のゴールのうち「どれに焦点を当て、どのようなアクションを起こすか」という一歩踏み出した議論を進めています。なかでも、海外ではゴール13の「気候変動に具体的な対策を」への関心が高く、これにコミットしようとさまざまな取り組みが進み始めているようです。

では、日本の中小企業はどのように気候変動という途方もなく大きなテーマに向き合えばいいのでしょうか?考えてみましょう。

中小企業が受けるSDGs・ESGの影響~大企業のリスクマネジメントと新しいビジネス機会の創出~

多くの中小企業は、大企業の複雑で重層的なサプライチェーン(製品の原材料やプログラムなどが作られてから消費者に届くまでの一連の流れ)のなかに組み込まれていると考えられます。そのため、まずは「大企業はSDGsやESGによってどのような変化を社会的に求められていると認識しているか」について、探ってみるのもひとつの手だと言えるでしょう。

おもに、大企業のSDGsへの取り組みの根底には「ビジネスリスクをマネジメントする」という発想と「ビジネスの機会創出を行なう」という考え方の2つが同居した状態になっていると言えます。これを、十数年前の米国アパレルブランドなどで起こった事柄の顛末から紐解いてみましょう。

ファストファッションが勢いを増し価格競争が過激化していた当時、各社が安価な原材料の調達や製造にしのぎを削った結果、そのしわ寄せが新興国を中心にした国々での児童労働や労働搾取、違法で劣悪な移民労働者や外国人労働者問題の深刻化という事態を招く結果となっていました。

しかし、この劣悪な労働環境や人権侵害がNPOなどによって明るみにされるやいなや、世界的にブランドへのバッシングや不買運動が起こることに。企業側は大幅な売り上げの減少やブランド毀損といった中長期的な影響を受けることになりました。

これを受け、企業は、まずリスク対策として、徹底的なサプライチェーンの管理・監督、調達先選定の厳格化と定期的な確認(デューデリジェンスとスクリーニング)、サプライヤーに自社のガバナンスルールへの協力要請等を行ない、同時に、安定的かつ持続可能な調達のための環境整備や自社製品の回収・リユース・メンテナンス等の新しいビジネスの機会を創出するようになっていきました。

こうした製造業における調達の見直しは今でもSDGsを語る上での重要なテーマとなっています。例えば、海洋プラスチック問題のきっかけになったウミガメの鼻にストローが刺さっている、という衝撃的なニュースをきっかけに、大手カフェチェーン店などが相次いで「脱ストロー」や「脱プラスチック」に取り組み始めましたが、現在ではそれがより広く「脱プラスチックバッグ(ビニール袋)」という活動に広がっています。

それだけでなく、今度はプラスチックの代替品として、自然界で微生物によって分解される生分解性の素材の開発やその利用、という動きにも繋がりつつあります。

このほか、「二酸化炭素排出量の多い製品は世間的な不評を買うことになり、不買やブランド毀損につながるのでこれを見直す。さらに、技術向上によって二酸化炭素排出量を毎年●%削減するよう投資し、将来的にゼロに近づくよう努力する。これに賛同してもらえる顧客と持続的な関係構築を目指す」といった方向性を打ち出す企業も出てきました。

このように、SDGsへの取り組みは、「自社の事業のなかで最も社会に影響を与える点」を洗い出し、責任を持ってその影響をゼロにするよう努力し、影響を無くすという困難を逆手にとってクリエイティブな発想でビジネスの機会創出を行ない、顧客と末長い関係性を構築するよう努めることに尽きる、と言えます。

なお、各企業のSDGsへの取り組みの内容は、「統合報告書」や「CSR(CR)レポート」といった形で示されているものです。親会社や関連会社がどんなゴールを設定していて、いつまでにどのようなアクションをしていこうと計画しているか確認するためにも、一度目を通して見るといいかもしれません。

参考
アクサ生命の「CR経営

また、ここまでの内容で分かる通り、いくら大企業であっても、単独でSDGsの目標を達成することは不可能です。そのため、多くの企業が「サプライチェーン全体で達成する」と記しており、関連する企業にも達成のための変化を求めています。その際、改善のための助言や介入を行なうことや達成へのハードルになりそうな課題が解決できない場合には取引の解消も辞さない、と宣言する企業も少なくありません。だからこそ、中小企業も「SDGsは他人事(大企業ごと)ではない」というわけです。

「気候変動に具体的な対策を」は資金調達を左右する

次に、海外ではなぜゴール13の「気候変動に具体的な対策を」に注目が集まっているのか、少しおさらいしておきましょう。

このところ、世界的な暖冬や大規模森林火災、広範囲にわたる豪雨や台風など、立て続けに自然環境の異変が感じられる出来事が増えています。多くの専門家らが、これは気候変動の結果であるとの見方を示しており、EUを中心に「気候変動対策は喫緊の課題であり、解決は急務だ」と警告しています。

そうしたこともあり、ゴール13の「気候変動に具体的な対策を」が注目され、特に二酸化炭素排出をゼロにしようという「脱炭素(ゼロエミッション)」への関心が急速に高まっている、というわけです。

その影響から、以前は投資先として確固たる地位を築いていた石油会社をはじめとする石炭や石油、火力発電といった化石燃料・エネルギーに関連する業界や企業への風当たりは強くなる一方で、投資の縮小や撤回(ダイベストメント:インベストメント(投資)の反対語)まで起きています。

この象徴的な変化の様子を見て、他の業界や企業では、社会からの要求だけでなく株主からの強い“圧力”によって、生産時や輸送時の温暖化効果ガス排出量の削減に尽力しているところです。

例えば、ECの最大手アマゾンは「2040年までに炭素排出量をゼロにする」と宣言し、電気自動車への移行を進めていますし、マイクロソフトは2030年までに「カーボンネガティブ(排出するよりも多くのCO2を除去する)」を実現し、2025年までに同社のデータセンターや他の施設で使用するすべての電力を再生可能エネルギーにする、との方針を打ち出しています。

ビジネスで直接的に温暖化効果ガスの排出をしない産業も無関係ではありません。アクサ生命をはじめとするアクサグループも、2019年11月末、自社の投資により影響を受ける地球温暖化係数を2050年までに1.5°C以下に抑えることを目標とすると宣言。加えてグループ全体で環境に配慮したグリーン投資の目標値を倍に増やし、2023年までに240憶ユーロの達成を目指すと発表しました。

こうした動きは海外では特に活発ですが、近いうちに日本企業にとっても対岸の出来事とは言えなくなることでしょう。

気候変動対策は中小企業でも取り組める

ひるがえって、日本の中小企業のSDGsへの取り組みについて、見てみましょう。冒頭で示した調査によると、「自社が直接的・主体的に貢献(行動)できると考えるSDGsのゴール」で最も多く回答があったSDGsゴールは「ゴール8 働きがいも経済成長も」(13.4%)、次いで「ゴール3 全ての人に健康と福祉を」(9.6%)、「ゴール1 貧困をなくそう」(8.4%)が多く、「自社が間接的・補助的に貢献(行動)できると考えるSDGsのゴール」で最も多く回答があったSDGsゴールは「ゴール11 住み続けられるまちづくりを」(9.6%)、次いで「ゴール3 全ての人に健康と福祉を」(8.4%)、「ゴール16 平和と公正を全ての人に」(7.4%)が挙げられていました。

(出典:関東経済産業局・一般財団法人日本立地センター「中小企業のSDGs認知度・実態等調査結果」より)

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これを見る限り、中小企業の経営者は「自社では直接・間接的に気候変動への具体的な対策は難しい」と考えていると見て取れます。

しかし、例えば、製造業の場合は製品の小型化や軽量化によって輸送時の荷物積載量を増やして結果的に利用するトラックの台数を減らしたり、荷重をより軽くすることでトラックの負荷を減らし、全体として排ガスの総量を減らす、といった工夫ができるかもしれません。また、製品の廃棄に際し、燃やすのではなく生分解できるように革新させたり、必要な火力が抑制できるような改良ができれば、これも小さいながらも貢献の第一歩になるかもしれません。

また、工場で利用する電力について、太陽光やバイオマスなどの電力を活用したり、そうした電力を扱う新電力と契約することで「グリーン認証」を得ることも、気候変動対策への具体的なアクションになりうるでしょう。同時に、域内のエネルギー利用の最適化を実現するFEMS(ファクトリーエネルギーマネジメントシステム(Factory Energy management System))やビル内のエネルギー利用の最適化を目指すBEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム(Building Energy management System))を導入することも、検討の余地があります。

大企業と一緒にSDGsを達成する、という視点も

中小企業にとって、SDGsに関心を持って対応することは、新たな技術開発などを行なうことと同義になる可能性が高く、自社の新たな強みを生み出したりビジネスチャンスを拓くことにつながる可能性もあるでしょう。他方、自社だけでは完結しない面も挙げられます。大企業との調整や同じサプライチェーン上にいる中小企業同士が連携して取り組む必要があるものも出てくるかもしれません。

しかし、その「一緒に取り組む」ということこそが実は最も簡単に始められるSDGs対応と言えます。それというのも、SDGsゴール17は「パートナーシップで目標を達成しよう」だからです。

パートナーシップを強めることができれば、「自社だけでは難しい」「自分たちでは手に負えない」と感じていたことも、打開策が見出せることでしょう。まずは一歩踏み出すことから始めてみませんか?

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