安渕聖司は人生100年をどう歩く?~安渕の未来ダイアログ 第1回

#お金 #仕事 #ライフスタイル #インタビュー #人生100年 #老後 #保険

今日の日本では、「人生100年時代」という言葉が当然のように使われるようになりました。しかし、多くのひとが100年という長い人生を歩むことになる社会というのは、有史以来、初めてのことだと言われています。

私たちは今後、これまでに比べ、より多くの経験をすることになるでしょう。楽しみや喜びが増えることは歓迎すべきことではありますが、一方で「どのような未来が訪れるのか分からない」と、不安を感じる機会も多くなるかもしれません。そんな時代だからこそ、多くのひと達の考えに触れ、それをきっかけに自分の将来をどのように過ごすか、考えを深めていく時間を作ってみませんか?

私たちは「人生100年」をテーマに、各界の有識者などに話を伺う連載『安渕の未来ダイアログ』をスタートします。

第1回は、これから本連載で皆さまをナビゲートする弊社代表取締役社長兼CEO安渕聖司が考える「人生100年」です。

人生100年は、極めてまれなケースではなくなってきた

――安渕さんが「人生100年」を意識したきっかけはいつですか?

私の人生で初めて「人生100年」を意識したのは、1995年ごろのことです。大学を卒業して、三菱商事に入社した私は、諸橋晋六会長の秘書をしていました。日頃、行動をともにする中で、会長からはいろんな話を聞きましたが、その中でたびたびお父上である諸橋轍次氏のエピソードを聞く機会がありました。

轍次氏は、漢字研究の大家で『大漢和辞典』や『広漢和辞典』を編纂されたことで有名です。そんな氏は、実は100歳近くまで生きた方でもあるのです。諸橋会長の話によると、轍次氏は90歳を過ぎても勉学に励み、いろいろな書籍の執筆もされていたのだとか。若かった私は、そうしたことを聞くたびに「そんな人生があるのか!」と驚いたものです。当時はまだ「人生100年」なんて言葉はありませんでしたし、轍次氏のような人生は極めてまれなケースだ、としか思っていませんでした。しかも、最晩年までアクティブに過ごしていた、というのは本当に凄いことだと今でも思います。

その後、2010年代にビジネス用語として「ブーカ(VUCA)」という言葉が聞かれるようになりました。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの言葉の頭文字をつなげた造語である「VUCA」は、世界が不安定な状態になりつつある、ということを象徴する言葉でもあります。私もたびたびスピーチで用いていたのですが、口にしながら「変化を体験する期間が凄く長くなるのだな」と、漠然と感じていました。

明確に「人生100年」という言葉に接したのは、リンダ・グラットン教授の『LIFESHIFT』(原題:The 100-year life)が上梓されてからでしょう。この本の中では、たとえば、国連の統計資料をもとに、「2007年に生まれた子どもの半分は107年以上生きることが予想される」といったことが紹介されています。

書籍が話題になったのと時を同じくして、「こんな仕事はAIが肩代わりするようになる」や「ロボティクスによって、この仕事は自動化される」といった議論が盛り上がりました。そうした世の中の変化や危機感を肌で感じ、「これからの時代は、人生が長くなり、必要とされるスキルや知識も変わっていくのだろうな」と、あらためて考えるようになったものです。

「人生100年」となると、教育や体験が持つ意味が変わる

――いくつもの変化が同時並行で起こる時代において、最も注目されているテーマはなんでしょうか?

私はこれまで「教育」に対し、多くの働きかけや取り組みを続けてきました。変化を長く体験する「人生100年」の時代において、そんな「教育」がますます重要性を帯びていると感じています。人生が長いからこそ、学び直しや学び続けることが大事だ、というわけです。

一昔前は日本でも「人生100年」を過ごす存在が珍しく、そうした高齢者に金杯を贈るような催しもあったほどです。しかし、今日では珍しくないどころか、当たり前とも思えるようになってきました。だからこそ、「教育」が持つ意味もまた、大きく変わろうとしているのだと見ています。社会に出たあとに専門性の高い知識を学び直す「リカレント教育」は注目の的ですし、私の周囲を含めて大学院に行き直すひとも増えてきたように感じます。

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人生100年時代の学びの目標は?何から学ぶか?

――「教育」が持つ意味が変わるということは、学びの最終目標も変わる、ということだと思います。たとえば、「超高齢社会をより良く、幸せに過ごすために学ぶ」というのは、これまでの「収入を得るために必要なことやスキルを学ぶ」という目的とは少し違うと思います。より良く幸せに過ごすために、安渕さんが注目されているのはどのようなことでしょうか?

まずは、血縁や世代の区別なく関わり合うような、もともと日本が持っていた「コミュニティ」の良さを見直すことがひとつ挙げられると思います。そうしたつながりや組織を作ろうという動きは、最近ふたたび高まっていますね。この良さを知ることは、都市に住むひとはもちろん、今後高齢社会の課題に直面するであろう諸外国にとっても有益だと思います。

「コミュニティ」の良さを学ぶ代表的な例として、島根県隠岐郡にある海士町の取り組みが思い浮かびます。IターンやUターンによる訪問や移住が活発で、高校3年間の島留学を受け入れるなどもしているのですが、この受け入れ育む環境のベースには、島に根付く強いコミュニティがあったのだと考えます。日本にはこういったコミュニティがまだまだ残っています。これがもたらす良さは、日本が世界に発信できるソフトであり、モデルではないでしょうか。

コミュニティのつながりが、おもしろいローカルベンチャーを生み出した例もあります。たとえば、徳島県上勝町で生まれた「株式会社いろどり」は、非常に興味深い例です。地域の高齢者が山に入り、キレイな葉っぱを摘んできて、それを京都の料亭などに販売する、というマイクロビジネスは、世界的にも珍しいものだと言えるでしょう。

高齢者が地元の葉っぱを資源に本気で事業をしているわけですが、注文等はインターネットを駆使して行われるなど、IT化も進んでいるそうです。一般的に「お年寄り」と呼ばれるひと達が一丸となって「今月はいくらの売り上げだ!」というふうに、セールスモードになってがんばっておられるんですよ!

私はこの取り組みを、アクサ生命が掲げている「こころとカラダと経済の健康」に通じるものだと見ています。仲間がいて、話し合えて、誰かの役に立てる、というのは、こころの健康を高める習慣です。また、山に入って身体を動かすのはもちろん、PCで受発注を処理したり収支管理をしたりすれば頭も使うことになり、身体の健康につながるでしょう。最終的に収入が得られれば、経済の健康もかないますね。

同じようなユニークな例は、岡山や福岡などの地方でも生まれつつあると聞きます。このようなムーブメントには、おおいに注目すべきでしょう。

――日本には「その発想は考えつかなかった!」と思える事例がたくさんありますね。他方、海外に目を向けてみるといかがでしょうか?日本と同じように先進国には「少子化」と「高齢化」の課題を抱える国がたくさんあります。そうした国同士が、お互いに学び合うのも有意義だと感じます。

確かに、日本だけでなく、海外からも学べる事例はあります。たとえば、北欧は、自然環境が厳しく高齢者も多い、人口減少の課題にも直面しているけれども、日本より自己肯定感やQOL(クオリティー・オブ・ライフ)が高いと言われていて、興味をかき立てられます。

周知の通り、「幸福度ランキング」のようないま注目される世界的な調査において、北欧諸国は常に上位にランクインしています。「では、北欧諸国のどんな取り組みが具体的にいい結果につながっているのか?」と聞かれると、私自身もわかりません。しかし、だからこそ注目していきたいと思います。高齢化社会では「社会をより良くしよう」という当事者意識がないと、なかなかいい社会になっていかないように思うからです。

学ぶこと、前向きに「人生100年」を過ごすために

――ここまでお話しを伺っていると、安渕さんの興味関心の幅はとても広いと感じました。そんな安渕さんにとって、常にシゲキを与えてくれるひとはいますか?

たくさんのひとの顔が思い浮かんできますが、今回は3名をご紹介しましょう。

まず、80歳を過ぎても凄く元気にやっておられる木全ミツ氏です。彼女は、本当にリーダーシップのあるひとで、私も個人的に支援しているアジア女子大学の学生たちをサポートしている方でもあります。

認定NPO法人の「JKSK」の前理事として活躍されていたのですが、このJKSKは「女性の活力を社会の活力に」が名前の由来なんですよ。ご自身も、元労働大臣官房審議官、元国連公使、ボディショップジャパンの初代社長として、マルチステージを体験している、パワフルで学び続けるひとです。

もうひとり、女性から。このひとの「人生100年」は楽しみだな、というひと…それどころか「活躍する姿を見ていると100年以上生きていきそうだな」と思うひと、ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン(UWC ISAK Japan)の小林りん氏です。

彼女はいま、軽井沢に全寮制インターナショナルスクールを開校し、社会課題を解決するリーダーを育てる教育に力を注いでいます。7~8年前に「学校づくりに挑戦しようとしているひとがいる」と、知り合いに紹介されて話を聞いて以来のご縁で、今でもたびたび連絡を取り合う仲です。初めて会ったころは、「学校づくりなんて本当にできるのかな?」と思っていましたが、2回3回と会うなかで、「これはきっと実現する!」と思うようになり、私もファウンダーとして参加しました。そう感じさせるエネルギーとパワー、そして未来を創る力が彼女にはあったのです。活動的な様子を見るにつけ、本人の学ぶ意欲だけでなく、変えたいという強い気持ちに心を動かされます。

最後に紹介するのが、ハーバード大学経営大学院の竹内弘高教授です。70歳を超えてもなおアクティブで、今度、国際基督教大学理事長に就任することになっています。本当におもしろい、魅力的なひとで、派手なネクタイをチャームポイントに、「アカデミー界の明石家さんまさんを目指している」と常々、半分冗談で仰っています。

いつまでたっても若々しく、「前回1964年開催の東京オリンピックでボランティアをやった。2020年の東京大会もボランティアする!」と宣言されています。一方で、日本にハーバード大の学生を連れてきて、被災地を巡ってボランティアを経験させるなどのプロジェクトも展開されています。

みなさんパワフルで、次々にいろんなことに興味関心を示し、好奇心をずっと持ち続けるひと達です。これはとっても大事で、子どもの教育においては永遠のテーマでもあるほどです。興味関心を大人になっても保ち続けていられるというのは、活力の源だと言えるでしょう。
だから、そういうひとと接すると、こちらも元気になれるのです。私の人生に影響を与えてくれる存在には「好奇心」というキーワードが必ず出てきます。

好奇心をどう育むか?

――「好奇心を持つことは大切」とのことですが、日々を過ごす上でその対象を見付けるのは難しい、と考える向きもあるように感じます。

たとえば、何かにギモンを感じて「それって何なのか?」という意識のまま、ひとなら会ってみる、行けるところなら行ってみる、食べられるものなら食べてみる、という行動に移せばいいのではないかと思います。

最も簡単なのは、ランチタイムの過ごし方でしょう。お店に行って、「いつもの」ではなく、季節のオススメや今日のオススメなんかを選ぶのも興味関心の現れであり、好奇心が高まったということだと思います。お弁当を買うにしても、同じ店に通うのではなく、3〜4社から選ぶ、といった具合ですね。

これはあるシェフに聞いた話なのですが、旬の食べ物を食べるひとと「いつも同じ加工食品」を食べているひとだと、若々しさが違うし、思い出し力にも違いがあるのだそうです。旬の味や香りをきっかけに、いろんな記憶が呼び起こされ、活性化するということだそうです。

食をきっかけに好奇心を呼び覚ますなら、ワインはいい題材になるかもしれません。ワインと言えばフランスの特産ですが、同国内でも産地によって味に大変個性があるものです。そのため、そのワインの個性に合わせて、最もおいしく飲めるようにデザインされたワイングラスが存在するほどです。そう聞くと、たとえばブルゴーニュワインをブルゴーニュワイン用のグラスで飲んだあと、普通のコップや他のグラスでも飲んでみて、味の違いを確かめてみたくなりますよね。これも好奇心、というわけです。

――では、安渕さんはいま、どのようなことに好奇心を持っていますか?

私は、これまでビジネスで培った経験を踏まえて「時代を経て変わるもの、変わらないもの、変えるべきものとは何か?エッセンスをまとめておきたい」と考えています。

一方で、伝統工芸が好きなので、漆塗りや陶芸、藍染の弟子入りをして作品を作ってみたい、とも考えています。また、歌舞伎・文楽が大好きなので、初めての人でも簡単に分かるような、使いやすいデータベース・アプリを作っておきたい、とも考えています。もちろん、NPOや教育の支援も続けていくつもりです。

レギュラーな仕事を離れてからのことになりますが、それからの人生で与えられた時間を、1/3は家族とともに、1/3はプロフェッショナルの継承に、1/3はNPOなど社会のために使えたらいいな、と計画しているのですが、そうすると人生100年では時間が足りなくなるかもしれません。だから、やりたいことは、なるべく、今やろうと思っています!

アクサ生命の代表として、どのように「人生100年」に貢献するか

――では、最後に少し硬派な質問をしたいと思います。
安渕さんは、アクサ生命で今日の日本社会に対して、どのような貢献をしたいと考えていますか?

私自身は、「死ぬまで健康でいたい!自分の寿命がいつまでか分からないけれど、100歳なら100歳までどうやって健康でいられるか知って実践したい」と考えています。

他方、弊社が20代~60代男女1,000名を対象に実施した「人生100年時代に関する意識調査」の結果によると、「100歳まで生きることを望む層はわずか21.2%」だったとあります。これは、裏を返せば健康や経済的な不安を強く感じているのと推察できますし、私と同じく「いつまでも健康でいたい」という思いの現れなのだと思います。

このような時代に私がアクサ生命に入社したのは、「これからは生命保険会社が『契約者のこころと身体、経済の健康を真剣に考える時代』なのだ」と確信したからです。

一人ひとりがより自分にとって望ましい人生を生きること、こころと身体と経済の健康を保ち続けられるようにすること。これを少しでも多く叶えられるよう、ライフプランニングを通じて、「いま何が足りていなくて、何が必要か?」に気づき、どうすればいいのか一緒に考え、思いがけない不確実性から生じる不安を保険で取り除く、そうすることが先の見えない人生へのおそれを取り除くことにつながり、より幸せな人生に結びつくのだと思っています。

つまり、保険商品はより幸せな人生を送るひとが集まる社会を築くための手段のひとつでしかない、ということです。

そうした社会をつくるためには、人生のいろんな習慣に接する必要があると考えています。アクサ生命が法人契約をされている企業さま向けに提供している「健康経営サポートパッケージ」は、そのひとつだと言えるでしょう。この取り組みでは、「長く健康に生きてほしいから」というメッセージを込めて、マインドセットを整え、生活習慣を見直すよう行動変容を促すべく働きかけを行なっているところです。

よりよい人生への道標と不安を取り除いた環境が整えば、一人ひとりが幸せに近づき、それは家族やコミュニティへと広がっていくはず。いろんないさかいや望ましくない状況は、不安や不満によって生じるもの。保険会社はそれを取り除いていくよう働きかけていくことが可能だ、と考えています。

そして最後に、「この企画を通じて、さまざまな分野で活躍されている皆さんと議論し、『人生100年』を生きる知恵や知識を広めていきたいと考えています。これまで自分の人生に関わらなかったようなまったく専門外のことなどをたくさん聞いて、それを取り込んで自分だけの『人生100年の歩き方』に想いを深めていきましょう」と、安渕は締めくくりました。

これからの連載、どうぞご期待ください!

安渕聖司
アクサ生命保険株式会社 代表取締役社長兼CEO。1979年に早稲田大学政治経済学部を卒業後、三菱商事株式会社に入社。東京、仙台、ロンドン勤務を経て、90年ハーバード大経営大学院修了。99年リップルウッドの日本法人立ち上げに参画。リップルウッド・ジャパン株式会社エグゼクティヴ・ディレクター、UBS証券会社マネージングディレクター、GE コマーシャル・ファイナンス・アジア上級副社長を経て、09年GE キャピタル・ジャパン社長 兼CEO、17年ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社代表取締役社長を歴任、19年より現職に就き現在に至る。兵庫県神戸市出身。

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