リンダ・グラットン教授インタビュー後編〜「お金に賢明であること」が自分の人生を創造する

#健康 #お金 #仕事 #ライフスタイル #インタビュー #人生100年

人生100年が一般的になりつつある今日。「長寿化によって私達は生き方を変えなくてはならない」と指摘するのは、ロンドン・ビジネススクールで教鞭をとり、これからの生き方や働き方についての考えを示した『ライフ・シフト(東洋経済新報社)』や『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉(プレジデント社)』の著者であるリンダ・グラットン教授です。

前編に続き、アクサ生命保険のフィナンシャルプランアドバイザー千葉博道が、「有形資産」を形成するにあたっての心構えやそれが私達にもたらす価値などについて、インタビューしました。

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人生を創造するための「貯蓄・お金」との付き合い方

千葉:先ほど、無形資産の重要性についてお話しいただきましたが、やはり有形資産、とりわけ「お金」についての大事さは無視できないと考えます。しかし、日本では金融教育を受ける機会が極めて少なく、金融リテラシーを身に付けるチャンスが限られていると言われています。どのようにそうした知識を身に付ければいいでしょうか?
リンダさんがどのように学んできたか、教えてください。

リンダさん:お金について賢明であることはとても重要です。私はこれまで貯蓄の大切さについて常に意識してきました。自分の資産、とりわけお財布事情に対しては慎重な姿勢を取ってきたものです。それというのも、子どもたちが随分大きくなるまで私一人で子どもを育ててきたからです。我が家の財政状況がどういったことになっているかを把握することは非常に大切だったのです。

私の貯蓄のやり方は、給与の10%〜15%を必ず貯蓄に回す、という簡単なルールを守ることです。今はロンドン・ビジネススクールから給与のほかに確定拠出年金をもらっていますが、これは将来もらえなくなってしまうかもしれませんね。

そして、金融リテラシーを身に付けることもまた、非常に重要です。私は今でも『フィナンシャル・タイムズ』や『エコノミスト』といった新聞や雑誌を読んで勉強しています。また、株式についての理解を深めるために株への投資もし、自分のポートフォリオが上がっているか下がっているか、興味をもって見て、自分の資産をバランスよく形成しています。

私は、自分の子どもたちにも「とにかく、できるだけ貯蓄をしなさい。できるだけ若いうちから貯蓄をするクセをつけなさい」ということを常々伝えてきました。もちろん、お金の使い方にも注意するように口を酸っぱくして言ってきましたし、散財はするんじゃない、とも教えました。そして、子どものころから投資について学んでもらうために、少額のお金を与えて投資をさせてみることもしました。

こうして貯蓄の大切さや金融の知識を幼いうちから身に付けさせるようにしてきた理由は、私の人生を振り返ってみると、貯蓄をしてきたからこそいろいろな経験ができたと感じるからです。
たとえば、子どもたちと素晴らしい休暇を過ごすこともできましたし、少しだけ自分のために時間をとって執筆活動に専念する機会も得られました。
私は、自分の人生を創造するためにお金を貯めてきた、と言えます。

諸外国は、日本を「人生100年時代のお手本」として見ている

千葉:最後に、2018年4月19日に開催された「人生100年構想会議」の意見交換会でのリンダさんの発言について聞かせてください。
リンダさんは「ロンドン・ビジネススクールに参加している国の中で、学生から最も人気があった国は日本。150名が訪日したが、大変関心を持ち、興奮を覚えていた」と発言されています。

超高齢社会に突入し人口減も確実視されている我が国では、この流れを悲観する意見が多く、リンダさんの発言は新鮮に感じられました。学生たちは日本のどのような点に魅力を感じたのでしょうか?
また、「これからの日本」について、諸外国と日本の捉え方にギャップを感じるところはありますか?
そして、日本に対して、どのような点に期待を持っていらっしゃいますか?

リンダさん:日本に来て興奮を覚えたことはいくつもありますが、やはり日本食への関心は高く、日本のサービスレベルや販売されている品物の質の高さにも目を見張りました。学生たちも、そうしたものを購入できることは「誇らしい」と感じたようですし、そうした体験を通じて訪日できたことを嬉しく思ったようです。

次に、日本が直面している「少子化と高齢化」についてですが、これは日本に限ったことではありません。先進国をはじめ世界的にも同じことが起こっている、または起こりつつあります。つまり、少子化と高齢化は日本特有の問題ではなく、今後世界が直面する課題だと言うわけです。偶然、そのトップバッターが日本だっただけのことなのです。

海外では、「日本」と聞くと、「長生きである」とか「そうした人たちに対してコミュニティを作っている」などとイメージします。そうした意味で、諸外国は日本をお手本にしようと考えているんですよ。

夢や希望を実現する方法を考えてみると、人生100年の歩き方が見えてくる

千葉:今回のインタビューは短い時間でしたが、いくつもの気付きがありました。中でも印象に残っていることは「子ども達への金融・投資教育」についてです。
投資について学ぶこと、金融リテラシーを身に付けることは、将来に備える上でとても重要です。また、たとえば投資詐欺や犯罪から自分の身を守るためにも役立つでしょう。今回の話はたくさんの人に伝えていきたいと思います。

──人生100年を歩くにあたって、無形資産を形成することと同じくらい貯蓄が重要だと改めて感じました。しかし、何のために貯蓄をするのか?ピンとこない人も多いように感じます

千葉:
昔のように収入が右肩上がりではない上、教育費や住宅費、社会保障等の負担が高まっている現役世代は、貯蓄することが難しくなっていると言えるでしょう。また、以前とは異なり保険外交員をはじめとするお金の専門知識を持つ人との接点を持ちづらくなったことで、投資や保険について考える機会も減っているようです。

一方で、公的年金制度がこのまま維持できるのか、100歳まで生きるためにお金はどのくらい必要なのかなど、将来のお金について不安を抱える人はどんどん増えています。
このような「お金、有形資産への不安」も、今、日本が長寿化をポジティブに捉えられない理由のひとつに挙げられるのではないでしょうか?

伺ったお話によると、リンダさんは著書や講演などで「無形資産」の重要性について指摘されていますが、お金などの「有形資産」も同じくらい大事にしてきたようです。
他方、「貯蓄はした方がいい」と分かっていても、なかなか実行できずにいる人は少なくないかもしれません。「いずれ貯めよう」と思いながらタイミングを掴めないという人もいるでしょう。

リンダさんは、『ライフ・シフト』の中で、長い人生に備える資金計画の重要性を論じつつ、それを立てるためには「自分の将来のニーズと願望をある程度把握しておく必要もある。自分がなにを望んでいるかを知らず、人生設計がはっきりしていなければ、長期の資金計画は立てられない」と指摘していました。このことは、貯蓄や投資を考える際の重要なヒントになると感じます。

これを考える上で必要なのは、「自分は何をしたいか?どうしていきたいか?」という問いに、自分なりの答えを出すことでしょう。
中には「今は将来のことなんて考えられない」という人もいらっしゃるかもしれませんが、みなさんも一度は夢を語ったり、将来を思い描いたりした経験があるはずです。そうした、夢や希望、将来の姿についてもう一度書き出してみて、「では、どうやったらそれが実現できるのか」と考えることは、人生100年を生きる上で大きな意味を持つ時間になると思います。また、その中で「どのくらいお金が必要で、どうやって貯めていこうか?」と、お金に対する疑問を具体化させたり、貯蓄や投資といった資産形成を始めるきっかけを得たりする人も出てくるかもしれません。

そのような準備をしておけば、たとえ思い描いた夢が叶わなかったとしても、人生は長いので、違う目標を追うことができます。その時、それまでに貯めたお金があれば、有効に使うことができるでしょう。

そうした機会をできるだけ多くの人が持てたなら、人生100年も歩きやすくなるのではないか、と感じました。

リンダ・グラットン
ロンドン・ビジネススクール教授。日本政府が、人生100年時代を見据えた経済・社会システムを実現するための政策等を検討するべく設置した「人生100年時代構想会議」に招かれ、国内でも知られるようになった。
著書『ライフ・シフト(東洋経済新報社)』や『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉(プレジデント社)』は大ベストセラーとなっている。

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