人生100年時代の止まらない「空き家問題」を考える

#人生100年 #お金 #今できること #老後

人生100年時代を迎える中、「あなたが100歳になるまでに日本で起こること」の記事では、日本の社会課題となる少子高齢化や人口減少ついて取り上げました。こうした中、もう一つ大きな課題として浮かび上がってきたのが増え続ける「空き家問題」です。総務省の「平成25年住宅・土地統計調査」から表面化したこの問題、最新の調査データでは、すべての住宅のうち空き家の割合は13.6%となり、問題がひろがる様相をみせています。持ち家に住む人もこれからマイホームを買う人も、人生100年時代に起こる「空き家問題」をいかに自分ゴトとしてとらえ、住まいの今後をしっかり考えておくことが大切です。自治体や民間に広がる取り組みや支援策も交え、この問題について考えていきます。

過去10年で空き家は約90万戸増!他人事ではない「空き家問題」の現状

出典:空き家数及び空き家率の推移(総務省:平成30年住宅・土地統計調査)

住まいとしての役割を終え、忘れられてしまったかのようにそのまま放置されてしまう空き家。この空き家がいま急速に増加し、大きな社会問題になっています。

総務省が発表した最新の『住宅・土地統計調査』によれば、全国の空き家数は過去10年で89万戸増え、846万戸、空き家の割合も13.6%と過去最高の水準に到達しています。

さらに「このままだとよりハイペースで空き家が増える」と危惧する声もあります。野村総合研究所が2018年6月に発表したレポートによると、2033年には国内の空き家数は1,955万戸、空き家率も現在の2倍の27.5%になると予測しています。一般住宅の4戸に1戸が空き家となれば、自宅の両隣とお向かいのうち最低1軒は空き家、近隣の住宅街も空き家だらけという状況が現実のものとなるかもしれないのです。

この問題には、少子高齢化と人口減少という日本が直面する課題が大きく関係していると考えられます。
すでに総人口がピークを過ぎた日本では、消費増税も予定され、住宅需要も一服し、今後は減少に向かうという市況予測があります。特に住宅市場は人口減少の影響を受けやすいため、その市場自体が小さな地方では、すでに、不動産取引がなかなか成立しない状況も出てくる懸念があります。
そしてこの住宅取引の鈍化現象は、地方に限った話ではなく首都圏でも顕在化し始めているようです。国土交通省の首都圏白書(2018年版)によると、この10年間の空き家増加率は、神奈川・埼玉・千葉の3県で51%も増え、不動産価値が下がりにくいといわれる東京都でも8%増加しています。つまり、「空き家」が目にみえて増え始めてきた今、土地や中古住宅などの資産価値にも影響を及ぼすことが予見されています。

空き家が問題化する背景 ~地域の暮らしを脅かす空き家~


普段あまり意識しないために「空き家が増えて困ることなんてあるの?」と思う人もいるかもしれません。しかし、空き家の一番の問題点は、管理されずに放置された住まいは、地域社会にとって迷惑で危険な存在となる可能性があることです。

綺麗な新築の家の隣に、庭の木や雑草が伸び放題で誰も住んでいる気配がない家が並ぶ。一度はこんな光景を目にした経験がある人も少なくないのではないでしょうか。

誰も管理しない植栽は、蚊をはじめ害虫の発生源となり、道路に散乱した落ち葉は近隣住民を煩わせます。老朽化した建物はシロアリの恰好の繁殖場で、シロアリの被害が建材落下、倒壊のリスクを招くことがあるため、隣家にとってはまさに脅威です。さらに、街の景観を損ない、見通しが悪化することで不法投棄や放火など、防犯上の重大なリスクにもつながりかねないのです。

使われない家屋が空き家として放置されがちな要因の1つは、住宅を壊して更地にすることで、土地所有者が支払う固定資産税と都市計画税の金額が跳ね上がってしまうという現行の税制度にあります。家屋が建つ土地は「住宅用地」として、固定資産税・都市計画税の軽減措置が適用されます。家屋を建てることで土地にかかる固定資産税は最大6分の1、都市計画税は最大3分の1まで負担軽減されますが、家屋を撤去し更地に戻すと、この軽減措置が適用されなくなるのです。さらに約100万円が相場とされる住宅の解体コストも、空き家が助長される要因となっています。

こうした迷惑空き家に手を焼いていた行政も対策に乗り出し、2015年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」、通称「空家法」が成立しました。この空家法は、自治体による空き家の実態調査や、空き家の所有者への指導、空き家の柔軟な転用や活用ができるように定めたところが画期的です。空家法では周囲への危険や景観を損ねる空き家を自治体が「特定空家」と定めることが可能になり、問題となっている空き家の立木伐採や住宅の解体撤去などの助言・指導・勧告・命令をしたり、行政代執行(強制執行)も可能となり、住み手も所有者も不明な空き家の処分を行政でできるようになりました。

しかし、それでも年々増えていく空き家。地域や周囲の問題と思っていた火の粉が、やがて自分自身にふりかかってくる可能性があることを想定しておく必要があります。

空き家問題を“自分ごと”として向き合うには?


空き家問題は、実は多くの人にとって無縁ではいられない潜在的なリスクがあります。東京在住の40代会社員Aさんのケースを実例として紹介しましょう。

東北にあるAさんの実家では両親が戸建て住宅に暮らしていますが、すでに祖父母から受け継いだ空き家を管理している最中です。現状実家に戻る予定はなくきょうだいもいないため、万が一両親が急逝した場合、たちまち2軒の空き家をひとりで抱えることになります。その場合、遠隔地の空き家の管理をどうするか……非常に悩ましい問題が出現することなり、配偶者の実家にも同様の事態が起これば、空き家管理の負担はさらに増えます。穏やかに人生100年を送りたい方にとって、Aさんのように「空き家問題が突如ふってわいてくる事態」にどう向き合い、対処していけば良いのでしょうか。

空き家の解消には様々な方法がありますが、Aさんのように自分ひとりで相続して問題に対処する場合、まず住戸の売却が考えられます。しかし、老朽化した住戸の売却は困難な場合もあるため、古い住戸に適切なリフォームを施し、中古や賃貸物件として活用できる資産としておくことが前提です。あるいは、建物は取り壊して更地とする場合も不動産の市場流動性が高まり、土地活用の選択肢も広がります。

では、親の持ち家を複数の子が共有名義で相続した場合はどうでしょうか。親の善意での共有相続ですが、次の代で売却や取り壊しの提案が出た時に、きょうだい間でも合意形成が難航する場合もあります。売却の賛否、解体費用、売却益の分配……数々の話し合いをまとめるために長い年月を要し、その間に老朽化した空き家は、活用がますます難しくなります。

こうした事態を回避するには、共有ではなく単独相続の方がスムーズなケースもあります。また、持ち家を仕舞う前に親世代が認知症になった時に備えて、子どもを「任意後見人」に指定しておけば、子が土地の処分を進めやすくなるので子世代にとって助けとなります。また、生命保険の活用が遺産分割トラブル回避や納税資金対策に有効な場合もあります。親の死後、住まいの扱いをどうするかについて、まずは親が存命のうちに家族全員で話し合っておくべきなのは言うまでもありません。

ちなみに、実家のリフォームを実行する段階になり、建物の「建築基準法の検査済証」がなく、違法建築が発覚するケースもあります。リフォームができないという事態を招かないためにも、事前に検査済証などの法定書類の確認もお忘れなく。

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子や孫たちの世代のために。行政・民間に広がる、空き家問題解消への取り組み

日本は中古住宅に関する制度や中古住宅の流通が弱いため、空き家が増え続けながら新築住宅も増え続けるというミスマッチの一因となってきました。国が長期的に空き家対策に取り組む過程で、中古住宅売買のメリットが増していく可能性は十分に考えられますが、空き家問題にはほかにも対策があります。

1つめは、自治体による「空き家バンク」制度というものがあります。自治体が仲介者となって、空き家の売却や部屋貸しの希望者と購入・賃貸希望者の需給マッチングを行ない、自治体ホームページ等で物件情報を公開する、いわば「自治体による不動産仲介」です。不動産価格が低く、業者による仲介が難しい地域での不動産取引の支援策として貢献する狙いがあり、提供したい空き家がある場合、リフォーム等を通じて買い手・借り手が使いやすい状態にすることで、取引がよりスムーズに運びます。

そのほか自治体によっては住戸のリフォームや解体費用の助成金、使用していない住戸の借り上げ・寄附受け付けといった、空き家対策に活用できる諸制度を用意しています。

相続トラブルを招く不動産として「負動産」とも呼ばれる空き家。空き家問題は、人口が減っている日本において、人口が増え続けている時代の住宅供給・住宅制度が残存しているミスマッチの問題です。
人生100年時代を最後まで困りごとなく過ごすために、そして我が子や孫の世代のためにも、オールジャパンで空き家問題に取り組み、制度や慣習、住まいへの考え方を変えていくべき時なのかもしれません。

(参考文献)
・総務省『平成30年住宅・土地統計調査』
・野村総合研究所『<2018年度版>2030年の住宅市場と課題』
・第一法規『官民ですすめる空き家対策』出井信夫・著
・日本経済新聞出版社『あなたの空き家問題』上田真一・著
・明石書店『深刻化する「空き家」問題』日本弁護士連合会法律サービス店会本部自治体等連携センター、日本弁護士連合会公害対策・環境保全委員会・編

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