がん保険と医療保険の違いは?
選ぶときに重要な特徴と注意点を解説
選ぶときに重要な特徴と注意点を解説
公開日:2024/07/10


がん保険と医療保険はそれぞれ別の商品であることを知っていても、具体的な違いがよくわからない人が多いかもしれません。
双方の保障対象や保障内容は大きく異なるため、違いを理解せずに契約すると、病気やケガになったときに想定通りの保障が受けられない可能性があります。
ここでは、がん保険と医療保険の違いについて解説します。がん保険や医療保険を選ぶときに重要な特徴も解説するので、保険加入前に一度確認してみましょう。
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がん保険と医療保険の特徴
がん保険と医療保険は、保障対象や保障内容など異なる特徴があります。
がん保険とは
がん保険とは、がんの保障に特化し た保険です。がんによる入院・手術があった場合、がんと診断された場合などに給付金が受け取れます。
医療保険でもがんによる入院や手術などで給付金を受け取れる商品がありますが、がん保険のほうが保障が手厚い特徴があります。
医療保険とは
医療保険とは、病気・ケガ全般の保障をする保険です。医療保険には、国民全員が加入する公的医療保険(国民皆保険制度)と、任意で加入する民間の医療保険の2種類があります。
民間の医療保険は、公的医療保険ではカバーしきれない医療費などを保障する役割を果たします。本記事では、この民間の医療保険とがん保険を中心に解説します。
がん保険と医療保険の違い
がん保険と医療保険の違いを4つ紹介します。
<がん保険と医療保険の違い>
項目 | がん保険 | 医療保険 |
保障対象 | がんに特化 | 病気やケガ全般 |
保障内容 | がんによる入院・手術など | 病気やケガによる入院・手術など |
免責期間 | 契約日から90日間など | 原 則なし |
支払限度日数 | なし | あり |
※免責期間や支払限度日数は保険会社により異なります
保障対象
がん保険は保障対象をがんに限定していますが、医療保険は病気やケガ全般を保障します。保障対象は医療保険のほうが幅広いです。毎月払える保険料が限られる人は、医療保険に絞って検討してみるとよいでしょう。
保障内容
がん保険の保障内容は、がんと診断確定されたときの一時金やがん入院・手術給付金、がんで先進医療を受けた 場合の先進医療給付金などです。
一方で医療保険は、入院治療一時金や疾病・災害入院給付金、先進医療給付金など、がん以外も含む病気やケガに関する入院や手術に対して保障されます。
免責期間
がん保険は、契約日から90日間の免責期間を定めているものが一般的です。保険会社によっては免責期間がなかったり、特約のみ免責期間が設けられていたりします。
一方で医療保険は、免責期間のないものが多いです。
支払限度日数
がん保険は、入院給付金に支払限度日数を設けていないものが一般的です。一方で医療保険は、1回の入院ごとに60日程度、通算1,000~1,100日程度の上限が設けられています。
がん保険と医療保険で備えるリ スクと注意点


がん保険と医療保険では、備えられるリスクや加入時の注意点が異なります。保険加入前に確認することで、病気やケガになったときの医療費などをカバーできます。
リスクを大きく見積もりすぎて必要以上の保険料を払うことも防げるので、事前に確認しておきましょう。
医療保険で備えるリスク
医療保険は、公的医療保険ではカバーしきれない入院・手術費用、先進医療や通院費用に備えられます。休職で収入が減る可能性もあるので、一時金や給付金を受け取ることで生活の助けにもなるでしょう。
■医療保険の注意点
会社員や公務員は勤務先の公的医療保険(健康保険)が充実し ており、手厚すぎる医療保険は要らない可能性があります。例えば会社の健康保険では、休職時に給料の約3分の2の傷病手当金が最長1年半受け取れます。
傷病手当金のない個人事業主なら、ある程度病気やケガのリスクを考慮する必要はありますが、会社員や公務員の場合は最低限の保障内容で十分な可能性があります。
がん保険で備えるリスク
厚生労働省の「2020年(令和2年)患者調査の概況」によると、がんの入院日数は平均18.2日と、比較的短いものの、投薬治療などが数年程度続くことが多いです。診察に必要な通院費がかさむ可能性もあります。特に女性の乳がんは30代から増えるので、比較的若い世代でも備える必要があります。
参考:厚生労働省「2020年(令和2年)患者調査の概況」
■がん保険の注意点
がん保険は、原則がんになった場合にしか保障が受けられません。ほかの病気やケガのときは保障がないので、医療保険とがん保険のどちらか片方しか入れない場合は、医療保険を優先させたほうがいいでしょう。
がん保険と医療保険の違いを理解して適切な保険を選ぼう
がん保険と医療保険は、保障対象や保障内容が大きく異なります。勤務先によっては健康保険を含む福利厚生が充実している場合があり、最低限の保障内容で十分なこともあります。
どれくらいの保障が必要なのかは個人差があるため、がん保険と医療保険の違いを理解して適切な保険を選びましょう。
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■記事の監修者


名前:石野恆正(いしのつねまさ)
保有資格:トータル・ライフ・コンサルタント
生命保険会社の営業として、多くの家庭のライフプランの作成や保険の見直しサポート、新規提案などを経験。現在は独立し、生命保険、医療保険、社会保障制度を始めとする豊富な知識に加え、自身の資産運用の経験を活かしながら、金融関連記事の執筆や監修などを行っている。
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