変額保険はどんな人に向いている?
やめたほうがいいといわれる理由もわかりやすく解説
公開日:2025/10/15


変額保険には保険と資産運用の 2 つの機能がありますが、2 つの機能を併せ持つ分、メリットを感じる人がいる反面、その複雑さから「やめたほうがいい」といわれることもあります。変額保険に向く人、向かない人の特徴をお伝えします。
変額保険の特徴
変額保険は、保障機能と、資産運用機能の両方を兼ね備えた保険商品です。変額保険では保険料の一部を特別勘定に入れて株式や債券などで運用し、その運用成果によって死亡保険金額や解約時払いもどし金などが増減するところに特徴があります。
あらかじめ将来の受取額が決まっている「定額保険」と比べて、資産運用機能を備えた変額保険では、将来受け取る資産が増える可能性があります。また、変額保険の死亡保険金や高度障害保険金には最低保証があるため、たとえ資産運用が思わしくなくても、死亡時や高度障害になった場合に受け取れる保険金の金額が基本保険金額を下回ることはありません。
「保険による安心」と「資産運用」の 2 つの特性を持つ変額保険は、定額保険に比べると仕組みがやや複雑ですから、仕組みをよく理解してから選択しましょう。
変額保険が向いている人
変額保険は、経済的な余裕がある人や、保障に加えて長期的な資産運用を望む人に向いています。ただし、あくまで死亡時や高度障害状態になった場合の保障が主な目的であるため、変額保険に向いている人は保障の必要性があることが前提となります。
保障だけでなく資産運用も考えたい人
保障に加えて、長期的な資産運用を希望する人には、変額保険が向いています。変額保険では、支払った保険料の一部が投資信託を通じて運用される「特別勘定」に充てられており、その運用実績によって満期保険金額や解約時払いもどし金が増減します。
また、運用が好調であれば、基本保険金額を上回る死亡保険金や高度障害保険金を受け取れる場合もあります。
ただし、変額保険には早期解約や資産運用によって元本割れとなるリスクがあるため、ご自身のリスク許容度を理解した上で加入することが大切です。運用実績次第では、安定した資産形成も可能となるでしょう。
経済的な余裕があり、長期的な目線で資産運用を考えている人
変額保険では、契約内容によって異なりますが、月数千円から数万円程度の保険料を契約時に定めた期間にわたって支払います。そのため、毎月一定額の貯蓄ができている人や、経済的な余裕がある人に向いているでしょう。
また、これから長期的な資産形成を検討している人や、単に貯蓄するだけではなく資産を増やす可能性にも期待したい人にとって、変額保険は選択肢のひとつとなります。
運用にかかる手間を最小限に抑えたい人
資産運用を始めたいものの、個別具体的な運用商品を比較検討するほど時間がないという人にとっては、運用にかかる手間を抑えられる変額保険の活用にはメリットがあるでしょう。
変額保険には、投資先を組み合わせた「特別勘定」が複数用意されています。契約者は自身のリスク許容度に応じて、適切な特別勘定を選択する仕組みとなっています。変額保険の場合、運用の選択肢が投資信託ほどには多くないため、何を選んでいいかわからないという人に向いているといえるでしょう。
変額保険に向いていない人
保障と資産運用の2つの機能を併せ持つ変額保険にはメリットもありますが、全ての人に向いているわけではありません。変額保険の利用があまり向かない人の特徴についてお伝えします。
元本割れのリスクを許容できない人
変額保険では、死亡保険金や解約時払いもどし金の受取額が運用成果によって変動します。
長い時間をかけた資産運用と割り切って、値動きがあっても次の値上がりを待ってゆったりと構えていられる人には変額保険が向いていますが、資産が少しでも目減りするのが耐えられない人、一時的な値下がりでも心配になってしまう人、元本割れが許せないという人には、変額保険は向いていない可能性があります。とにかく元本保証が欲しいという人には、給付金や保険金の金額が契約時に決まっている定額保険のほうが向いている可能性があります。