社長さん白書2019から読む、中小企業生き残り戦略 ~就業不能リスクを踏まえた事業継続計画(BCP)を~

#会社経営 #今できること #事業承継

激動の平成時代。その30年のうちには、バブル崩壊や東西冷戦の終結と世界情勢の不安定化、就職氷河期やグローバル化、アメリカ同時多発テロやリーマンショックに端を発する世界金融危機、阪神淡路大震災や東日本大震災など、実にさまざまな出来事がありました。

これら国内外で起こる変化は、中小企業の経営にとっても大きな影響を及ぼします。ここでは、アクサ生命が2019年5月~8月に全都道府県の中小企業経営者6,622人に対面式で行なったアンケートをもとにまとめた「社長さん白書」から、平成時代の中小企業経営の歩みと、令和時代に経営者が行なうべき事業継続計画(BCP)対応について見ていきましょう。

「社長さん白書」で見えた、平成時代に会社経営のなかで最も印象に残ったこと

まずは、平成時代を振り返ってみましょう。中小企業の経営者たちにとって、過去30年のなかで最も印象に残った出来事はなんだったのでしょうか?

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この結果を見ると、国内外にさまざまな出来事はあったものの、経営者にとっては、「会社設立・法人化・拡大・移転(16.6%)」といった“自分ごと”の方が最も印象深かったと分かります。フリーアンサーでも、「自身の会社を立ち上げて、これからという気持ちになり気が引き締まった」「業績悪化の状況での社長就任でしたが、従業員たちの意識改革を行ない会社を立て直した」「創業の難しさ。しかし、創業より継続していくことはもっと難しく、やりがいがあると感じている」といったコメントが寄せられました。こうした意見に共感する経営者は多いことでしょう。

他方、やはり外部環境による影響についてのコメントも多く寄せられました。「起業から順調に業績を伸ばせた時代ではあるが、リーマンショックはブレーキとなった」や「東日本大震災。長年築き上げて来た物が一瞬で無くなる事の怖さ」「バブル期から、31年間で顧客のニーズが変わるスピードが早い!」といった意見は、深くうなずきたくなるものばかりです。加えて、いずれの要因も今後、「また起きるかもしれない」と、想定できる事柄です。中小企業の経営者にとって、内部・外部の環境変化にしなやかに適応することは、経営の根幹であると言えそうです。

「大承継時代」の到来! 経営者たちは勇退後のビジョンを思い描く時期に

起業から今日までの日々は、経営者のみなさんにとって、苦労や驚き、喜びの連続だったことでしょう。あっという間に駆け抜けたという思いだ、というひとも多いはずです。そして、そんな長い旅路も「そろそろ最終盤だ」と、どこかで感じているひともいらっしゃるのではないでしょうか?

中小企業庁のデータによると、平成元年(1989年)から1992年にかけて起業したひとの平均年齢は、男性が44.1歳から43.5歳。女性は、38.8歳から37.4歳とのこと。平成元年に起業された経営者は、いまでは70歳前後、というところでしょう。すでに、あるいはそろそろ「勇退後の時間をどう過ごすか」をイメージされているかもしれません。

《参考》2017年版「小規模企業白書」第2部 小規模事業者のライフサイクル 第1章 起業・創業/中小企業庁

前出の「社長さん白書」によると、経営者たちは、勇退後、次のような過ごし方をしたいと考えているようです。

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また、同時に経営者の奥さまたちにも同じ質問をしたところ、次のような意見が。

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では、みなさんはどのように過ごされたいでしょうか?ぜひ、ご夫婦やご家族で、お互いの夢や理想を話し合い、「それ、やってみよう!」と思うものについては、具体的なプランニングをしてみませんか?

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ただし、経営者のみなさんには事業の集大成とも呼べる「事業承継」というイベントが残っています。ここまで大切に育てた事業を次の世代に託す、というのは、創業者にとって複雑な思いを伴うかもしれません。そうしたこともあってなのか、まだ事業承継について具体的なアクションを起こしていない、という事業所もあるようです。

同「社長さん白書」では、「バトンタッチ(事業承継)の時期を決めていますか?決めている場合はその時期、決めていない場合はその理由も選択ください」と質問してみました。すると、次のような結果が…。

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決めている(50.1%)と決めていない(49.9%)は拮抗しているものの、いずれの場合もバトンタッチの明確なタイミングが決めきれていない状態であるということが分かりました。

経営者のなかには、「いちから育ててきた会社。愛着も誇りもあるから、できる限り次世代の社長候補を吟味してしっかりとバトンを渡したい」という強い意志をお持ちのひともおられるでしょう。しかし、あまりに時間をかけすぎると、別の問題が生じてしまうおそれもあります。

この秋、4都市で開催され、アクサ生命も特別協賛した企業支援シンポジウム「中小企業と認知症」では、経営者が事業承継に時間をかけることで起きうる問題として、大きく次の2点が指摘されました。

  1. 経営者自身の健康リスクが高まることで、望ましい事業承継ができないおそれがある。場合によっては、廃業に追い込まれるリスクも生じる。
  2. 事業承継ができたとしても、後継の経営者に引き継ぎの時間が充分に取れず、困難な船出になってしまうことが懸念される。

この2つの問題への対処法として検討したいのが、事業継続計画(BCP)対応です。以前よりその重要性が指摘されてきた取り組みなので、「気になっている」「取り組もうとしている」と、関心を寄せている経営者は多いことでしょう。

BCP対応をしつつ、事業承継の準備をしませんか?

特に、中小企業の場合、経営者が筆頭株主であるケースが多いため、就業不能等に陥った場合、事業全体に多大なリスクが及ぶと考えられます。経営者自身も、「自身が就業不能になった場合、何らかの影響がある」と強く認識しているようです。

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では、経営者が就業不能になった場合に備えて、何か対策は講じられているのでしょうか?この点をたずねたところ、下のグラフのように、経営者の52.4%がリスク対応を行なっていることが分かりました。

その内容は、「入院給付金が支払われる保険で資金繰りや損失補填対策をしている(27.2%)」や「がんや3大疾病などで一時金が支払われる保険で資金繰りや損失補填対策をしている(22.7%)」「就業不能時に支払われる保険で資金繰りや損失補填対策をしている(20.9%)」といったもので、講じられている対策の多くは保険による資金繰りや損失補填の対策に集中しています。

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しかし、実はそれ以外にも懸念点は挙げられます。たとえば、経営者が認知症になると、株主総会などにおける議決権行使ができず、事業がストップしてしまうなどの問題が発生するおそれがあります。特に、中小企業の場合は、先程も述べた通り、過半数以上あるいは100%の株式を経営者自身が保有していることも少なくないので、本人が高齢になるにつれてこのようなリスクが高まっていくのではないかと危惧されています。

このような問題を“想定すべきリスク”と捉えてBCP対策するなら、たとえば、事業の内容や仕事の進め方、重要書類の整理と場所の共有などを信頼できる身内や社員に情報共有したり、後継者候補が決まっていればある程度の議決権を移しておくといったことが挙げられるでしょう。これによって、当面の危機的状況は回避できる可能性が高まるはずです。

また、これを機に、「後継者を育成する」「第三者に譲渡する」「事業をたたむ」といった事業承継プランの検討に本格的に着手することも考えたいところです。

経営者の長寿化によって想定される新たなリスクに目を向けよう

BCP対応はこれまで、資金繰りや自然災害への対策に重点が置かれてきました。しかし、平均寿命が延伸した「人生100年時代」においては、経営者としての“寿命”も伸びると考えられ、これまで想定されてこなかった”経営者の長寿化によって潜在的に生じるリスク”も考えざるをえなくなってきました。社会の公器たる企業を舵取る経営者は、冷静にこの新しいリスクにも目を向けてみる必要がありそうです。

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アクサ生命による『社長さん白書』は、2004年より全国の中小企業経営者の皆さまに対面で実施している意識調査で、2019年で8回を数えます。

今回は、「経営者の未来づくり」をテーマとし、「平成時代を振り返った感想」、「事業承継」、「就業不能リスク、介護・認知症の意識について」、「ご自身の未来づくり」、「健康経営の取り組み」(※)について質問しました。調査結果からは、「平成」における最も印象に残った出来事の上位に「事業承継・後継者問題」が挙がり、事業承継の経験のある経営者のうち、40.6%が事業承継の契機が先代の死亡による「相続」や「就業不能」など予期せぬタイミングであったと分かりました。また、80%以上の経営者が「勇退」を前提に考えている一方で、49.4%の経営者は事業承継の方針や時期は「決めていない」と答えるなど、大継承時代を前に、まだ解決すべきことがあると感じさせる結果も見られました。また、今回は、経営者の配偶者を対象に、「社長の奥さま白書2019」と題したデジタルアンケートも併せて実施しました(調査期間:「社長さん白書」2019年5月~8月、「社長の奥さま白書」2019年5月~7月)。

※「健康経営」は特定非営利法人 健康経営研究会の登録商標です。

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