ドクター+漫画家 二足の草鞋で歩む、私の「人生100年の歩き方」 | 人生100年の歩き方

ドクター+漫画家 二足の草鞋で歩む、私の「人生100年の歩き方」

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「ドクター」で「漫画家」。一見結びつかないこの二足の草鞋を履く医師の近藤慎太郎さんに、健康面を中心とした「人生100年の歩き方」について話を聞いた。多くの先輩たちが進んだライフコースとは少し“ズレた”生き方をあえて選んだ近藤さんは、「人生100年時代」を生き抜くライフプランをどのように考えているのだろうか。

ドクター+漫画家、二足の草鞋で考えるリスクヘッジ

― 現在に至るまではどのようにキャリアを積んでこられたのですか?

小さい頃から漫画が大好きで、高校生ぐらいまで少年誌の漫画賞に投稿していたくらいなんですよ。その後ドクターを目指したのは、自分でも「どれほど世の中が発展したとしても、人間がいる以上必ずある仕事」をしたいと思うようになったからです。北海道大学医学部卒業後は出身地の東京へ戻ってきて、広尾の日赤医療センターで研修医として勤め始めました。

ドクターになって6~7年目、後輩の研修医がついて時間の余裕ができた時に、また漫画を描きはじめて。
最初は医療系ではなく、自分の描きたいジャンルの作品を、漫画雑誌の編集部へ持ち込みしていました。そのうちに「自分の得意なところも」ということで、医療系の漫画を描くようになったんです。

現在は決まった医療機関に所属せず、いくつもの医療機関で内視鏡、胃カメラ、大腸カメラなどを専門とする「消化器内科」のドクターとして働く、いわば「フリーランス医師」をしながら、執筆や漫画制作を続けています。

― 医療について描くにあたって、先生が心がけていることはありますか。

一般の方を対象とした家庭医学本が山ほどある中で、言葉を選ばずに言えば、いわゆるトンデモ本も少なくない。それはなぜかというと、おそらく「きちんとしている本ほど、一般の方が読んでもあまり面白くない」からだろうと。

そこで、きちんとした医療知識をお伝えするのに「真面目一筋でやっていればいつか分かってもらえる」という姿勢ではダメだろうと考えました。わかりやすく説明しなければ、トンデモ本には勝てないと思ったんですよ。ですから、文章自体もわかりやすくなるように努めていますし、しかも「漫画を描きたい」という気持ちが自分にあったから「きちんとした医療知識も漫画で説明すれば、ちょうどいいんじゃないか」と。

― ドクターと漫画家(執筆家)、将来も含めてどちらかに専念しようと考えることはないですか?

ないですね。僕が作った会社は「スリーアスペクツ」といいまして。その“スリー(3)”はなにかというと、「ドクター」と「漫画家(執筆家)」、後は「家庭人」。この3つを絶対に忘れないためにこの名前にしています。欲張りだとは思いますが、できれば死ぬまで働いていたいし、ずっとこの三本柱でいきます。

ドクターというのは、志半ばで亡くなる人もたくさん見ているので、独自の死生観が形成されやすいんですよ。
「人生100年時代」ではあるけれど、自分だっていつ死ぬかわからないから、やりたいことがあったらやるしかない、と。

― だからこそ、安定したライフコースも十分考えられるけれども、あえてフリーで働いたり、二足の草鞋を履くリスクを取っている。

週4.5日くらいは普通にドクターとして働いているわけで、経済的にものすごくリスキーなことをやっているわけでもないですし、ドクターに専念して大きな病院の部長になったら安泰かというと、それはそれで、僕にとってはリスキーにも見える。そこだけで偉くなって、でも途中で病院を辞めることになったら?とか、定年した後はどうなるの?とか。

僕が、一般的なドクターとはちょっとズレた働き方をしているのも、自分の武器を増やしたいから。いくつもの医療機関に勤めることもそうだし、本を書くとなれば、生半可なことを書けないからすごく勉強しますよね。それで初めてわかることもたくさんある。それがリスクヘッジだと考えているんです。

広がりつつある「健康格差」、格差を埋めるポイントは「予防」にある

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―「一生働きたい」ということですが、ご自身が病気やケガをされた時の備えについてはどうされていますか。

自分は結構健康に気をつけている方だし、検査もまめに受けているし、いきなり大きい病気になるリスクは低いと見ています。もちろん、それも実際にはわからないですし、生命保険にはしっかり入っています。

―「健康に気をつけている」という先生が、具体的に実践していることはなんですか?

基本的には食事と運動を意識しています。バランスを意識しながら日々のご飯をちゃんと食べる。ただ、毎食必ず節制するということは難しいので、会食などは素直に楽しんで、その後はきちんと節制して……とメリハリをつけてやっていくようにしています。

― いろいろな立場や環境の方を診る機会があると思うのですが、その中で、特に健康に気をつけていると感じる方はどんな方が多いですか。

いわゆるビジネスなどで成功している人というのは、押し並べてみなさんとても健康に気をつけていますね。一般的な健康法だけではなく、独自のルーチンを持っている人も多いです。
例えば「朝、調味料を入れずに野菜を10種類ぐらい煮たスープを必ず食べる」とか、お年を召した方でもダンベルでの運動を習慣づけていたりとか。それから、みなさん若い人とお話をするのが好きな方が多いです。そういった共通点に、なにか秘訣があるのかもしれませんね。

―「人生100年時代」を生き抜くライフプランにおいても、健康かそうでないかはポイントですね。

そうですね。「死ぬまで働きたい」と言いつつ、自分たちが健康で100年生きる保証なんてどこにもないと思っていますから。人生100年時代というテーマで話題になりやすいのは「老後資金をどうするか」といったことですが、まず「健康が担保されているわけではない」と意識しないといけない。
平均寿命は確かに上がっているけれど、それが健康寿命と直結するか分からないし、単に生きながらえるだけでは困るので、楽観はできない。今の元気な高齢者と、僕らの人生の過ごし方は全然違いますし。例えば、潰瘍性大腸炎は昔、それほど患者の多い病気ではなかったのに、今はものすごい勢いで増えているんです。そこはもっと真剣に考えないと。


― 医療技術が進んでいけば、健康寿命も伸びるものと勝手に思っていましたが、実はかつてなかったリスクが新たに生まれたりもしているのですね。

そうです。さらに今、同じ時代を生きる人の中でも健康格差が広がっています。常に自分の健康状態を把握して、しっかりケアしている人はどんどん健康になっていくし、その一方でなんらかの症状が出るまで自分の健康状態を気にしない人や、最低限の健診すら受けていない人もいて、気が付いた時にはすっかり健康を損ねていることもある。そうすると、人生100年が「健康で思いのまま生きられる時間が増える」という意味で福音になる人もいるし、逆に「最後の数十年ずっと認知症や寝たきりでままならぬ人生を過ごす」ことになって、100年もあるがゆえにつらくなってしまう人もたくさん出てくると思います。

― この健康格差を埋めるためのポイントは、どこにあるとお考えですか?

やはり、すべては「予防」にかかっているんです。確かに、何も症状がない段階で、ケアを続けていくのはとても難しいことだとは思います。ただ、人間の体はギリギリまで耐えてくれるけれど、それを超えると堤防が決壊するようにガタガタと崩れていきます。そうやってなにかひとつ限界を超えてしまうと、それをリカバリするのは予防を続けていくよりも難しくなる。治療内容はもちろん、時間も、お金もかかってくる。だから、「いかにそこへ至らないようにするか」、つまり予防が大事なのですよ。

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近藤 慎太郎
日赤医療センター、東京大学医学部付属病院、山王メディカルセンター内視鏡室長、クリントエグゼクリニック院長などを歴任。専門は消化器内科、消化管内視鏡、予防医学。年間2000件以上の内視鏡検査・治療を手がけながら、講演や各種メディアを通じて啓蒙活動を行っている。



【専門家からのアドバイス】

健康であることは先生も仰る通りQOLを高めますし、実は老後資金の面からも、保険料や医療費などの負担を軽減することになるので、リスクヘッジとして非常に重要ですよね。
ただ、医療保険についての考え方は、人によってさまざまです。近藤先生は健康にも気を使われているため、大病を患うリスクは低いのではないかというお考えですが、医療保険に入る目的にしても、純粋な医療費だけとは限りません。中には「仕事に影響した場合、生活費を補てんするために」という理由で入る方もいらっしゃいます。
先のことが分からないからこそ、お子さまの学資や、100歳まで生きるために蓄えておきたい資産、もし、自分に何かあったらどれくらい遺しておかないといけないか……など、さまざまな可能性を想定してシミュレーションしておくことが大切ではないでしょうか。

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アクサ生命 首都圏第五FA支社 フィナンシャルプランアドバイザー 千葉 博道

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